『卓越した組織になるために「改革」を変える』
(有馬 淳ほか/著)

 

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
富士通のフィールド・イノベータ(改革専門家)として顧客企業の業務改革活動を支援してきた著書らが、「改革を成功させ、定着させるためにはどうしたらいいのか」を論じた一冊。その内容は「理論」にとどまらず、富士通が行ってきた1,000に及ぶ事例(失敗事例も含む)をもとに、明確な改革への道筋が示される。

具体的には、改革を邪魔する「上司や関係部署が動いてくれない」「進め方がわからない」「改革活動が定着しない」「改革をリードする人材が育たない」といった悩みに対し、「改革原型ステップ」(「改革」を①気づき、②公式化、③策定、④実行、⑤定着という5つのフェーズに分解)の手法が丁寧に解説されていく。

著者らは「改革は、属人的なものから組織的なものに変えることができる」という信念を持ち、現在厳しい状況にある日本企業群、成長の「伸びしろ」は多いと語る。理論を裏付ける経営学、心理学等の解説も織り込まれ、現場で悩む多くのリーダー、マネジャーにとって大いに役立つ内容となっている。


著者:有馬 淳
京都大学大学院工学研究科修士課程修了。博士(工学)。(株)富士通研究所を経て、現在、富士通(株)フィールド・イノベーション(FI)本部フィールド・イノベータ。北陸先端科学技術大学院大学客員准教授。会津大学特任教授。サービス・イノベーションなどを講義。FI活動では、大手電機会社・通信会社および社内で業務効率化、生産性向上、ビジネス創造を支援。FI本部においては、改革理論構築責任者、改革リーダーたちの集まりであるFIコミュニティを運営

著者:丸山 研二
東北大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。(株)富士通研究所を経て富士通(株)フィールド・イノベーション本部フィールド・イノベータ。人の感性や価値観に関わるインタビューや振返り技法の開発と普及に携わる。改革歴は、社内のヘルスケア部門、海外部門のほか、製造業のお客様を中心に生産管理、購買、マーケティングの業務改革を経験。組織学会会員、米国電気電子学会(IEEE)会員

著者:渡部 信雄
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。理学修士。(株)富士通研究所を経て、現在、富士通(株)フィールド・イノベーション本部フィールド・イノベータ。教育、製造、小売業の企業のコールセンター、ソフト開発業務、店舗運営業務の改革、および自治体の業務改革を支援。情報処理学会会員
出版:日経BP社


序章 改革を成功させるには何が必要か
第1章 改革を進める―5つのフェーズと改革原型ステップ
第2章 主体的なフォロワーを生みだす―改革原型ステップの基となるフォロワー視点のリーダーシップ
第3章 改革に関する理論を知る―背景にある知見
第4章 事例を見る―「フォロワー視点のリーダーシップ」から見た業務改革事例
終章 さあ改革しよう―あとがきに代えて

要約ダイジェスト

多くのリーダーが持つ悩み ―なぜ改革は成功しないのか

改革がうまく進まないー。業務改革に携わったことがある方の多くが、こうした経験をお持ちではないだろうか。本書は、富士通が顧客の業務改革を支援する中で得た知見を整理し、改革リーダー向けに「改革はどう進めればよいか」「なぜ、そうしないといけないのか」といったことをまとめたものである。

改革は単純な一方向の情報の流れで実現できるものではなく、経営者と現場、発注部門の思いが渾然一体となり一つに収敷していく「共創の場」が必要になる。そのために、多くの人たちがベクトルをそろえて主体的に関わってもらう必要があるが、これこそが改革を成功させることの最大の難しさである。

残念ながら、こういった改革の難しさを理解し、改革を適切に進める知識やスキルを持つ人材は多くの組織で不足している。リーダーシップ論で著名な経営学者、ジョン・P・コッターは、次のように指摘している。

「現状路線を維持管理するマネジャーと新しい路線を引くリーダーは役割が違うが、それが混同されており、リーダーに必要な教育・学習の機会が奪われている。」

理想的な改革リーダーは2つの特性を持つ。一つは、確信に満ちた洞察やその洞察に基づいた未来像を持っていること。そしてもう一つは、その未来へ人々を巻き込んでいく力を持っていることである。確信に満ちた洞察は、現実に対するその人独自の見識である。その結果、洞察から導かれる帰結をその身に引き受け果たそうとする強い気概が生まれ、「私がやらねばならない」といった使命感につながるのだ。

一方、巻き込んでいく力は洞察から得られた未来像を組織で実現する、すなわち、「改革」のために必要になってくる。改革は、組織内の人々が形作っている現実を変えるということであり、

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