『シン・営業力』
(天野眞也/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 一般的に営業は相手に合わせて適切な言葉遣いや伝え方、立ち居振る舞いをする「対人折衝力」、つまり話し上手であることが必要だと思われている。しかし、本書で解説されるのは、必ずしも話し上手ではなくても、「売れる営業」ないし「継続的に契約してもらえる営業」になるための方法論だ。

 本書が目指すのは、「営業しなくてもお客様から選ばれてしまう営業」。そのために必要な「観察眼」「戦略眼」の磨き方、、そこに「情報力」を掛け合わせた営業しない営業になる秘訣を解き明かしている。特に、著者が実績を挙げてきた領域である「法人営業」の手法については、すぐに実践できる効果的なノウハウが1冊に凝縮されている。

 著者は最強の営業集団と呼ばれるキーエンスで入社1年目に新人営業としてトップとなり、以後もランキング上位常連として営業を極め、現在は製造業向けソリューションを提供する複数の企業の代表を務めている人物。営業担当者はもちろん、BtoBビジネスにかかわる方はぜひご一読いただきたい。

著者:天野眞也(Amano Shinya)
 株式会社FAプロダクツ 代表取締役会長。1992年、キーエンスに新卒1期生として入社。工場の自動化に関わるセンサやカメラの提案に従事し、入社1年目で同期の中で営業ランキング1位、入社2年目以降もランキング上位の実績をあげる。グループ責任者、営業所長を経て社長直轄の海外営業・重点顧客プロジェクトの初代リーダーに抜擢される。売上数百億円から2000億円の企業へと成長するまでの期間、営業として第一線でけん引する。キーエンスで築き上げた自動車・食品・半導体などのあらゆる業界の生産現場を見てきた経験と、顧客と共に海外を含む新工場プロジェクトを成功に導いてきた実績を基に、2010年に起業。東証一部上場企業など、メーカー数十社の営業・販売支援/コンサルティングを担った。現在はFAプロダクツほか複数社の代表を兼任し、製造業のDXから生産ラインの開発・実装までを包括的に支援するコンソーシアム「Team Cross FA(チームクロスエフエー)」ではプロデュース統括として旗振り役を務める。
プロローグ あなたのビジネスが変わる、シン・営業力
第1章 「営業する前」に読んでおきたい原理原則
第2章 「観察眼」を磨くと見える! 営業としての現在地と勝ち筋
第3章 「戦略眼」を磨くと描ける! 営業のサクセスシナリオ
第4章 「情報」がトリガーとなって起こる大勝利
第5章 事前準備から商談までの営業フローのツボ
第6章 崩れそうなシナリオをゴールに導く、局面突破法
第7章 シン・営業力のマインドセット
エピローグ Noと言われるすべての営業にエールを

要約ダイジェスト

「口下手な人=営業ができない人」ではない

「話がうまい人=営業がうまい人」ではない。キーエンス時代の私の部下に、口下手ながらも実直さを取り柄に大きな数字を作り上げた若手社員がいた。私は彼を大企業の超重要案件の営業担当者に抜擢した。

 社内の人たちからすると驚きの指名だったが、私は彼の「実直さ」はお客様に寄り添えるという意味で大きな武器であり、お客様からは信頼されるだろうと信じていた。この決断は当たり、彼はお客様に向き合い寄り添うことで、みるみる信頼を勝ちとっていった。

 彼がお客様からの信頼を勝ち得たのは、彼が「お客様の話を聴ける人」だったからだ。彼は自分が口下手であることを自覚していたため、お客様の話を聴くことを何よりも大事にしていた。上司の私から見ても彼の「聴きに行く」という行動の徹底ぶりは凄まじいものだった

 例えばある時、お客様企業の担当者一人ひとりに「◯曜日に◯◯の件でお伺いしてもよろしいですか?」と電話をかけていた。この計算のないまっすぐなアプローチがお客様に気に入られる要因になっていた。そしてお客様から課題を伺い、課題解決に向けて最適な提案を積み重ねていった。

 営業は「話がうまい人」「人と話すのが好きな人」が適職と思われがちだが、口下手営業でもお客様に向き合い、しっかりと耳を傾けることができるなら、適職と言える。むしろ、話すのが得意な人で、営業としての成果が出ずに悩んでいるなら、うまく話そうとするよりも、まずは聴くことを意識していくと良いだろう。

 そもそも法人は「利益を出すための投資」として、

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