『ITビジネスの原理』
(尾原 和啓/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次(主要)
 iモード立ち上げ、Google、リクルート、楽天などITビジネスの最前線を渡り歩いてきた著者が、インターネットの草創期から現在に至るまでの20年間を振り返る中で見出したITビジネスにおける原理原則、そして著者の考える今後の未来予想図についてまとめた一冊。

本書では「Google」や「Amazon」をはじめ「Facebook」や「LINE」など、現代社会に浸透したITサービスに対する深い洞察が、「iモードは如何にして生まれたのか」など実際の体験事例等を交えながら、難解な専門用語を使うことなく平易に解説されていく。

 いかなる業界もインターネットの影響から免れない現代社会において、ITビジネスに関わる方はもちろん、「インターネットとは何か」「ITビジネスとは何か」について、あらためて押さえておきたいと考えるビジネスパーソンの方々に最適な内容となっている。


著者:尾原和啓(おばら・かずひろ)
 楽天株式会社執行役員、チェックアウト事業長。1970年生まれ。京都大学大学院工 学研究科修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー (現:KLab)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Googleなどの事業企画、投資、新規事業に従事。現職は11職目になる。ボランディアで「TED」カンファレンスの日本オーディションに関わるなど、米国シリコンバレーのIT事情にも詳しい。
出版:NHK出版

第1章 ITビジネスは何で稼いできたのか
第2章 ネットが世界を細分化する
第3章 ネットワークとコミュニケーション
第4章 消費されコミュニケーション
第5章 ITの目指すもの、向かう場所
推薦者コメント
泉谷 直木< アサヒグループホールディングス株式会社 代表取締役社長>
1972年アサヒビール株式会社(当時)入社。同社内要職を経て、2010年に同社代表取締役社長に就任。翌2011年の純粋持ち株会社移行に伴い、現職に就任。(>>推薦書籍一覧

経営コンサルティングやITビジネスでの経験豊富な著者が、ネット時代におけるビジネスパーソンが押さえておくべき事柄を紹介。インターネットの登場により、多くのビジネスが変化を余儀なくされたが、その背景や変化の経緯が非常に分かり易く解説されている。著者ご本人がご指摘されている通り、本著はネットビジネスに関わる人だけに向けられた本ではない。現代における様々なビジネスをより深く理解することを目的としてITの潮流を学びたい方に適した一冊と言える。

kensuke furukawa古川健介<株式会社nanapi 代表取締役>
2000年に学生コミュニティであるミルクカフェを立ち上げ、月間1000万pvのサイトに成長させる。2004年、レンタル掲示板を運営する株式会社メディアクリップ代表取締役社長に就任。翌年、株式会社ライブドアにしたらばJBBSを事業譲渡後、同社にてCGM事業の立ち上げを担当。2006年、株式会社リクルートに入社、新規事業立ち上げを担当。2009年に退職し、Howtoサイト「nanapi」を運営する株式会社ロケットスタート(現・株式会社nanapi)代表取締役に就任。(>>推薦書籍一覧

その名の通り、ITビジネスとは何か?どのようにお金がまわっているのか?という点をわかりやすく解説しつつ、表面的なところではなく「何が本質なのか」を非常に端的に説明している本です。小難しい話は一切出てこないですが、IT業界、Web業界のビジネスの本質をすぐにつかめるので全ビジネスマンにおすすめです。

要約ダイジェスト

私たちは第二のカーブの入口にいる

20年前、インターネットが一般に開放されて、私たちはネット社会というそれまで経験したことのない世界に放り込まれた。そして、ネット社会はいくつかの小さな失敗を挟みつつも、多くの成功を手に入れながら、基本的な枠組みを作ることができたように思う。

しかし、現状が本来あるべきネットワーク社会の姿とは言えない。現在のIT環境は進化が早すぎるゆえの歪みも抱えた一つの踊り場に入りつつある。いま私たちには、ネットワークが本来持っている力を正しく使って、自己を実現し、人が幸せになる社会を作ることが求められている。

これから先のために、この20年間私たちが何をしてきたのかについて一度整理することが、ずっとITの世界を見てきた私の役割だと思っている。

ITビジネスは何で稼いできたのか

インターネットがモノの価値を変えた

インターネットは、ある一面で確かにビジネスのあり方を大きく変えた。そもそもビジネスで利益を得るとは、「(その商品を)安いと感じているところから仕入れて、高く感じているところへ売る」ということである。

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