- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書では300回以上にものぼる取材により、アマゾンの急成長の道のりと、ベゾス氏の独特な経営哲学、そして経営手法が詳細に描かれている。例えば、彼の「倹約から臨機応変、自立、工夫が生まれる」という考えから、アマゾンでは幹部クラスでも飛行機はエコノミークラス、また、ミーティングではパワーポイントやエクセルの資料を「思考を隠す」からと禁止し、「意見書」と呼ばれる文章の提出が求められるという。
また、本人が秘密裏に進めたかったという宇宙事業への言及や、音信普通であった実父への取材も敢行するなど、純粋なノンフィクションとしても読み応えがある。インターネットの可能性に大きく賭け、買い物や読書の習慣を変えてしまったアマゾンという巨大企業をゼロから創り出した、一流経営者の学び方・生き方を追体験出来る貴重な一冊だ。
ブルームバーグ・ビジネスウィーク誌のシニアライター。ニューズウィーク誌、ニューヨーク・タイムズ紙などで15年にわたり、アマゾンやシリコンバレー企業について報道してきた。カリフォルニア州サンフランシスコ在住。
翻訳者:井口耕二(いぐちこうじ)
1959年生まれ。東京大学工学部卒、米国オハイオ州立大学大学院修士課程修了。大手石油会社勤務を経て、1998年に技術・実務翻訳者として独立。翻訳活動のかたわら、プロ翻訳者の情報交換サイト、翻訳フォーラムを友人と共同で主宰するなど多方面で活躍している。
滑川海彦(なめかわうみひこ)
千葉県生まれ。東京大学法学部卒。東京都庁勤務を経てフリー。IT分野の評論と翻訳を手がける。ITニュースブログ「TechCrunch Japan」翻訳チーム。
第1章 アマゾンは金融工学の会社から生まれた
第2章 冷たい目を持つ聡明な男
第3章 ベゾスの白昼夢と社内の混乱
第4章 宿敵アナリストに打ち勝つ
第5章 ロケット少年脳
第6章 混乱続きの物流システム
第7章 テクノロジー企業であって小売企業ではない
ほか全11章
付録ジェフ・ベゾスの愛読書
要約ダイジェスト
信念を貫く
インターネットであらゆる商品を販売する
1994年、ウォールストリートで目立つ存在であったジェフ・ベゾスは、ウェブが常識外れのスピードで成長するのを見ながら「エブリシング・ストア」というアイデアを考えつく。
それは「インターネット企業がメーカーと消費者をつなぎ、世界に向けてあらゆる商品を販売する」というものだったが、