『リーダーのための伝える力』
(酒巻 久/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次

 キャノン電子株式会社の代表取締役社長として同社を高収益企業へと成長させた著者が、リーダーとして「利益を出せる強い組織」へと部下とチームを成長させるためのコミュニケーションを説いた一冊です。

 「椅子とPCをなくす」などのユニークな経営手法でも知られる著者ですが、同時に、リーダーとして常に「何を、どう伝えれば部下とチームは変わるのか?」ということを考え、試行錯誤を繰り返しました。そしてコミュニケーションに「これ」という唯一の正解はないとしながらも、40年間の経験から、共通する法則のようなものはいくつか見えてきたといいます。

 その法則とは、「仕事に対する当事者意識」をいかに持たせるか、というものでした。著者は「自分の仕事と捉え、自発的に取り組むことで仕事が面白くなり、その結果、成果も上がってくる」というサイクルを回す社員が一人でも多くなることが、組織が本当に強くなることだと語ります。本書ではそれを実現するためのコミュニケーション技術が具体的に述べられていきます。

 現在、実際に組織長として部下を持たれている方、また今後リーダーになろうかとする方の多くは、個人ではなくチーム全体での成果最大化につながるコミュニケーション手法について、大きな関心を持たれていると思います。そのような方にとって、多くの実践的な学びを得られる貴重な一冊です。


著者:酒巻久(サカマキ ヒサシ)
 キヤノン電子株式会社代表取締役社長。1940年、栃木県生まれ。67年キヤノン株式会社に入社。VTRの基礎研究、複写機開発、ワープロ開発、総合企画等を経て、96年、常務取締役生産本部長。99年、キヤノン電子社長に就任し、環境経営の徹底により6年で売上高経常利益率10%超の高収益企業へと成長させた手腕で注目される。
 『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』(祥伝社)、『キヤノン方式のセル生産で意識が変わる会社が変わる』(日本能率協会マネジメントセンター)、『「会社のアカスリ」で利益10倍!』『朝イチでメールは読むな!』(以上、朝日新書)、『ドラッカーの教えどおり、経営してきました』『リーダーにとって大切なことは、すべて課長時代に学べる』(以上、朝日新聞出版)など、著書多数。

出版社:朝日新聞出版


1章 部下のやる気を引き出し、闘う集団へと変える伝え方
――意識と行動はどうすれば変わるか
2章 コミュニケーション・ミスを防ぐ伝え方
――「聞けない病」を撲滅する
3章 伝わる話し方、伝わらない話し方
――リーダーのための話し方の極意
4章 伝わる文章と手書きの力
――手でものを考えるということ
5章 暗黙知の伝え方
――忍耐強くマンツーマンで

要約ダイジェスト

リーダーの役割とは何か

 リーダーになった途端、人は自ら発信することを求められる。リーダーが発信しない限り、組織も仕事もどこへ向かって動いていけばいいのかわからない。

 では、リーダーは何を伝えれば良いのだろうか?それを考えるときに大切なのは、部下とチームを「利益を出せる強い組織」へと成長させるという、リーダーの役割から考えることである。

 組織を改革する時に一番有効な方法は、まず一つの部署から変える、ということだ。キヤノン電子を変えるために掲げた目標は、時間、不良品など「すべてを半分に」というものだった。

 私はまず、素直な人が多そうな工場を直接指導して、

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