- 本書の概要
- 著者プロフィール
インターネットとテクノロジーの現在までの潮流と、そこから導かれる近未来の姿、そして人間社会に与える影響を描ききった一冊です。著者は『WIRED 日本版』『ギズモード・ジャパン』『サイゾー』など、紙とウェブを横断して様々なメディアを立ち上げ、日本のインターネットを黎明期から支える人物の一人である株式会社インフォバーンCEOの小林弘人氏。
著者はタイトルにもあるように、これまで現実社会を模倣してきたウェブから、現実社会がウェブを後追いする(現実世界の未来図がウェブにある)未来が訪れつつあることをさまざまな事例をあげながら本書で説明していきます。
近年話題となっているグーグルグラス、Edtech(教育界でのIT革命)、IOT(モノのインターネット化)など、現実世界にも大きな影響を与えるトレンドについても解説され、今後われわれがインターネットとどのように向き合っていけばよいのかまでが提示さされています。
テクノロジーの発達はよく「人間排除的」な文脈で語られることがあります。しかし著者はソーシャルネットワークの発達こそが「人間中心主義」を到来させると説き、人とインターネットのポジティブな未来像を提示してくれます。特にITやテクノロジーが専門でない方にもわかりやすいよう配慮され、未来予測をいい意味で変えてくれる示唆と、ビジネスへ活かせるヒントが多い一冊です。
著者:小林弘人(コバヤシヒロト)
1965年長野県生まれ。株式会社インフォバーン代表取締役CEO。株式会社デジモ代表取締役。ビジネス・ブレークスルー大学教授。「ワイアード」「ギズモード・ジャパン」など、紙とウェブの両分野で多くの媒体を立ち上げる。日本初のブログ出版、オーディオブック、3Dプリント可能なコンテンツなど、つねに新たなメディアのかたちをプロデュース。98年に株式会社インフォバーンを設立し、国内外企業のデジタルマーケティング全般からメディアの立ち上げ・運用などを支援。
出版社:PHP研究所
第1章 ウェブ2.0以降の世界はこう変わった
第2章 「シェア」が生み出す新しい資本主義
第3章 なぜ日本企業は「オープン」に対応できないのか
第4章 「ウェブをコピーした社会」が向かう未来
第5章 常識の通じない時代を生き抜く「7つの視座」
要約ダイジェスト
社会はウェブをコピーする
一気に普及したスマートフォンから近未来を予見させるグーグルグラスまで、とてつもない速度で社会の常識を塗り替えていくテクノロジーと、それらをつなぎ合わせるインターネット。ビジネスの世界ではこの潮流に乗り遅れまいとさまざまな言説が飛び交っている。
おそらく多くの人々は凄まじいハイテク化の波に取り残されはしないかという、畏れすら抱いているのではないだろうか。インターネットの黎明期には、現実の社会がこれほどまでウェブに依存すると予想できた人は少なかった。
しかしいま、私たちの社会はウェブ抜きではもはや成立しない。そして現実世界はウェブのなかで起きている「潮流」をつねに後追いしている。
もともとインターネット空間はリアル社会の複製から始まったが、これからはリアル社会がウェブの中で培われた思考様式や心理状態を模倣していくだろう。「社会はウェブをコピーする」。これが重要なキーワードである。