『1000人のトップセールスをデータ分析してわかった営業の正解』
(山田和裕/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
「営業は属人的なもの」「営業が 100人いたら 100通りのやり方があっていい」と考える人や企業は多い。だが実際には、業種・業界を超えて「できる営業」に共通する特性は存在する。ただトップセールス本人もなぜ売れているのか言語化できていないケースも多く、それを見える化・体系化できている企業が少ないというのが実情なのだ。

 そこで本書では、1000人以上のトップセールスのヒアリングをもとに、業種・業界を超えて「できる営業」に共通する 48の成功特性を解説。「できる営業」「できない営業」を対比させて端的に表現しながら、IT、自動車、保険、医薬、旅行など、豊富な業界ごとの事例も多数紹介している。

 著者は、営業の見える化を得意とし、成功特性を標準化して「見える化ツール」にまとめる独自の“3次元プロセス分析法Ⓡ”を開発、100社以上の大手・中堅企業のプロセス改善・営業強化に貢献してきた人物。「できる営業」やトップセールスになりたい方はもちろん、営業チームづくりにかかわる方にはぜひご一読いただきたい。

著者:山田和裕(Yamada Kazuhiro)
 株式会社フリクレア代表取締役。プロセスコンサルティングの第一人者。「プロセス見える化」と「プロセス評価」を連携させた〝プロセス主義Ⓡ〟を提唱。特に営業の見える化を得意とし、業種・業界にとらわれず、100社以上の大手・中堅企業のプロセス改善・営業強化に貢献。1000人以上のトップセールスに行ったヒアリングと分析をもとに、「できる社員」の勝ちパターン = 成功特性を標準化して「見える化ツール」にまとめる独自の〝3次元プロセス分析法R〟を開発。 
 総合商社丸紅での船舶ファイナンスからIT業界へ転身。ERP(基幹システム)の旧バーンジャパンを経て、ソフトブレーンでSFA(営業支援ツール)のトップセールスに成長する過程で、「結果を出すためのプロセスの見える化と人事評価の連携が重要であること」に気づき、世の中に広めることを決意し、2008年にフリクレアを起業。1984年一橋大学商学部卒業。宮崎県出身。著書に『1枚のシートで業績アップ!営業プロセス“見える化”マネジメント』(同文舘出版)、『さらばイエスマン 人が活きる「プロセス評価」』(日経BPコンサルティング)がある。 
第1章《営業の正解・導入編》
第2章《営業の正解・初級編》
第3章《営業の正解・中級編》
第4章《営業の正解・上級編》
第5章《営業の正解・トップ・オブ・トップ編》

要約ダイジェスト

導入編 1000人のトップセールスをデータ分析してわかった営業の正解

 営業のやり方は属人的なもの、いまだにそう考えている会社も少なくない。しかし、今では見える化の手法も進歩して、できる営業の効率的な勝ちパターンを、体系立てて説明することができるようになった。

「できる営業」がよく言うのは「当たり前のことを、当たり前にやっているだけ」という言葉だ。まったく別な会社のトップセールスが、営業のポイントとして、似たような話をしたりする。できる営業には業種や業界に関係なく共通する特性がある。「当たり前のこと」の中にトップセールス本人も意識していない秘密が隠されているのだ。

 1つひとつから生まれる「差」はほんの少しで、1つの成功特性だけでは、大きく結果は変わってこないかもしれない。ところが、それがいくつも積み重なっていくと、かなり大きな差になって表れる。営業のレベルはトップとボトムでは、同じ人間とは思えないくらいに違う。しかし、それはもともとの才能や素養ではなく、「結果を出すためのプロセス=営業の正解」が徹底できているかの差である。

 本書で想定する「できる営業」と「できない営業」を、次のように定義する。「できる営業」とは、自分なりの成功法則を見出して、結果を継続的に出し続けている営業。目標とする上司や先輩を持ち、日々試行錯誤を繰り返すなど努力を続けている。

「できない営業」とは、自分なりにがんばってはいるものの、なかなか思うように結果の出ない発展途上の営業、あるいは、営業を体系立てて教えられたことがないので、自己流で良かれと思ってやっている営業だ。聞きかじった精神論や手っ取り早いテクニックを試してみるが、それだけではうまくいかない「迷える営業」とも言える。

初級編 これから「できる営業」を目指す人へ

 できない営業はいつも返事が遅く、できる営業は基本即答だ。スピードの大切さについてはよく指摘されるが、「どれくらい早く行動すればよいのか」という具体的なスピードについて、定義してルール化している人は少ない。

「できる営業」は、「スピード対応のルール」を自ら設定して実践している。例えば、メールであれば、次のような3つのパターンに分けて対応する。

①メールを見たら、いったん置かずにその場ですぐ返信(見直す時間が無駄)
②外出時などですぐ返信できない場合は、

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