『2025年日本経済再生戦略―国にも組織にも頼らない力が日本を救う 』
(成毛眞、冨山和彦/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 バブル崩壊以来、日本経済は低迷し、回復の兆しや明るい展望が描きづらい状況が続いている。その要因として、人口減少や社会保障費の増大などがよく知られている。さらに本書で指摘されるのが、企業・国民のマインドセットや産業構造自体に「昭和の負の遺産」が居座り続けていることだ。だが政策に期待していては手遅れになる。

 そこで本書では、長くビジネス界で活躍してきた成毛眞氏と冨山和彦氏が、構造的衰退国家といえる日本で、したたかに自分の身を守りながら、楽しく幸せな人生をつくる考え方、働き方を伝授。一読すれば、日本経済の客観的予測をもとに、国にも組織にも頼らないキャリア・人生戦略の設計イメージが見えてくるはずだ。

 著者の成毛眞氏は元日本マイクロソフト代表取締役社長で投資コンサルティング会社インスパイアファウンダー、書評サイトHONZ代表。冨山和彦氏は経営共創基盤(IGPI)グループ会長、日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役社長。今後の長期的なキャリアや人生プランを考えたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:成毛 眞(Naruke Makoto)
 1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役社長。1986年マイクロソフト株式会社入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイトHONZ代表も務める。
『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)、『アフターコロナの生存戦略 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト』(KADOKAWA)、『バズる書き方 書く力が、人もお金も引き寄せる』(SB新書)など著書多数。

冨山和彦(Toyama Kazuhiko)
 経営共創基盤(IGPI)グループ会長。日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役社長。ボストン コンサルティング グループ、コーポレイトディレクション代表取締役を経て、2003年 産業再生機構設立時に参画しCOOに就任。解散後、2007年 経営共創基盤(IGPI)を設立し代表取締役CEO就任。2020年10月よりIGPIグループ会長。2020年 日本共創プラットフォーム(JPiX)を設立し代表取締役社長就任。パナソニック社外取締役。経済同友会政策審議会委員長。財務省財政制度等審議会委員、内閣府税制調査会特別委員、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議委員、国土交通省インフラメンテナンス国民会議会長、内閣官房新しい資本主義実現会議有識者構成員など政府関連委員多数。東京大学法学部卒、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。
 主著に『「不連続な変化の時代」を生き抜く リーダーの「挫折力」』『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える』『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』『なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略』他。

はじめに(成毛 眞)
第1章 「100%自己責任時代」が始まる──日本はなぜ二流国になったのか
第2章 日本経済再生戦略──イノベーションで革命を起こせ
第3章 これからの日本をどう生きるか──もう、学歴に価値はない
第4章 日本経済を救う処方箋──「自分勝手」が国、会社、個人を変える
おわりに(冨山和彦)

要約ダイジェスト

迫りくる「100%自己責任の時代」に備えよ(成毛)

「自己責任」という言葉が物議をかもして久しいが、その意味がいっそう重みをもつのは、むしろこれからだ。正真正銘、100%自己責任の時代になっていくだろう。セーフティネットであるはずの社会保障制度ですら、破綻に向かっている。

 年金だって、すでに現役世代からの召し上げだ。65歳以下の年代では、何十年も支払った額よりも少ない年金しか受け取ることができなくなっている。加えて将来的にインフレが進めば、老後の月額年金は現在の1万円くらいの価値に下落する恐れすらある。

 では、それにどう備えるか。不動産投資だけはやめたほうがいい。高齢化と人口減少によって、早晩、不動産が余るようになるからだ。これは決して悲観論ではなく、必ずそうなる。人口動態と社会保障システムという超長期見地から導かれる話だからだ。

 なかには、お上が変わり、社会を変えてくれることを切に願っている向きもあるかもしれない。希望を打ち砕くようだが、世の中の変化に先んじて政府が大転換することはない。そして今すぐに社会保障システムを劇的に改良したとしても、効果が出るのは40年以上あとになる。しかも有権者は社会保障システムを劇的に改良することを許さない。

 そういう構造的衰退国家にあって、ビジネスパーソンはどう備えるか。徹底的に節税しながらセカンドビジネスで所得を増やし、カネを節約して投資に回す以外に、老後をまともに過ごすことは期待できないかもしれない。

 特に今の現役世代は国を頼るのではなく、したたかに自分の身を守りながら、自分なりに楽しく幸せな人生をつくっていくことを考えたほうがいい。政府に期待してはならない。100%自己責任の意識で、個人として人生を構築するべきだ。

 では個人の力とは何か。思考力、独創性、発想力などいろいろな言葉で表せるとは思うが、究極的に言えば、それは「自分勝手」ということだ。

「空気を読まない」「集団に埋没しない」「権威・権力に屈しない」。そんな自分勝手に生きる個人こそが、今後は生き残っていく。もはや組織に従順に生きて将来が好転するような時代ではない。「国のため」「会社のため」という価値観も、とっくに脱却しているべき昭和の遺物なのだ。

卓越した若者が育ち、集まる土壌の整備を急げ(冨山)

 日本の政官界にも産業界にも根強く残る昭和の価値観。そのヌシである昭和オジイサンを今さら変えるのは難しい。だとしたら、「去ってもらうこと」が上策となるだろう。一方で、国際競争力をつけるには、国内の人材を育てるだけでなく、国外からも優秀な人材が集まる国になる必要がある。

 破壊的イノベーションの時代、競争力・成長力の源泉は多様な卓越した人材の集積であり、

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