『得手に帆あげて』
(本田宗一郎/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 本書は本田技研工業の創業者にして、今なお名経営者として語り継がれる本田宗一郎氏が、その人生と仕事に対する哲学を余すところなく語った一冊。

 小学生時代に自動車に魅了された著者は、十五歳で自動車修理工場のアート商会に丁稚奉公に出て、六年後に独立し、町工場を世界の「HONDA」ブランドへと育て上げた。本書で著者は自らの人生を振り返り、「好きな機械いじりを生涯の仕事にしてきたからこそ、現在があったと思う」と記している。

 そして、最高の生き方とは自分の個性を開発し、より個性的に育成して、それに従って生きること。すなわち「得手に帆あげて」生きることだと提唱する。HONDAのものづくりの原点やパイオニア精神、イノベーションに対する示唆も多く、優れた技術者であり、経営者でもある著者の哲学が凝縮された良書である。


著者:本田 宗一郎
 1906年1月17日生まれ。高等小学校卒業後、十五歳で東京の自動車修理工場のアート商会に丁稚奉公。六年後に独立、浜松支店を設立して実業家人生を踏み出す。戦後、本田技研工業株式会社を設立。モーター付き二輪車の生産販売を手始めに、自動車生産にも着手。世界の「ホンダ」ブランドへと育て上げた。(91年8月5日没)

出版社: 光文社 (2014/3/19)


第1章 栄光に突っ走れ
第2章 『若さ』この偉大なるもの
第3章 充実した人生をモノにしろ
第4章 現代の不思議
第5章 わがイデオロギーの断片

Check Point

  • 新たに開発する分野も、改革をしていく余地もどこにでも転がっている。日本人はパイオニア精神に欠けるところがある。
  • 合理化とはお金や雇用のことではない。人間のアイデアを中心とした合理化こそが、真の合理化である。
  • 人生は『得手に帆あげて』生きるのが最上である。本田氏は不得手なことはやらず、得手なことしかやらない。

要約ダイジェスト

パイオニア精神とはなにか

 人間の能力というものは、実に素晴らしいものだと思う。恐らく十年前の人間には到底想像も及ばぬ生活が、私たちの周囲で展開しているのである。現代人、とくに若い世代の人たちは、素直にこの幸運を感謝しなければならないと思う。

 しかし、肝心な若い人の口から、こんな言葉を聞くことがある。「昔と今とでは時代が違う。昔は科学が未発達の段階にあったから発明もできたのだろうが、今日ではもう発明や発見も漁り尽くされて、もう出る幕が少なくなっているから、そう簡単にはいかない」。

 はたしてそうだろうか。私にいわせれば、

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