- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書ではまず、「すぐやる」ために特に重要な習慣として、①環境をつくる、②マイルールをつくる、③ルーティン化する、の3つを挙げる。自分を変えようと意気込むのではなく、「環境」「ルール」「ルーティン」を変えることで、おのずとすぐ動けるようになるのだ。さらに不安や人間関係から動けない状況を変える習慣も多数紹介している。
著者は明治大学法学部教授。社会言語学、理論言語学、心理言語学、神経言語学、法言語学、コミュニケーション論を専門とし、研究活動において得られた知見を活かして TVコメンテーターなどとしても活躍する人物。物事を後回しにしてしまう自分を変えたい方、新しいことに挑戦したい方はぜひご一読いただきたい。
明治大学法学部教授。バンド活動に明け暮れて、勉強とは無縁の生活を送っていたが一念発起。シカゴ大学博士課程に留学し、立命館大学 法学部 助教授を経て現職。法と言語科学研究所代表も務めている。専門は社会言語学、理論言語学、心理言語学、神経言語学、法言語学、コミュニケーション論。研究においては、特に法というコンテキストにおけるコミュニケーションに関して、言語学、心理学、法学、脳科学など様々な学術分野の知見を融合したアプローチで分析を展開している。
執筆活動では、専門書に加えて、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書・語学書を多数刊行。全国放送のワイドショーのレギュラー・コメンテーターをはじめ、研究以外においても多岐に渡る活動を展開している。著書に『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)、共著に『科学的に自分を思い通りに動かす セルフコントロール大全』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。
第一章 すぐやる! に変わる、超習慣とは?
第二章 「めんどくさい」をすぐやる習慣
第三章 「不安だから動けない」をすぐやる習慣
第四章 「迷って動けない」をすぐやる習慣
第五章 「対人関係で動けない」をすぐやる習慣
第六章 それでも、「すぐやる」ができないあなたへ
終 章 人は誰でも「すぐやる人」になれる!
要約ダイジェスト
最初の「5秒」やるだけで、すべてが変わる
先延ばしグセのある人は、「今日も後回しにしてしまった。ダメだなぁ」などと自分を責めてしまう。だが、自分を嫌悪する必要はない。なぜなら人間は、もともと先延ばしをしてしまう、現状維持で満足してしまう生き物だからだ。
“やる気スイッチ”といった言葉があるように、やる気は「自分自身で意図的に生み出すもの」「行動するモードになれば、動ける」といったイメージを持つ方が多い。
だがやる気が起こらない理由はシンプルで、「やらないから動けない」。やらない限り脳のやる気を生み出す部位は働き出さないのだ。やる気は“スイッチ”ではなく“エンジン”と考えてほしい。
大事なのは、まず動き出すこと。私は「最初の5秒、動くだけでいい」と言っている。ソファーで寝転がっていたら、「よし!」と奮い立たせて「5秒」だけ行動してみる。勉強や仕事なら、机に座って参考書やパソコンを開く。掃除なら、掃除機を持ち出し電源を ONにする。この動き出しが、やる気エンジンを始動させるポイントだ。
「やりたくない」という本能的な感情の脳(大脳辺縁系)の活動を抑えこんでくれる理性の脳(前頭葉)が働き出すまで5、6秒かかるといわれている。そして、脳には一度その行動を始めると、のめり込んでしまうという性質があるが、この性質を司る「淡蒼球」という脳の部位を刺激するには、体を動かして行動することが重要なのだ。
私たちの感覚では、「こうしよう!」と脳が考え、そして体に命令を出して動作が実現されると思いがちだ。しかし、脳科学者や心理学者の間では、体の動きを感じて意識が働き出すという考えが、今では常識になっている。
にわかには信じがたいかもしれないが、カリフォルニア大学のリベットらが行った実験で、動作を行う準備のために脳に送られる信号が、動作を行う意識の信号よりも350ミリ秒も早いことが示されたように、数々の実証実験によって証明されている事実なのだ。
言葉を換えれば、行動を先に起こして脳をだますことによって、