- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこで本書では、「ロールプレイングゲーム(RPG)型」のキャリア構築を提唱。これは、どこにでも行ける広大なフィールドの中を自ら動き回り、探索し、課題を設定し、転職や学習などに自律的に取り組むものであり、著者が実践してきた働き方でもある。本書では、そのための仕事術や学習法、キャリア戦略をわかりやすく解説する。
著者は株式会社クロスリバー代表取締役、アグリゲーターで、日本電信電話株式会社(現 NTT)、マイクロソフトなどを経て、全メンバーが週休3日・複業・リモートワークで、オンライン講座やコンサルティングを提供するクロスリバーを設立。20~30代の方だけでなく、これからのキャリア戦略を考えたい方はぜひご一読いただきたい。
株式会社クロスリバー代表取締役、アグリゲーター。株式会社キャスター執行役員。1996年に日本電信電話株式会社(現NTT)に入社し、営業と人事を経験。2001年、外資通信会社に入社したものの9カ月で破産。02年、WebExに参画、Web会議サービスでトップシェアを獲得。05年、マイクロソフト入社、最高品質責任者、業務執行役員などを経験。17年、クロスリバーを設立、全メンバーが週休3日・複業・リモートワークで、オンライン講座やコンサルティングを提供する。著書にはベストセラーとなった『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。
第1章 これからのキャリアはRPG化する
第2章 テクノロジーが働き方を変える
第3章 「29歳」というターニングポイント
第4章 大変化を生き抜く「ずるい」仕事術
第5章 オープンワールドで必要な「7つの力」
第6章 Web3時代の「経験値」の積み上げ方
エピローグ すべてが「フリー」になる
要約ダイジェスト
これからのキャリアは RPG化する
「大企業に入れば、倒産することはない」「我慢して働いていれば、給料は着実に上がる」、20年前は、私自身そう思っていた。大学を卒業した私は、新卒で日本の情報・通信分野の巨大企業に入社し、望めばそのまま定年まで居続けることもできただろう。
しかし、大学を卒業するときには想像もしなかったが、転職や起業を経験し、マイクロソフトでは「働き方」がそれ以前のモデルとはまったく違ったものになっていく様子を肌身に感じる体験をした。
そして 2022年の現在、独立し、800社を超えるコンサルティングを通じて、「大企業が大企業のまま成長し続けることはもはや難しい」と確信するに至った。日本の株式時価総額の上位であるトヨタ自動車の豊田章男社長も、2019年5月に「終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言し、大きな話題になった。
大企業に入ったら退職するまで安定していて、給料が着実に増えていくというモデルは、もはや現実的なものではなくなっている。これから 20代や 30代がキャリアを構築していくにあたって、40代の上司の経験でさえほとんど参考にならず、自分でキャリアのゴールを設定するほかないことが実感としてわかるはずだ。
このような社会の変化を踏まえ、私は、これからのキャリア構築は「ロールプレイングゲーム(RPG)型」になると考えている。自分が目指すキャリアゴールに向けて何をすべきか、オープンワールドの“冒険”の旅を続けながら、自分自身で探索していくのだ。
そして、自発的に学習することでレベルアップするだけでなく、勇者から魔術師になるといった“転職”も通じて、スキルの複線化が実現できる。どんどん転職を重ねて、学習し続けることで、キャリアが多様化する─このスタイルはまさしく RPGに似ている。
そして“働く環境”自体も、国境や言語の壁がなくなり、オープンワールド化していく。思うがまま、どこにでも行ける広大なフィールドの中を動き回り、