『頭の“よはく”のつくり方』
(鈴木進介/著)

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  • 目次
 あなたの頭の中に“よはく(余白)”はあるだろうか?スマホや SNSの発展により、常に誰かとつながり、頭の中が何らかの情報で埋め尽くされている人は少なくない。余裕がない状態で「あれもこれも」と手を出していると、仕事、人間関係、家庭などすべてが中途半端になり、さらに精神的にも疲弊しやすい。

 そこで本書では、現代人が陥りやすい「いっぱいいっぱい」な状況を抜け出し、思考に“よはく”をつくるための考え方を「本質を明確にする」「捨てる」「減らす」「自動化する」「振り返る」という5原則に分類。それらの原則を踏まえて、頭の使い方、時間の使い方、人間関係で使えるメソッドを具体的に解説する。

 著者は思考の整理に着目し、10年以上にわたり研究を重ねて独自に体系化した「思考の整理術」を使い、人材育成トレーナー、コンサルタントとして活動する人物。つい「もっと頑張ろう」と思って余裕がなくなってしまう方、本来自分が持っている力を最大限発揮できていないと感じている方はぜひご一読いただきたい。

著者:鈴木 進介(Suzuki Shinsuke)
 思考の整理家Ⓡ。1974年生まれ。株式会社コンパス代表取締役。現在は「思考の整理術」を使った独自の手法で人材育成トレーナーおよびコンサルタントとして活動中。大学卒業後、IT系企業や商社を経て25歳で起業。「金なし・人脈なし・ノウハウなし」の3重苦からスタートしたため、3年以上まともに給料が取れずに挫折続きの生活を送る。その後、思考を整理すれば問題の9割が解決していることに気づき、「思考の整理術」に開眼。以来、10年以上にわたり研究を重ねて体系化。難しい問題を優しく解きほぐす「思考の整理術」は、フリーランスや起業家、上場企業まで幅広く支持され、コンサルティング実績は100社以上、研修や講演は年間150日以上登壇、セミナー受講者数は累計3万人を超す。
第1章 「いっぱいいっぱい」からの卒業
第2章 思考に“よはく”をつくり出す「5原則」
第3章 人生をシンプルにする「頭の使い方」
第4章 ノイズに振り回されない「時間との付き合い方」
第5章 よはくが「人間関係」のストレスを減らすコツ

要約ダイジェスト

「いっぱいいっぱい」からの卒業

 私たちの日常は時代の進化とともに忙しくなってきた。特にネット、スマホ、AIなど IT技術の進化は、私たちの生活を変え、働き方も根本から変えるため、今までどおりの生活や働き方ではもはや対処できない時代になっている。

 放っておけば、頭の中には“よはく”がなくなり、日々、ノイズに押しつぶされてしまいそうな勢い。かといって家庭も仕事も手抜きできない現実。いったい、このジレンマにどう向き合えばよいのだろうか?

 その答えは意外にも簡単だ。頭の中がいっぱいいっぱいになるのであれば、逆に頭の中のノイズを減らし、スペースを空けてあげればいい。考えごとや情報などで頭の中が、キャパオーバーを起こす前に少しでもノイズを減らせれば、「思考に“よはく”」ができる。

 よはくができることで、しっかりと自分と向き合う余裕が生まれ、本当の自分の気持ちは何か?次はどこに集中すればよいか?などがわかるようになり、ノイズに邪魔をされず自分らしさを取り戻すことができる。

 余裕ができればノイズによって生じてしまった不安や焦り、怒りなどストレスも鎮めることができるので生活や仕事がよりよい方向に向かう。

 思考によはくをつくるには、生きる姿勢・働く姿勢を転換する必要がある。はじめに覚えておいてほしいことは、反射神経的に頭の中に湧き出てくる「もっと」という言葉を捨てることだ。

「もっと情報があれば」「もっと選択肢があれば」「もっと頑張らなければ」さまざまな「もっと」の衝動に私たちは日々、突き動かされている。モノや情報、選択肢は増える一方なのに、経済が右肩下がりで正解が少ない現代のような「反比例の時代」では、「もっと」の誘惑と圧力をかわし、本当に大切な少数のことに集中するのだ。

 努力家で頭がいいのになぜだか成果が出ないという人がたくさんいる。この人たちは、いろいろやろうとして頭がいっぱいになり、すべてが中途半端に終わってしまっている。ノイズに邪魔をされずに「自分らしさ」を取り戻すこと。また、自分にとって本当に大切なことを再確認すること。これこそが、頭によはくをつくる意味であり、効果なのだ。

思考に“よはく”をつくり出す「5原則」

 思考法を変えていくには、土台となる基本姿勢を身につけることが先決だ。土台となる「あり方」を「5つの原則」として紹介する。

原則1 自分の本質を明確にする
 自分の本質とは「自分が最も大切にしている価値観、心から好きなもの、最も影響が大きいこと」から構成される「自分らしさ」のこと。自分の本質を明確にしておくとは、それ以外をノイズとみなし、

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