- 本書の概要
- 著者プロフィール
なぜなら、人には常に「話を聴いてほしい」「認めてほしい」という承認欲求があるからだ。さらに現代では、SNSなどの隆盛もあり、多くの人の承認欲求が満たされれておらず、「聴く技術」を磨く意味、価値が高まっている。そこで本書では、能動的かつ戦略的に目的を持って聴く技術をわかりやすく解説する。
著者は大手広告代理店等を経て(株)MAKE DIFFERENCEを立ち上げ、ナショナルクライアントのブランド戦略、コミュニケーション戦略、キャンペーン施策を手がけるマーケティング戦略プランナー。ビジネス上の商談や交渉事に苦手意識があるビジネスパーソンはもちろん、部下を育成する立場にあるマネジャー層などもぜひご一読いただきたい。
マーケティング戦略プランナー。1975年、大阪府生まれ。青山学院大学卒業後、外資系広告代理店入社。その後、大手広告代理店等を経て、2016年、(株)MAKE DIFFERENCEを立ち上げ、ナショナルクライアントのブランド戦略、コミュニケーション戦略、キャンペーン施策を手がける。2010年には「食べるラー油」キャンペーンを手がけ、ブームの火付け役となる。MCEI International Marketing Excellence Award金賞やJPMプランニング賞を受賞。担当クライアントは日産自動車、三菱自動車、サントリー、アサヒビール、桃屋、エバラなど多数。
2章 この聴き方で、「相手の懐に入る」
3章 この聴き方で、「仲間を引き寄せる」
4章 この聴き方で、「仕事の勝率を上げる」
5章 この聴き方で、「成功の種をまく」
要約ダイジェスト
「聴く」とは、実は「伝える」ことでもある
「聞く」とは、相手のいうことを「情報」として受け取る行為だ。意識して耳を傾けていないから、「あなたの話に興味をあまり持っていないんです」ということが、相手に伝わってしまうことがある。
表情や目線、あいづち、ジャスチャーなどにも気を配り、「聴いてますよ!」と相手に伝わるよう、意識して耳を傾ける。それが「聴く」ということだ。そんな聴き方をしてくれる人に対して、人は好意や信頼を持つ。
「聞く」と「聴く」で、そんなに違いが出てしまう理由は、人間には、「承認欲求」があるからだ。そう考えると、「聴く」とは、実は「伝える」ことでもある。ここに気づけるか否か、そして、人の話をどこまで「聴く」ことができるか。それが仕事、人間関係、そして人生に大きく影響してくる。
特に相手があなたにとって重要な人物であれば、何をおいても「聴く」ための態勢を整え、「全力モード」で話を聴き、「ありがとう。あなたに話してよかった」という気持ちになってもらうようにすべきだ。
もし、自分にとってそこまで重要でない人物であれば、「適度モード」で対応して構わない。「適当」ではなく、「適度」にあいづちを打ったり、持ち上げたり、そうすれば適度な関係が維持される。少なくとも相手にイヤな印象を与えることはないはずだ。
人の話を、ただ受け身になって「聞く」のではなく、「常に何か目的を持って、狙いを持って、能動的に聴く」ことが、「戦略的に聴く」ということだ。そして、毎回毎回、全力モードで対応する必要はなく、「ここぞ」というところを見極め、