『朝日新聞記者が MITの MBAで仕上げた戦略的ビジネス文章術』
(野上英文/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 近年、文章力に課題を感じるビジネスパーソンが増えているという。特に最近では、社内の文書やメールにとどまらず、各種チャットツールで頻繁にメッセージのやり取りをすることが増えており、SNSでの発信も必須となりつつある。そのため、簡潔でわかりやすいテキストコミュニケーションを取れる力が求められているからだ。

 そこで本書では、「伝えるべきことを的確に、すらすら書けて、意図した結果が手に入る」文章術を公開。初稿の書き方から、編集、校正・校閲のコツまで体系的に解説している。「仮見出し」「二段論法」など、著者が新聞記者として磨き上げてきたノウハウを使えば、書き始めの抵抗感が薄れ、速くわかりやすく文章が構成できるのだ。

 著者は朝日新聞記者、News Picksトピックスオーナー、MIT(マサチューセッツ工科大学)経営大学院 MBA取得。ジャカルタ支局長などを歴任するかたわら、「読みやすく、わかりやすく、正確な」文章術の普及活動を行う人物。ビジネス文書でなかなか筆が進まず悩んでいる方や、文章力をさらに向上させたい方などはぜひご一読いただきたい。

著者:野上 英文(Nogami Hidefumi)
 朝日新間記者。MIT(マサチューセッツ工科大学)経営大学院MBA(経営学修士)。News Picksトピックスオーナー。1980年、兵庫県生まれ。神戸商科大学を卒業後、朝日新聞社で大阪社会部、経済部、国際報道部、ハーバード大学国際問題研究所研究員などを経てジャカルタ支局長をつとめる。そのかたわら文章講座を主宰。40歳を機にMITに私費留学してMBAを取得。大阪地検特捜部による証拠改ざん事件の調査報道で新聞協会賞受賞。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)によるグローバルな税逃れを報じた「パラダイス文書」取材班の日本代表、ジャカルタ外国特派員協会(JFCC)役員をつとめた。共著に『チャイナスタンダード』『ルポタックスヘイブン』『ルポ橋下徹』『証拠改窟』(以上、朝日新間出版) 『プロメテウスの罠4』(学研プラス)など。
序 章 書く力がないと損をする
第1章 「仮見出し」 思わず読みたくなる
第2章 「リード文」 5秒で引き込む二段論法
第3章 「戦略」 結果を出す3A分析
第4章 「初稿」 すらすら書けるアルペン式
第5章 「編集」 ざっくり、きっちり スッと読める書き直し
第6章 「校正・校閲」 信頼されるダブルチェック

要約ダイジェスト

書く力がないと損をする

 とりあえず文章を書いてみたが、何を伝えたいのかはぼやけたまま。ついだらだらと長くなってしまった。そんな経験は誰しもあるはずだ。

 夏休みの読書感想文をはじめとする作文学習では、最後まで書き切ると、「よくできました」「読みました」と評価してもらえる。ただ、一度社会に出ると、書き上げた努力や過程は、ほとんど評価・加味されない。大事なのは文章の中身そのものだ。

 書くトレーニングを積まないまま社会に出たビジネスパーソンの間で今、説得力のある文章を書きたいという需要は高まっている。在宅勤務で上司や同僚、取引先とじかに対面しないまま、テキストを介して意思疎通しあう機会が多くなった。コミュニケーションを支える手段として、メールだけでなく、メッセージングアプリやチャットツールも浸透してきた。

 文章を介したコミュニケーションが増えていくと、自分の考えやアイデアをうまく書き表せないことは、仕事上で大きなハンディとなる。そんな危機感に応えるように「文章力アップ」を指南する特集記事や出版が相次いでいる。

 ビジネスで文章に求められることは何よりも簡潔さ。読み手の時間を短縮するほか、書き手の思考整理にもつながる。ただ、簡潔に書くのは、古今東西を問わず、誰もが抱える長年の難題だ。

 読むのが簡単なのは、短い文章。書くのが簡単なのは、長い文章。スッキリとした簡潔な文章は、読みやすいが、書くのに実は苦労する。この一見、矛盾したような事実を知り、受け入れることが、「文章の道」の出発点だ。

ビジネス文書は「見出し」が勝負

 書いた文章が相手に読まれるか、読まれないか。その勝負どころは、見出し(タイトル)だ。文章指南の大半は、「書く前に文章の構成、アウトライン、設計図をしっかり考えましょう」と、大まかな構成を事前に考えることを推している。だが私自身はこの「正攻法」でうまくいった経験がない。

 新聞記者がルーチンワークとしているのは、初稿を書き始める前に、文章の「見出し」(タイトル、ヘッドライン)を仮置きすることだ。読み手はたいてい、とても気が短く、興味や必要性を瞬時に判断する。鍵を握るのは、冒頭に短く置く「見出し」なのだ。

 見出しだけで「読みたい」と思わせるには、

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