『なぜ、TikTokは世界一になれたのか?』
(マシュー・ブレナン/著)

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 中国発のショート動画アプリとして近年世界を席巻している TikTok(ティックトック)。米国などで安全保障上の理由から TikTokの禁止が議論され、中国政府が自国のテック企業への規制を強化するなど、逆風とも言える状況が続いているが、若者を中心に今なおユーザーからの支持を受けている。

 本書では TikTokとその運営会社であり、設立 10年で世界的なユニコーン企業となったバイトダンス社の軌跡を詳細に分析。創業者のジャン・イーミン氏の生い立ちや TikTokのレコメンドアルゴリズムの秘密、コンテンツ市場のトレンド変化など、独自取材をもとにした様々なデータからその戦略と成功要因を明らかにしている。

 著者は、中国のモバイルインターネット技術とイノベーションを専門とする作家で、グーグルやテンセント、ウォルマート、ボストン・コンサルティング・グループなど、数々の一流企業でプレゼンテーションを行ってきた人物。ウェブサービスに携わる方や、起業・事業アイデアを探している方などはぜひご一読いただきたい。

著者:マシュー・ブレナン(Matthew Brennan) 中国のモバイルインターネット技術とイノベーションを専門とする作家で、世界各地で講演活動を行う。氏の意見は、ブルームバーグや『ウォール・ストリート・ジャーナル』、『エコノミスト』誌、BBC、『フィナンシャル・タイムズ』、『フォーブス』誌など、世界的なメディアで取り上げられている。数年前からは、氏の会社「チャイナ・チャンネル」が、世界的なブランド向けに、中国最大のウィーチャット・デジタルマーケティング会議を年に一度開催している。
 ブレナンはこれまでに、グーグルやテンセント、ウォルマート、ビザ、リンクトイン、ボストン・コンサルティング・グループなど、数々の一流企業で何度となくプレゼンテーションを行ってきた。イギリスのロンドン出身ながら、16年にわたって中国本土に活動の拠点を置いてきたため、流暢な中国語を話す。
第1章 イーミン
第2章 バイトダンス草創期
第3章 レコメンド:ユーチューブからティックトックまで
第4章 中国では、ニュースがあなたを読んでいる
第5章 パリから上海へ――ミュージカリー
第6章 オーサム ミー
第7章 ティックトックで世界へ
第8章 イタい動画

要約ダイジェスト

なぜティックトック(TikTok)なのか?

 ティックトック(TikTok)のオリジナル版である中国の「ドウイン(抖音)」は、名前くらいは聞いたことがあってもすぐに忘れてしまうようなアプリだった。さほど重要とも思われていない分野の遅咲きとでもいおうか。

 ところが予想外なことに、ドウインとその国際版であるティックトックは、またたく間に想像を絶するほどの成功を収めた。ふたつのアプリは、創業チームの遠大な夢のさらに上を行く世界的な現象となったのだ。いったい何が起きたのだろうか。

 中国に拠点を置く私は、2017年後半、台頭してきたドウインがまわりの人たちに及ぼしている影響を目の当たりにした。人々は地下鉄を待ちながらショート動画を観たり、街中で動画を撮影したりするようになった。1年半後、これと同じストーリーが世界中で展開されるようになり、ティックトックは空前の人気を得た。

 ティックトックを運営するバイトダンス社は、当時生まれたばかりの技術に、中国のインターネット企業のなかでは最も早くから取り組み、レコメンドエンジンの構築、すなわち、人間がキュレーション(情報の収集、整理、編集)を行っている現状に挑むという困難な課題に力を注いだ。

 この初期の賭けは成功し、現在、バイトダンスはとてつもなく巨大な企業となっている。他のインターネット系コングロマリット(複合企業)と同様に、ゲーム、教育、生産性向上、決済など、数えきれないほどのオンラインサービスへと事業を拡大している。

 それを可能にしているのが「トウティアオ(今日頭条)」「ドウイン(抖音)」「ティックトック」であり、この3つの事業は、本書を執筆した 2020年の時点で、バイトダンスの評価と急成長を支える中心的な推進力となっている。

 同社は画期的な主力商品を原動力とする3つの成長段階を経て、何億もの新規ユーザーを獲得してきた。特徴的なのは、それぞれの段階に、自社開発および買収したサポートアプリケーション群があり、

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