『おとなの教養―私たちはどこから来て、どこへ行くのか?』
(池上彰/著)

 

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
池上彰氏による、「ある程度人生を生きてきたあなた」のための現代教養を養うための一冊である。学問を通して自分自身について見つめ直し、人類の過去から未来を考えるために多いに役立つ内容となっている。
本書では、多くの大人が学生時代に学んだことを今一度確認したり、再考する場が設けられ、宇宙や宗教といった基礎的学問から、ウイルスや経済学といった専門的学問まで、幅広いジャンルの話題が詰め込まれ、ユーモアとウイットに富む筆致で、わかりやすく解説されている。

著者:池上 彰(いけがみ・あきら)
1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業。NHKで記者やキャスターを歴任後、フリージャーナリストとして多方面で活躍。2012年より東京工業大学リベラルアーツセンター教授。著書に『見通す力』(生活人新書)、『伝える力』(PHP新書)など多数。
出版:NHK出版
序 章 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?――現代の教養七科目
第一章 宗教――唯一絶対の神はどこから生まれたのか?
第二章 宇宙――ヒッグス粒子が解き明かす私たちの起源
第三章 人類の旅路――私たちは突然変異から生まれた
第四章 人間と病気――世界を震撼させたウイルスの正体
第五章 経済学――歴史を変えた四つの理論とは?
第六章 歴史――過去はたえず書き換えられる
第七章 日本と日本人――いつ、どのようにして生まれたのか?
推薦者コメント
小笹芳央<株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役会長>
株式会社リクルートを経て、2000年、株式会社リンクアンドモチベーションを設立。2008年、東証一部に上場。2013年より、代表取締役会長就任。現在はグループ11社の会長を務める。(>>推薦書籍一覧

難解な事象を分かりやすく解説することが著者池上氏の真骨頂であるが、本著作はことさら秀逸である。宇宙、人類の歴史、病気、経済学、歴史、日本と日本人といった章立ての本書は、真の教養を身に付けたいビジネスパーソンを対象にした知的世界への入門編といえる。(小笹芳央)

要約ダイジェスト

リベラルアーツとは何か

「私たちはどこから来て、どこへ行くのか?」この問題への取り組みが、「リベラルアーツ」という学問体系を築き、その時々の「現代教養」として発展した、著者は考える。

著者がリベラルアーツについて考えるきっかけになったのは、2011年3月11日に起きた東日本大震災だった。福島の原発事故の報道を見ていて、文系と理系の間の溝の深さに、日本社会が抱えるさまざまな問題や不安の根っこがあるのではないかと考えたのである。

著者はアメリカの大学視察を通して、リベラルアーツ教育というものを知った。すぐに役立つものを教えるのは専門学校で、エリート大学は「すぐに役立たなくてもいいこと」を教えていたのだ。

本当の教養は自分を支える基盤となり、

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