『成長する組織をつくる 1on1マネジメント』
(佐原資寛/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 労働環境の変化に伴い、組織運営においても「個」を尊重することが重要な世の中になった。今リーダーやマネジャーに求められているのは、社員1人ひとりの個性に合わせ、個々の能力を最大限引き出すマネジメントなのだ。一方で、退職を恐れて部下の顔色をうかがって疲弊する上司も増えているという。

 そこで本書では、多くを要求されるようになったマネジメント層を救うべく、今の時代に合った「1on1マネジメント」の手法を公開。著者自身が、かつて 10名いた部下が全員辞めてしまうなどマネジメントに苦労した経験から、部下との関係構築手法や、部下が伸び伸びと能力を発揮できるマネジメントの理論とノウハウを体系的に解説している。

 著者は EDGE株式会社 代表取締役 チーフエヴァンジェリスト。大学在学中より HRテクノロジー事業に参画し、HRテクノロジーとコンサルティングを組み合わせた人事課題解決の支援を行ってきた人物。マネジメントに不安や悩みを抱える方、部下やチームの能力を最大限引き出す方法を学びたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:佐原 資寛(Sahara Motohiro)
 EDGE株式会社 代表取締役 チーフエヴァンジェリスト。1986年生まれ、京都府宇治市出身、横浜国立大学工学部卒。2008年大学在学中よりHRテクノロジー「エアリー」事業に参画し、各業界のリーディングカンパニーをはじめ、HRテクノロジーを用いたワークエンゲージメント実現、社風改革、新卒採用、新人育成、研修フォロー、離職率改善、ダイバーシティ推進、OB/OGカムバック支援など、HRテクノロジーとコンサルティングを組み合わせた人事課題解決の支援実績は200社を超える。自身が新卒で入社した企業で最年少部長(当時)となり、全員年上部下の環境でマネジメントに苦労した経験から組織開発や評価制度、面談制度に創意工夫を凝らし、組織課題や人事課題解決に再現性のあるアプローチ手法を確立し顧客企業を支援。2017年4月よりEDGE株式会社にて代表取締役を務める。HRテクノロジー、組織開発、人財マネジメントに関する講演、取材実績多数。
第1章 「個」に向き合うマネジメントの時代
第2章 「1on1マネジメント」で上司と部下はともにゴールを目指す
第3章 部下の価値観がわかればマネジメントは難しくない
第4章 「1on1マネジメント」のベースとなる心理的安全性
第5章 「1on1ミーティング」で大事な4つのポイント
第6章 「1on1ミーティング」の効果を最大化するコツ

要約ダイジェスト

「個」に向き合うマネジメントの時代

 旧来のマネジメントでは、上司のやり方が絶対であり、従えない部下は叱責の対象だった。昨今では、部下は納得いかないことを押しつけられると、すぐに「だったら、そんな理不尽なこと言われない会社に行こう」と考える。以前とは逆に、部下の機嫌を損ねてしまったら辞められてしまうので、上司は部下を叱ることができなくなっているのだ。

 また、部下の世代とは価値観が大きく異なる。例えば、キャリア観。近年は、誰もが「出世したい」「稼ぎたい」と願っているとは限らないのだ。こうした違いを認識せずに、自分の価値観を押しつけてしまうと、部下からは「ダメ上司」の烙印を押されてしまう。

 若手人材の流動化が進むなか、自分たちの会社で長く能力を発揮してもらうためには、個々人の持ち味を伸ばす指導、「個」に向き合うマネジメントは避けられない。

 日本の経済が成長していた時代には、会社が雇用を維持し、社員に対して生涯にわたる安定を提供できた。その見返りとして、社員は「個」を抑え、会社という全体のために尽くしてきたのだ。

 だが、もはや企業には、全員が定年するまで面倒をみる体力は残されていない。雇用が守られないのであれば、「個」を活かした働き方がしたいという風潮になるのは自然の流れだ。そのため、「1on1ミーティング」の考え方が広まっている。

 1人ひとりの価値観や個性、何をしたいかといった本人の希望を尊重しながら、能力を発揮してもらうように指導していくこと。部下が、「会社にとっての最適」に合わせるのではなく、上司がそれぞれの「個性」に合わせてマネジメントをしていき、個々の能力を最大限に引き出すこと。これが「1on1マネジメント」だ。

1on1マネジメントの3ステップ

 これまでの日本企業のマネジメントは、会社の方針や上司の考えに、部下が合わせるのがあたりまえだった。上司は全員に同じ指示を与えればよく、部下が5人いても、「1対5」のコミュニケーションで事が足りていた。

 しかし、時代は変わり、今は「1対5」ではなく1対1のコミュニケーションが、マネジメントの基本となってくる。それぞれの個性に合わせたマネジメントをする際に、上司に持ってほしいのが、「上司は伴走者である」というマインドである。

 伴走者は、ランナーに向かう方向を伝えたり、障害物を避けるように導いたりしながら、ともにゴールを目指す。上司の仕事とは、このように伴走者として部下に気持ちよくゴールまで走ってもらうサポート役だ。

 上司は必ずしも「カウンセリングのプロ」にならなければいけないわけではない。部下はテクニックよりも「真摯に自分を理解し、寄り添おうとしてくれている」上司の姿勢を、敏感に感じ取るからだ。

 部下との信頼関係を築くために心がけるべき大切なポイントは、「価値観を押しつけないこと」と「部下に『伴走する』気持ちを常に持つこと」である。この2つを意識しながら、「1on1マネジメント」の3ステップを紹介する。

STEP1 管理職は「聞く」に徹することが重要
 部下が何を考え、どうなることを望んでいるのか、「5年後、もしウチの会社で頑張ってくれるのであれば、どんな姿を想像している?」

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