『ゆる FIRE』
(アラサーdeリタイア管理人 ちー/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 資産運用による経済的自立を達成し早期リタイヤを目指す FIRE(Financial Independence,Retire Early)が注目を集めている。その実現には高収入と生活費の切り詰めが必要なイメージだが、意外にも高くない年収で FIREを達成した人も多いという。さらに、リタイヤ後もペースを落として働き続けるなら実現可能性はさらに高まる。

 本書では、元年収 300万円未満の OLから 30代前半で 3000万円の資産をつくり、現在では生活費の一部を好きな労働で賄い、残りを資産運用収入で賄う「ゆるFIRE(ゆるい FIRE)」を実現した著者が、その達成方法を公開。稼ぐ、貯める、増やすという資産形成の王道的手法だが、その分投資初心者でもすぐに実践できる手法と言えるだろう。

 著者は元平凡アラサー OLが「ミニマルライフ×副業×資産運用」でセミリタイアした生活を伝えるブログサイト「アラサーdeリタイア」管理人。男女問わず、投資・資産運用やセミリタイヤに興味関心のある方、老後資金などお金に不安を感じている方などはぜひご一読いただきたい。

著者:アラサーdeリタイア管理人 ちー
・元平凡アラサーOLが「ミニマルライフ×副業×資産運用」でセミリタイアした生活を伝えるブログサイト「アラサーdeリタイア」管理人。物とお金をうまく管理することで、好きなことだけをしてゆるく生きるライフスタイルについて発信中。
・元は年収300万円未満の事務職OL、ゴミ屋敷に住んでいたほどのズボラ人間にもかかわらず、30代前半で3000万円の資産形成に成功。2018年末より、生活費の半分を投資資金である3000万円から出る利益でまかない、残りの半分を事業収入でまかなう、サイドFIRE生活に突入している。
・サイドFIRE生活に突入後も資産は増え続け、2021年10月時点の個人総資産額は6000万円を突破。意外にも会社員の夫は、稼いだ分は都度使っていく浪費家(結婚時に夫の自動車ローンや奨学金などの負債を代わりに返済。家計は完全折半制で、互いの収支に不干渉)。
・YouTubeチャンネル「ちーのはんぶん自由な日々」も運営中。本書が初の著書となる。
Chapter1 ゆる FIREのキホン
Chapter2 本業×副業で稼ぐ
Chapter3 ミニマルライフで貯める
Chapter4 投資信託で増やす
Chapter5 いよいよゆる FIRE!

要約ダイジェスト

FIREのキホン

 FIREとは「Financial Independence=経済的自立 Retire Early=早期退職」のこと。簡単に言うと、まとまった資産を築き、それをもとにした資産運用で得られる収入で生活していくことを指す。

 私は 30代前半で 3000万円の資産をつくり、現在は、生活費の一部を好きな労働でまかない残りを資産運用収入でまかなう「ゆるFIRE」を実践している。だが決して高収入でもなければ、極端な節約生活をしていたわけでも、投資でひと山当てたわけでもない。

 やってきたのは「副業(稼ぐ)×ミニマルライフ(貯める)×投資(増やす)」。資産形成の王道である稼ぐ、貯める、増やすの3つをコツコツとやってきただけなのだ。

「投資のことはよくわからないし、FIREなんて難しそう…」という声が聞こえてきそうだが、たしかに、本気で FIREを目指している方は、貯蓄率(収入に対する貯蓄額の割合)を 70~80%に設定していることが多い。

 実際、貯蓄率 70~80%で完全FIREを達成しようとすると、「高収入+過度な節約生活」を強いられる。だが生活費の半分を労働でまかない、半分を資産収入でまかなうゆる FIREなら、単純に考えると完全 FIREの半分の額で達成可能だ。

 また、FIREには「4%ルール(年間の生活費を投資元本の4%以内におさえられれば、資産を減らさずに暮らしていける)」という考え方がある。ただこの4%は、米国の株式市場をもとにした研究結果であり、日本のほうがデフレにより物価が安く、社会保障も充実している。

 一方で日本の場合、社会保障が充実しているがゆえの「長生きリスク」(長生きするだけ、生活費が必要になる)もある。そういったことを総合的に考えて、私自身が実際にやってみたラインが「年に税引後で 2.5%の取り崩し」、つまり「2.5%ルール」だ。

 では、実際に2・5%ルールでゆる FIREするために、

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