- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこで本書では、ベストセラー編集者が体得した「伝わる構造」と「伝わる技術」をわかりやすく解説。伝わる技術として、「比較の法則」「フリオチの法則」「ネーミングの法則」など具体的な手法と事例が紹介され、話を盛ったり、無理やりイエスを引き出すのではなく、伝えたいことを相手に届けるための実践論が満載されている。
著者は編集者、コンテンツマーケターで株式会社アスコム取締役。企画した本やムックの累計発行部数は 1000万部を超え、現在編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発、セミナーなど多岐にわたり活躍する人物。コミュニケーション力やマーケティング力の向上を目指す方はぜひご一読いただきたい。
編集者、コンテンツマーケター。
●1968年生まれ。東京都出身。聖光学院高等学校、慶應義塾大学文学部卒業。読売広告社を経て出版業界に転職。ぶんか社、アスキーを経て現在、株式会社アスコム取締役。
●長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本やムックの累計発行部数は 1000万部以上、10万部を超えるベストセラーは50冊以上に及ぶ。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、商品開発のサポート、セミナーや講演など多岐にわたり活動。初の著書『パン屋ではおにぎりを売れ』(かんき出版)はベストセラーに。
●趣味はサッカー観戦と歩くこと。サッカー観戦は毎年 30試合以上をスタジアム観戦するほど。
第2章 「伝わる」は7階建て構造
第3章 伝える技術 伝わる技術
第4章 「伝わる」人が実践している4つの行動
第5章 「伝えるのが面倒な人」への対応策
要約ダイジェスト
伝わらないことは存在しないことと同じ
新商品を発売するときに売れない理由は、商品の魅力がお客さんに伝わっていないからだ。そもそも、その商品が販売されていることすら知られていないケースもある。伝わらないものは、存在していないことと同じだ。だからこそ、ちゃんと伝える必要がある。
以前『人は見た目が9割』という本が大ベストセラーになった。「見た目」という情報が判断材料になるということは、心の中など、見えない部分は判断材料になりにくい=「伝わりにくい」ということでもある。「言わなくてもわかってもらえるはず」といった期待はしないほうがいい。
伝え方の課題は2つある。「伝える不足」と「伝え方下手」だ。「伝える不足」の問題は、いわば「伝える頻度(回数)」である。一度で理解できないこともあれば、忘れてしまうこともあるので、伝えたいことは繰り返し伝える。
ただし、伝えていく中で相手にマイナスの感情を抱かせてしまうと、頻度が高まるにつれ今度はネガティブな感情を強めてしまう可能性がある。そこで、「伝える技術=質」が大切になる。
学生のころ、学校でつまらない授業が続くとその教科がだんだん嫌いになっていった。これは授業を担当する先生の「伝え方の質」が低いことが原因だ。一方で、「伝え方の質」が高い先生の授業はおもしろいので、その教科がどんどん好きになり得意になった。わかりにくい、抽象的すぎる、つまらない。これらはすべて「伝え方の質」の問題なのだ。
「伝わる」は7階建て構造
何かを身につけるときには、まず構造を知ることで、全体像や本質が理解できる。伝わるためには、①「伝わる構造」の理解、②「伝わる技術」の習得、③「実践(行動)」が重要だ。伝わる構造は「7階建てのビル」のような構造をしている。
伝わる構造1階 ゴール設定
まず、「伝わる」にはゴール設定、つまり「何のために」が必要だ。たとえ雑談であっても、ゴールはある。「アイスブレイク」かもしれないし、「相手と仲良くなるため」かもしれない。ただ雑談をすることがゴールという場合もある。
伝わる構造2階 納得感(理解する、腑に落ちる)
次が「納得感」だ。納得感があって初めて「伝わる」が生まれる。納得感とは理解する、腑に落ちるということだ。「あなたの言っていることがよくわからない」この状態は相手の納得感を得られていない。「あなたの言っていることはわかるけど、なかなか難しい」これは納得感までは得られた状態である。
伝わる構造3階 相手ベース
そもそも「伝わる」とは相手に「伝えたいことを言うこと」ではない。伝わる=相手が理解する、腑に落ちる、納得する。相手ベースで考えている人は、伝わらなかった場合、表現を変えたりほかの方法を試したりと、伝わるための動きをとる。
伝わる構造4階 見える化
納得感を得るためには、相手の頭の中で「見える化」させることが大切だ。頭の中にイメージが浮かばないと、伝わっていない可能性が高い。話がわかりやすい人は、実は「見える化の達人」だ。ポイントは、