- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書では、多くの偉大な先人たちが構築してきた思考のフレームワークとして、世界を見るレンズである「メンタルモデル」(認知の型、認知様式)を9つ紹介する。それらは、物理学や心理学、統計学、投資家の知恵など、多分野のエッセンスを凝縮したものとなっており、世界を理解し、正しい判断や意思決定を行う際に活用できる。
著者は、自己修養メソッドや意思決定手法をテーマに世界をよりよく理解する方法についての先人たちの教えを研究しようと匿名で始め、世界有数の人気ウェブサイトに成長したメガ・ブログ「Farnam Street」を運営する2人。単なる知識ではなく思考の幅を広げたい方や、日々重大な意思決定に携わる方はぜひご一読いただきたい。
元・諜報機関勤務。自己修養メソッドや意思決定手法をテーマにするメガ・ブログ「Farnam Street」創設者。同サイトを運営しながら、人生の知恵を探求し続けている。意思決定や目的を持った生き方、世界をよりよく理解する方法についての先人たちの教えを研究しようと匿名で始めたブログは、またたく間に世界有数の人気ウェブサイトに成長した。アクセス数 100万以上、有料購読者数 37万5000人以上、ポッドキャストのダウンロード数2500万以上を誇り、研究セミナーにも常に満員の聴衆を集める「Farnam Street」は、企業の最高経営責任者(CEO)、トップアスリート、プロ・コーチ、起業家にとって、雑多な情報が錯綜する世界から重要な情報を見つけるために欠かせないリソースとなっている。シェーンの活動は『ニューヨーク・タイムズ』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『フォーブス』など、主要な新聞や雑誌で取り上げられている。
著者:リアノン・ボービアン(Rhiannon Beaubien)
「Farnam Street」でブログの管理と執筆を担当。『グレートメンタルモデル』シリーズのメイン執筆者であり、同書のプロジェクト・マネジャーを務めている。また、世界中のさまざまな組織を対象に、メンタルモデルの活用法についてのプレゼンテーションを行っている。
北川 蒼(Kitagawa So)
早稲田大学法学部卒。デジタルカルチャー誌、ノンフィクション書籍を中心に英語翻訳に携わる。訳書に『ドローン情報戦:アメリカ特殊部隊の無人機戦略最前線』(原書房)、共訳書に『ヒトラーの特殊部隊 ブランデンブルク隊』『宇宙の地政学:科学者・軍事・武器ビジネス』(いずれも原書房)がある。
1 メンタルモデル1 地図理論
2 メンタルモデル2 能力の輪
3 メンタルモデル3 第一原理思考
4 メンタルモデル4 思考実験
5 メンタルモデル5 二次的思考
6 メンタルモデル6 確率思考
7 メンタルモデル7 反転思考
8 メンタルモデル8 オッカムのかみそり
9 メンタルモデル9 ハンロンのかみそり
要約ダイジェスト
どんな状況でも「合理的」に判断を下す
メンタルモデルとは、「世界はこう動く」という認識の前提となる考え方だ。世界のあらゆることを細かいところまで頭に入れることはできない。だから、人間はさまざまなモデルを使って複雑なものごとを理解しやすく、整理しやすいかたちに単純化する。
何百万と存在するメンタルモデルには正しいものもあればそうでないものもあるが、その中でも選び抜かれた、基本的な思考のフレームワークとなるモデルがある。組み合わせて活用すれば、どんな問題にも有効な対策が立てられるはずだ。以下そのいくつかを紹介する。
現実とその「モデル」の違いを知り、本質を見きわめる「地図理論」
地図は、複雑な事項を単純化するのに役に立つ。現実の地形を表す地図は、現実そのものではない。地図はそれが表すものの「縮小版」だからだ。地図はまた「ある時点」におけるスナップショットであり、過去に存在したものを表していることもある。
私たちはしばしば地図が実際の地形と一致していなくても気づけなくなってしまう。たとえば、地図に「崖」は載っていない。実際の地形に注意を向けずに、地図だけを知識として身につけると問題が発生する。
世界はダイナミックに動いている。地形を把握するためのツールは、変化に応じてさまざまな状況を処理したり、時代に適応するための柔軟性を備えている必要がある。現実が変わった場合、