『Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」』
(亀井聡彦ほか/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 NFT(非代替性トークン)やメタバースという言葉が世界中で広がりつつあることに伴い、Web3(Web3.0)や DAO(自律分散型組織)という概念も近年注目を集めている。だが、これらがどんな存在であり、これらの普及が社会やビジネス、生活にどのような変化をもたらすのかを具体的に理解できている人は多くないのではないだろうか。

 そこで本書では、Web3というインターネットの転換点と、それを支える DAOという組織(コミュニティ)の概念とその本質について、インターネットの歴史とともに解説。Web3のある生活とはどのようなものか、DAOの入り方やつくり方など具体的なところまで網羅している。一読すれば、Web3や DAOに注目が集まる必然性が理解できるはずだ。

 著者は Web3に特化した起業家・プロジェクト育成を行うインキュベーター、Fracton Ventures株式会社の共同創業者3名。Web3と DAOについて基本的な知識を取り入れたい方はもちろん、NFTやメタバース、DiFi(分散型金融)などのトレンドの解説もされているため、先進テクノロジーの包括的な理解を深めたい方にもぜひご一読いただきたい。

著者:亀井聡彦(Kamei Toshihiko)
 Fracton Ventures Co-Founder。2013年から、シードアクセラレーターであるMOVIDA JAPAN に参画。主にシード期のスタートアップへの投資育成支援、並びに、大企業のイントレプレナー育成を行う。2015年から、コレクティブ・インパクト・コミュニティのミスルトウ株式会社、IoT特化ファンドの株式会社アバラボにて、スタートアップエコシステム活性化のため、投資、育成、支援を行う。Web3のスタートアップエコシステムに貢献するべく2021年に、Fracton Ventures株式会社を共同創業。

鈴木雄大(Suzuki Yudai)
 Fracton Ventures Co-Founder。スタートアップインキュベーター、東証一部上場の金融機関を経て、2021年にFracton Ventures株式会社を共同創業。2017年からブロックチェーン分野で登壇や執筆活動などを行う。2019年よりインターネット白書に毎年ブロックチェーン分野で寄稿するなど、世界のWeb3の動向についていち早く調査・情報発信を行っている。日本暗号資産ビジネス協会DeFi 部会副部会長、一般社団法人イーサリアムステーキング協会の理事を務める。

赤澤直樹(Akazawa Naoki)
 Fracton Ventures Co-Founder / CTO。2016年からフリーランスエンジニアとしてデータ解析・機械学習分野を中心に活動を開始。2018年からはブロックチェーン及びスマートコントラクトを利用した複数の実証実験に企画設計から開発まで一気通貫で参加し、主にプロトタイプ開発を行うことで貢献した。同時に、国外のコミュニティを中心に、トークンエンジニアリングの発展・普及に向けた活動を開始する。2019年からはブロックチェーン人材を育成する株式会社FLOCで講師やカリキュラム開発を行う。また、同年11月には技術者向けの入門書である『Pythonで動かして学ぶ!あたらしいブロックチェーンの教科書』(翔泳社)の執筆を担当。2021年にFracton Ventures株式会社を共同創業。同社でWeb3社会、DAOの普及・到来に向けて啓蒙を含めた活動を行う。

第1章 Web1.0で叶わなかった夢が、Web3で叶う
第2章 Web3のある生活
第3章 Web3の全体像
第4章 個人がオーナーシップを持つ世界
第5章 「競争」から「共創」へ
第6章 DAOとイノベーションの破壊的加速
第7章 DAOの入り方、DAOの作り方
第8章 すべてのサービスが「プロトコル」になる未来
第9章 世界はいずれ DAOになる

要約ダイジェスト

古くて新しい Web3

 Web3は新技術に関するトレンドのように語られることが多いが、あくまでインターネットの歴史の一部であり、「歴史の流れ」を意識して理解する必要がある。

 Web1.0では、インターネットの普及により本格的に情報革命の幕が上がった。その後もさまざまな発明や改良が続き、デジタル技術は当初からは信じられないレベルの性能を発揮するまでになった。

 コンピューターの普及、性能向上、通信技術の洗練という3つの側面が劇的に発展し、インターネットを通してより複雑かつ活発な情報のインタラクションが可能になった。これを背景にソーシャルネットワーキングサービスやシェアリングサービスなどさまざまなサービスが開発されるようになった。

 また、データの量、種類、流通速度が向上したことでビッグデータを活用した分析や各種サービスも開発が進んだ。このようなインターネットやデジタル技術の進化とこれらの影響による産業構造の変化などを受け、「Web2.0」という言葉が生まれた。

 Web2.0までにインターネットのあり方はさまざまに変容し、それが産業や社会のあり方と相互に影響を与え合ってきた。Peer to Peer(P2P)という分散型アーキテクチャやハイパーテキストといった技術に裏打ちされて、誰もが自由に利用できる情報流通基盤としての期待を込められ、現代社会に欠かせないインフラにまで成長した。

 しかし、その反動として過度な独占やプライバシー問題など負の側面が顕在化してきた。そんな中、ブロックチェーンの登場によって、インターネットはデータのやりとりをするパイプから、データを貯めて処理までできるようにアップグレードした。このようなブロックチェーンの登場に端を発する一連の変化やトレンドが、「Web3」と呼ばれる。

 Web2.0の状態ではユーザーのデータは企業が保有しており、ユーザーがサービスを利用したい時は企業の「庭」に入っていく必要がある。一方で、ブロックチェーンが起点になった Web3では、ユーザーのデータはインターネット上にあり、そのコントロールもユーザー自身が握っている。このような性質から Web3は「自己主権型 Web」とも言われる。

オーナーシップを軸にしたインターネット社会

 Web3に向き合う中で重要なことは、シェアリングエコノミーなどからオーナーシップ型エコノミーへと価値観の変化が起きている点だ。オーナーシップエコノミーでは、

続きを読むには会員登録が必要です。

© 2022 ZENBOOKS,Inc. All Rights Reserved.
要約記事は出版社または著作者から適法に許諾を取得し、作成・掲載しています。本記事の知的所有権は株式会社ゼンブックスに帰属し、本記事を無断で複製、配布、譲渡することは固く禁じます

特集