『ソーシャルマシン M2MからIoTへ つながりが生む新ビジネス』
(ピーター・センメルハック/著)

 

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  • 著者プロフィール
  • 目次
急速な進化を遂げるオープンハードウェアムーブメントの先駆者として活躍する著者が、企業に新たな利益をもたらす「ソーシャルマシン」というフレームワークについて解説した一冊。「ソーシャルなマシン」とはいったい何なのでしょうか。本書では、なれなれしく話しかけてくる自動販売機や牛乳の賞味期限をツイートする冷蔵庫などを例に挙げ、ソーシャルマシンを「ネットに接続し、情報を送受信する機械」としています。

著者はさまざまなソーシャルマシンの事例を用いて、それらが切り開く新たな可能性を考察しています。そこでは機械と機械、そして機械と人間との間に新たな関係が築かれ、ネットを介して機械の力を借りることが自然に行われるような世界について、興味深く描かれています。

これまで技術的な視点から語られることが多かった「機械がネットに接続する」という状態に対して、具体的なメリットやニーズを明確にした上で考察が行われ、また、「ソーシャルマシン」によってどのようなメリットが生まれるのか、それを実現するためには何が必要かなどについても踏み込んで解説されており、今後のビジネスに向けて非常に有用な内容が詰まっています。


著者:ピーター・センメルハック (Peter Semmelhack)
バグラボ創業者兼CEO・オープンソースを使った家電とウェブサービスプラットフォームの開発者として受賞歴を持つほか、最近ではニューヨーク近代美術館の「Talk to Me」展でも作品が紹介された。
急速に成長しているオープンハードウェアムープメントの先駆者として、世界中で頻繁に講演を行なっている。企業向けモバイルソフトウェア企業であるアンテナソフトウェア社の創業者であり、同社のCEOも務めた。
訳者:小林啓倫 (こばやし・あきひと)

出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス


・第1部 ソーシャルマシンの概要
第1章 ソーシャルマシンの世界へようこそ
第2章 ソーシャル化する「モノのインターネット」
第3章 ソーシャルネットワークの進化
第4章 ソーシャルマシンと人類の未来
・第2部 あらゆる製品がプラットフォームである——「すべてがつながる時代」のプロダクトデザイン——
第5章 ソーシャルマシンが社会を変える
第6章 抽象化の略史
第7章 ソーシャルマシンをデザインする
第8章 アバターと「ソーシャルマシンの7要素」——ソーシャルマシンの特性
第9章 ソーシャルマシンの活動領域——なぜ想定外の使われ方を歓迎しなければならないか
・第3部 ソーシャルマシンのビジネスモデル
第10章 二つのモデル——誰が何をシェアするか
第11章 ソーシャルマシンでビジネスを始めるには
第12章 私のお客のお客は私のお客——ソーシャル・バリューチェーン
第13章 ソーシャルプライシングの技術
・第4部 ソーシャルマシンを作る
第14章 デザインに求められるもの——ソーシャルマシンを作るには
第15章 さらに先へ
・第5部 市場参入のシナリオ
第16章 スマートハウス
第17章 小売業
第18章 交通
第19章 金融
第20章 ヘルスケア

要約ダイジェスト

ソーシャルマシンとはなにか

ようこそ、ソーシャルマシンの世界へ。この世界では、ソーシャルネットワークに参加するのは人間だけではない。インターネットに接続した電化製品、機械、ガジェットなども参加している。あなたのツイッターを次にフォローするのは、自宅の冷蔵庫かもしれない。消費者、企業、マシンが新しい形でコラボレーションし、革新的な方法で価値を生み出すエコシステムが登場しようとしている。

私たちは携帯電話を日常的に持ち歩くようになっているが、ソーシャルマシンというコンセプトは、その携帯電話上ですでに実現されている状態を延長したものにすぎない。いまや携帯電話は社会に深く根付いているが、こうした事例は、ナイキの「ナイキプラス」など今後いくつも登場してくるだろう。

人間は何世紀もの年月をかけて、機械との関係を築き上げてきた。研究によれば、人々が自分のPCに人間性を感じてしまうというのは、珍しい現象ではないそうだ。

ホームオートメーションやスマートシティといったコンセプトはユートピア的だが、

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