『だから僕たちは、組織を変えていける』
(斉藤徹/著)

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  • 目次
 テクノロジーは人々の生活だけでなく、生き方や働き方の価値観にも影響を与えてきた。社会構造も重厚長大産業中心から IT産業中心に変化し、組織のあり方も大きく変わり、その中では、20世紀のように、ただひたすら数字を追っていく管理中心のマネジメントスタイルでは時代遅れになりつつある。

 では21世紀の組織とリーダーはどうあるべきなのか。本書では、現代の知識社会における理想の組織を、「学習」「共感」「自走」の3つのモデルを軸に提唱し、それぞれを実現するための最新のメソッドを示す。近年よく耳にする「心理的安全性」「価値観の共有」を実装するための具体的アクションが多く盛り込まれている。

 著者は起業家・経営者として、知識社会における組織改革を企業に提言する一方、経営学者として、ビジネス・ブレークスルー大学教授、社会人向けオンラインスクールの講師、企業向けの講演なども行う人物。経営者やマネジメント層、現場リーダーなど、アフターコロナに向け組織を進化させたいと志す方はぜひご一読いただきたい。

著者:斉藤 徹(Saito Toru)
 経営者。起業家、経営学者。株式会社hint代表。株式会社ループス・コミュニケーションズ代表。ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授。1985年、日本IBM入社。1991年に独立しフレックスファームを創業。2005年にループス・コミュニケーションズを創業。ソーシャルシフト提唱者として、知識社会における組織改革を企業に提言する。2016年から学習院大学経済学部経営学科の特別客員教授に就任。起業家、経営者、教育者、研究者という多様な経歴を活かして、2020年からはビジネス・ブレークスルー大学教授として教鞭をふるう。2018年に開講した社会人向けオンラインスクール「hintゼミ」には、大手企業社員から経営者、個人にいたるまで、多様な受講者が在籍し、期を増すごとに同志の輪が広がっている。企業向けの講演実績は数百社におよび、組織論、起業論に関する著書も多い。『業界破壊企業』(光文社)、『再起動(リブート)』(ダイヤモンド社)、『BEソーシャル! 』『ソーシャルシフト』(ともに日本経済新聞出版社) など。
第1章 時代は変わった。組織はどうか
第2章 これからの組織は、「統制」から「自走」へ
第3章 強がりの仮面を外そう
第4章 チームを動かす、北極星を見つけよう
第5章 アメとムチを捨て、好奇心を解き放とう
第6章 たった一人から、影響の輪は広がる
巻末付録 これから組織を変えていこうとする君たちへ

要約ダイジェスト

これからの組織は「統制」から「自走」へ

 コロナショックは時計の針を一気に加速させ、人々はいつでもどこでも、オンラインで気軽に対話するようになった。会社に出勤し、上司の指示に従い、時間に追われて仕事をするという当たり前から解放された社員は、職場や仕事を改めて見つめ直す機会を得た。

「私は、なんのために仕事をしているんだろう」「僕たちの組織は、なんのために存在しているんだろう」、そんな、これまで深く考えたこともない本質的な疑問に向き合うことで、人々は主体性に目覚めてきた。

 主体性をとりもどした人たちは、以前より強く「働き方を自ら選択したい」と考えるようになった。その結果、管理志向の強い企業、不寛容な文化を持つ企業からは、自律的に動ける人材が離れていき、自然に衰退する運命をたどってゆくだろう。

 シンプルに言えば、性悪説で構築されていた既存の統制システムが機能しなくなってしまったのだ。重要なのは、多様な社員一人ひとりと深いエンゲージメント(心の絆、信頼関係)を築き、「自走する組織」に生まれ変わることだ。「新しいパラダイムの組織」は、以下の3つの組織像で表すことができる。

①環境から学び続ける「学習する組織」
「学習する組織」は短期的な成果をあげることより、絶えず変化する「環境からの学習」を優先する組織である。ここで難易度が高いのは「硬直化した組織」に慣れているメンバーの思考を「学習する組織」に切り替えるための、メンタルモデルの変革である。

②社会とのつながりを大切にする「共感する組織」
「共感する組織」は過剰な警戒心に陥ることなく、顧客や社会との「共感や信頼」を優先する組織だ。より重要で時間がかかるのは、「警戒する組織」特有のメンバーの思考を「共感する組織」に切り替えることである。

③メンバーが自ら考え、共創する「自走する組織」
「自走する組織」とは、社員が自ら考え、協働し、成果を生む組織のことである。「学習する組織」や「共感する組織」と比較しても、難易度は格段に高い。その理由は、変化や成果を感じるまでのタイムラグの長さや、自走するための障壁の高さにある。

 これらの「知識社会の組織モデル」を実現するための具体的なメソッドを体系化すると、

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