- 本書の概要
- 著者プロフィール
著者は「パラダイム」とは、①境界を明確にし、②境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるものであると説く。本書では、スイスの時計産業など没落していった産業や、アップルなどの新たなルールをつくり躍進した企業など、さまざまな事例を通して、パラダイムとパラダイム・シフトの本質に迫っている。
また、本書には、イノベーションや未来予測といった経営視点での示唆だけでなく、パラダイムにとらわれずに柔軟に思考するヒントも豊富に詰まっている。一読すれば、ビジネスの現場や日常生活における「武器」としての使い方も理解できるはずだ。
さらに本書では、新旧のパラダイムの橋渡しをするのがリーダーだと説くなど、組織への言及も多い。その意味で、新入社員からマネジメント層まで必読の一冊だ。本書を仕事のバイブルとして愛読してきた元 BCG(ボストンコンサルティンググループ)日本法人代表 内田和成氏もいうように、本書の示唆は立場と時代が変わっても古びない。
米ミネソタ科学博物館の未来学研究部長を務めるかたわら、数多くの企業のコンサルタントとして経営者および社員の意識改革に携わる。
翻訳:仁平 和夫
翻訳家。1950年生まれ。訳書に『ディズニー7つの法則』(日経BP社)、『大統領執務室』(共訳、文藝春秋)など。2002年死去
序文:内田 和成
早稲田大学ビジネススクール教授。東京大学工学部卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA)。日本航空を経て、ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表。2006年から現職。
第2章 先見性が勝負を決める
第3章 パラダイムとは何か
第4章 新しいパラダイムはいつ現れるのか
第5章 だれがパラダイムを変えるのか
第6章 だれがパラダイムを開拓するのか
第7章 パラダイム効果とは何か
第8章 パラダイム効果の実例
第9章 20世紀のもっとも重要なパラダイム・シフト
第10章 振り出しに戻る
第11章 パラダイムの重要な特徴
第12章 管理者とリーダーとパラダイム
第13章 1990年代のパラダイム・シフト
第14章そして、時は行く
Check Point
- パラダイムとは、ルールと規範であり、①境界を明確にし、②成功するために、境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるものである。
- 新たなパラダイムが盛んに問題を解決している時、次のパラダイムの萌芽が始まっている。
- 管理者はパラダイムを強化し、リーダーはパラダイムとパラダイムの間を導く
要約ダイジェスト
パラダイムとは何か
次のパラダイム・シフトを予見する
1974年、著者が企業のセミナーに招かれて、パラダイムについて話しはじめたとき、なぜそんな「奇妙な概念」にとりつかれているのかと、さんざん質問を受けたという。ほとんどの人が「PARADIGM」をどう発音するかすら知らなかったのだ。
著者はテクノロジーと社会に起こった根本的な変化(環境問題、日常茶飯事となったテロ、スモール・イズ・ビューティフルという思想、コンピューターの発達など)の大半は、