『いつもよりラクに生きられる 50の習慣』
(藤本梨恵子/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 仕事や人間関係でのトラブル、SNSの発達によるコミュニケーション疲れ、お金や将来への不安感や孤独感など、現代人を取り巻くストレスは多い。こうしたストレスを取り除くにあたっては、他人や環境はすぐには変えられないため、自分の心や考え方に気づき、変えてゆくことが効果的となる。その際、役に立つのが心理学の知見だ。

 本書では、心理学的アプローチをもとに、仕事、健康、お金、コミュニケーション、目標達成、恋愛などにおいて、現状をより良い方向に改善していく考え方・習慣を解説。すでに先人たちが「名言」として遺してくれている言葉もセットにして解説されていることで、よりその内容を自分のものとすることができるはずだ。

 著者は NLP心理学を中心にコーチング、カウンセリング、マインドフル瞑想などの手法を習得し統合、キャリアカウンセラー・講師として活躍する人物。仕事やプライベートにおいてストレスを感じていたり、物事をネガティブに捉えがちな方、新たな挑戦をしたいと考えている方などはぜひご一読いただきたい。

著者:藤本 梨恵子(Fujimoto Rieko)
 ファイン・メンタルカラー研究所代表、米国NLP協会認定NLPマスタープラクティショナー、国家資格 キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、パーソナルカラーアナリスト、カラーセラピスト。
 愛知県生まれ。10年以上デザイナーを経験。当時月130時間を超える残業のストレスで前歯が折れる。この時期に友人の死も重なり、「幸せな生き方とはなにか?」を考え、本格的にキャリアカウンセリングや心理学を学ぶ。
 NLP心理学を中心にコーチング、カウンセリング、マインドフル瞑想などの手法を習得し統合。その手法を生かし、キャリアカウンセラー・講師として独立。各企業・大学・公共機関の講演の登壇数は2000回を超え、婚活から就活まで相談者数は1万人を超えている。コーチング、パーソナルカラー、カラーセラピスト、骨格診断ファッションアナリスト等のプロ養成講座の卒業生は500人を超え、個人診断においては1000人を超える。
癌を経験したことをきっかけに、マクロビオテック、ヨガなどをはじめ、保護猫との穏やかな生活を大切にしている。 
 主な著書に『なぜか好かれる人がやっている100の習慣 』『なぜかうまくいく人の気遣い100の習慣 』(共に明日香出版社)
第1章 気持ちを整える 
第2章 コミュニケーション 
第3章 目標・夢実現 
第4章 仕事との向き合い方 
第5章 恋愛 
第6章 健康と病気 
第7章 お金とのつき合い方

要約ダイジェスト

自分の機嫌をとる

「人間の最大の罪は不機嫌である」(ゲーテ 詩人、劇作家)

 不機嫌な人と付き合いたいと思う人はいない。では、なぜ世の中に不機嫌が溢れているのか。実は、人は無意識に自分が不機嫌に振る舞うことによって、周りをコントロールしようとしているからだ。

 幼い頃は、不機嫌になると親が機嫌をとってくれる。すると人は、自分が機嫌悪そうに振る舞うことで、自分の意見が通ると学習する。だから大人になってからも、無意識に不機嫌によって相手をコントロールしようとするのだ。しかし、不機嫌による他者へのコントロールでは、人間関係はうまくいかない。

 さらに、どんなに優秀な人でも、焦ったり不安に駆られていては、最高のパフォーマンスを発揮することはできない。だから、いつでも自分を機嫌が良い(気分の良い)状態にしておくことは、人間関係のためにも、高いパフォーマンスのためにも重要なのだ。

 おすすめは、自分がすぐに気分が良くなるものを日頃から用意しておくことだ。好きな飲み物、本、動画、アロマ、なんでもいい。私は嫌なことがあると、思わず笑顔になってしまう動物の動画を観て気分を変えるようにしている。

 作り笑いだとしても脳は笑っていると錯覚し、ドーパミンやエンドルフィンなどを分泌し、緊張を緩和させます。キーボード入力を最も効率的に行う指の基本配置を、ホームポジションと呼ぶが、顔のホームポジションを笑顔にして、自分の機嫌をとるようにしよう。

抑圧した感情は問題となって現れる

「否定された現実は、舞い戻ってその人につきまとう」(フィリップ・K・ディック SF作家)

 Aさんは電車の中で化粧をする人が許せないと言う。その人が化粧をしていても自分に被害はないが、「自宅などのプライベートな空間ではなく、公の場で化粧をするなんてバカな女がすること」だと思っていた。

 しかし、心理学の勉強をはじめたAさんは、化粧をする相手ではなく、自分に問題があることに気がついた。実はAさんの両親は男の子が生まれることを望んでいた。そこで、Aさんは親から愛されるために、女性らしい振る舞いを無意識に禁止してきたのだ。

 だから、電車の中で化粧をする人は、自分に禁止した女性らしさをこれ見よがしに出しているように感じ、許せなかったのだ。

 人は、幼児期に甘えたい気持ちを抑えて一人で留守番をしていたら褒められたなど、自分の考えたことが成功すると、「人に甘えなければ、親に愛される」という間違った思い込みを作り、一生続けようとする。

 これを交流分析では「幼児決断」と呼ぶが、本当は甘えたい、寂しいという感情は無意識にどんどん溜め込まれる。そして抑えた感情は、特定の人物を目にするとイライラするなど、目の前に問題として現れるのだ。

 不安、イライラ、悲しみ、ネガティブなどの感情になったときは、自分の中の抑圧した感情に気づき、手放していくチャンスだ。自分の性を大切にしたり、人に甘えることを許可することで、誰かに腹を立てることがなくなるのだ。

相手の鏡になる

「成功に秘訣というものがあるとすれば、それは他人の立場を理解し、自分の立場と同時に他人の立場からも物事を見ることができる能力である」(ヘンリー・フォード 実業家)

 コミュニケーションをとるのが難しいと悩んでいる方は、相手から安心感や信頼感を得られていない。では、人はどんな人に安心感や信頼感を寄せるのだろうか。答えは、自分に似た人だ。心理学ではこれを

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