- 本書の概要
- 著者プロフィール
そして、これからの時代を生き抜く、本当に頭がいい人が持つ4つの力を定義する。具体的には、①問題を正しく捉え解決する「情緒に流されない力」、②アップデートされ続ける正解にたどり着く「地図を読み換える力」、③理性に偏りすぎずに革新的な挑戦をする「アニマルスピリッツ」、④目に見えるものにとらわれない「妄想する力」だ。
本書では具体的に4つの力を脳科学や認知科学の知見をもとに解き明かし、それらを手に入れるための方法を伝授、さらに脳を活性化させる思考実験なども収録している。著者は脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。論理や直観、革新的思考の両方を磨きたい方はぜひご一読いただきたい。
1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。脳科学者。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京大学大学院客員教授。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究する傍ら、文芸評論、美術評論にも取り組む。2005年、「脳と仮想」(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、「今、ここからすべての場所へ」(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。著書多数。
第2章 アップデートされ続ける正解にたどり着く「地図を読み換える力」
第3章 理性に偏りすぎずに革新的な挑戦をする「アニマルスピリッツ」
第4章 目に見えるものにとらわれない「妄想する力」
要約ダイジェスト
「本当に頭がいい人」が持つ4つの力
日本では、多くの人と違うことを言ったり、違うように振る舞ったりすると批判され、「炎上」することもある。しかし、その日本の多くの人たちの行動、民意、世論といったものが合理的判断に基づき正しいわけではなく、多くの場合、情緒と同調圧力によってできている。
直感としては正しい、感覚的には間違っていると思える、でも根拠はないから、とりあえず反対の意見を言う相手のことを攻める、叩く、批判する、そういうことが、いまの日本社会では増えているのだ。
だが「本当の頭のよさ」があれば、フォローしている誰かの言葉を鵜呑みにするのではなく、なんとなく雰囲気に流されるのではなく、自分の考えに基づいて「これは正しい」「これは間違っている」などの判断ができるようになる。
ただし、それは単に論理的ということではない。いわば、直感に従いながらも論理的でもある、直感と論理の両面から正しい答えを導き出せるということだ。「本当に頭がいい人」が持っている力をさらに因数分解すると、次の4つになる。
①問題を正しくとらえて解決する「情緒に流されない力」
②アップデートされ続ける正解にたどり着く「地図を読み換える力」
③理性に偏りすぎずに革新的な挑戦をする「アニマルスピリッッ」
④目に見えるものにとらわれない「妄想する力」
これらは決して生まれながらの「才能」ではなく、この4つの力をうまく発揮する脳の使い方を学ぶ=上手に脳を使っている人たちを真似ることができれば、