- 本書の概要
- 著者プロフィール
その特徴は、東洋哲学のように「内省」や」内観」を重視し、「やり方(How)」ではなく、行動の「源(ソース)」に着目し、以下の3つのプロセスで言い表されます。
(1)センシング=ただ、ひたすら観察する
(2)プレゼンシング=一歩下がって内省する 内なる知が現れるに任せる
(3)クリエイティング=素早く、即興的に行動に移す
「U理論」という名前は、上記プロセスで自己の深部まで潜り、また浮上するイメージが「U」というアルファベットに似ているところに由来します。そして、「U理論」では「プレゼンシング」で内側から湧き上がるビジョンや課題解決を、「未来からの学習」と呼び、これこそがPDCAのような「過去からの学習」では解決できない問題に有効だといわれるゆえんです。
本書では、U理論をベースとした”組織進化プロセスコンサルティング”を行う著者が携わった多くの事例やエピソード(特に冒頭のコスメビューティ社の事例は必見だと思います)が紹介され、また、個人や組織向けの具体的なワーク手法の公開など、非常に実践的にまとめられています。ビジョン浸透などの組織課題から家庭問題などのパーソナルな問題まで、「過去の延長線上にはない」イノベーションや課題解決を望む多くのビジネスパーソンに、お薦めできる一冊です。
オーセンティックワークス株式会社代表取締役。社団法人プレゼンシングインスティチュートコミュニティジャパン理事。特定非営利活動法人日本紛争予防センター理事。フリュー株式会社社外監査役。広島県呉市出身。同志社大学法学部政治学科卒。
大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現:アクセンチュア)に入社し、コンサルタントとして、ITを活用した業務プロセス改革や顧客戦略プロジェクトなどの組織・人材設計を行い、2005年に独立。
第2章 U理論が起こすパラダイムシフト
第3章 本質的な変容を起こすU理論の7つのステップ
第4章 U理論の実践 個人編
第5章 U理論の実践・ペア・チーム編
第6章 U理論の実践・組織・コミュニティ編
要約ダイジェスト
世界中のリーダーへのインタビューから生まれたU理論
U理論とは、一言でいえば「過去の延長線上にない変容やイノベーションを個人、ペア、チーム、組織やコミュニティ、そして社会で起こすための原理と実践手法を明示した理論」である。
U理論を提唱するマサチューセッツ工科大学上級講師、オットー・シャーマー博士が、U理論を発見するきっかけとなったのは、第一線で活躍する革新的なリーダーたち総勢130人へのリーダーシップと組織、戦略についてのインタビューだった。
オットー博士は、このプロジェクトをはじめ、さまざまな研究の結果、変革は「リーダーが何を実行するか、どのように実行するかではなく、個人としても、集団としても、自分は何者なのか、行動を生み出す源(ソース)は何か、にある」という結論にたどり着いている。
U理論が何かを端的に表現するとすれば、「何か(What)」でも「やり方(How)」でもなく、