『小さく分けて考える―「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』
(菅原健一/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 仕事をする中で、「努力が報われない」「頑張っても評価されない」と感じたことはないだろうか。こんなとき「やみくもに頑張る」が誤った方向性だということは、多くの人が理解しているはずだ。一方、「では、どうすれば良いのか?」については、曖昧で結論が出ない思考を繰り返している人も多い。

 本書は、そんな人に向けて「小さく分けて考える」分解思考の意義とその方法論を解説。「分解思考フローチャート」を使って課題や目標を分解することによって、仕事だけでなく、夢や理想の実現にも役立つという。本書後半では、営業やマーケティング、会議、マネジメントなど個別の悩みに対して具体的な分解方法も指南している。

 著者は株式会社 Moonshot代表取締役社長で、アドバイザーとして企業経営者の「壁打ち」相手となり、複雑で難しい数多の問題や課題を解決してきた人物。あれこれと悩む時間や徒労に終わる努力を減らしたい方、思考や仕事の解像度の上げ方を学びたい方などにはぜひご一読いただきたい。

著者:菅原健一(Sugawara Kenichi)(すがけん)
 起業家/マーケター。株式会社Moonshot代表取締役社長。企業の10倍成長のためのアドバイザー業を創業。社会や企業内に存在する「難しい問題を解く」専門家。1年間でグローバル企業含めクライアント10社、エンジェル投資先20社の計30社のプロジェクトを並行して進めている。過去に取締役CMOで参画した企業をKDDI子会社へ売却、そのまま経営を継続し売上を数百億円規模へ成長させる。スマートニュースのブランド広告責任者兼BtoBマーケティング責任者を経て現職。過去にコトラーアワード審査員(日本人3人の1人)など社外活動も精力的に行なう。現代美術のアートコレクター。趣味は全国のサウナ巡りと食べ歩きと散歩と仕事。
第1章 「分解思考」とは何か
第2章 1枚のシートで「分解思考」を使ってみる【仕事編】
第3章 1枚のシートの「分解思考」で個人の理想を実現する【個人のキャリア編】
第4章 仕事で使える様々な分解
第5章 解像度を上げて、飛躍するアイデアを出すために

要約ダイジェスト

小さく分けて考える「分解思考」

 僕は仕事柄、数多くの企業や個人の方の相談にのり、様々なプロジェクトに携わるうちに、うまくいく時とうまくいかない時の共通点が見えてきた。それは、正しい目的・目標にするために、目的・目標を「分解」しているかどうか、ということだ。

「分解」とはいろいろな部分をそぎ落とし磨く作業。ダイヤモンドの原石から不純物をカットしてきれいにしていったり、大きな肉の塊を磨いて(筋や脂などを取り除いたりして)、「本当に価値のある部分だけを取り出す」のと一緒である。

 うまくいかない人や組織の多くは、目の前の細かいタスクに追われて目的を見失っている。頑張っているのに結果が出ない、もしくは、今は結果が出ていても付け焼き刃のように感じる。そんな状態になる時は、大抵、適切な分解ができていない。

「分解思考」とは、文字通り分けて考えることだ。分けることで、解像度を上げたり、問題点を明確にしたり、本当に重要な課題を見つけたりすることができる。

 例えば、「来期は売上を2倍にしてほしい」と上司から言われたとき、「売上」の数字を「客数」(お客さんの人数)×「客単価」(お客さん1人が1回の購買で支払う平均額)に分解できる。すると、売上を上げるために何をすればいいのかの選択肢が生まれ、行動が具体的になる。

 そして、どちらを改善すればラクにその目的を達成できるか、もしくは分担してそれぞれの数字をよくするのかを考えることができる。仕事ができる人たちは、こうした分解思考ができている。特に「解像度が高い」と言われる人は、分解の精度が高いからこそ、適切な方法を選び、

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