- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこで本書では、心理学をベースに、相手や状況に合った自然に気遣いができる方法を100の項目として解説。様々な具体的事例を取り上げながら、気遣いの基本や心得、話し方・聞き方のコツ、職場・仕事での気遣い、気遣い力の鍛え方など、実践的なテクニックとマインドセットがわかりやすく語られている。
著者はキャリアコンサルタント、産業カウンセラー、カラーセラーセラピスト、NLPマスタープラクティショナーとして各企業・大学、公共機関などで、講師として活躍する人物。仕事やプライベートにおいて気遣いやコミュニケーション力をアップさせたいと感じている方はぜひご一読いただきたい。
キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、カラーセラーセラピスト、NLPマスタープラクティショナー。デザイナーとして活動後、デザイナーを養成する講師となり、本格的にキャリア支援や心理について学ぶ。福祉事業であるキャリアカウンセリング事業のキャリアカウンセラーとして従事し、各市役所等をまわり仕事の相談業務を担当。現在は、各企業・大学、公共機関などで、講座や講演を行っている。
第2章 話し方・聞き方編
第3章 職場・仕事編
第4章 ちょっとした気遣い編
第5章 気遣いの心得編
第6章 利休七則編
第7章 気遣いの高め方編
要約ダイジェスト
気が利くのに、気疲れしない人
気遣いは料理に似ている。例えば、風邪を引き寝込んでいるときは、おかゆが食べたくなるし、寒い冬は、体の芯からポカポカ温まる鍋料理が最高だ。つまり、相手に合わせて料理するからこそ、ごちそうとなる。
同様に気遣いも、ただ一つの方法があるわけではなく、相手に合わせて臨機応変に対応することが重要だ。料理を習えばうまくなるのと同様、気遣いも習得できる。そして料理は「毎日手作りせねば」と思うと、苦痛で続かない。気遣いも人に嫌われないように気を遣いすぎるのは、過剰適応で長続きしない。
多くの人は、誰かに必要とされるために、優秀な人になろうとするが、相手に対する愛のある気遣いがあれば、あなたは愛され、必要とされるのだ。「気が利くのに、気疲れしない人」になれたら、あなたはもっとラクに生きられる。
想像力を鍛える
気遣いができる人とは、相手の気持ちを汲んで、先回りして行動ができる人だ。だから気遣いは愛と想像力でできている。では、想像力はどうしたら強化できるだろうか。それには、想像するしかない場面をたくさん体験することだ。
子育ての経験のある人は、赤ちゃんの表情や泣き方で何が欲しいのか想像して、あやすことができる。ペットを飼っている人も同様で、表情や鳴き声の微妙な変化を汲み取って、「お腹すいたのかな?」「遊びたいのかな?」などと想像して対応する。
他にも、ミステリー小説を読んで、いろいろな視点から物事を捉えることも想像力の訓練になる。また、日頃から家族、職場以外のコミュニティに所属し、自分とは違う価値観の人と話をすることも大切だ。気遣いができない人は、自分の興味のない分野の情報に触れないため、自分が考えるときに情報が少なく、想像力が乏しくなってしまうのだ。
空振りより感情の見逃し三振に注意
気遣いに正解はない。気遣いは、そのときどきに相手の一番大切にしていることは何かを理解して、提供していくことだからだ。そのために一番重要なことは、相手をよく観察し、相手の一番言いたいことを掴むことだ。
だから、カウンセリングでもコーチングでも、最も大切にされているのが傾聴だ。傾聴とは相手の主訴、一番話したいことは何かを意識し、相手を共感的に理解しながら話を聴くことである。
しかし、人は自分に一番関心があり、世の中には話を聴くことより話したい人が多い。だから、つい相手の話を聴きながら自分の話にすり替えたり、アドバイスをしたりしがちだ。これでは人の気持ちは掴めない。
傾聴力を鍛えるための方法はたくさんあるが、まずは相手の話の中の喜怒哀楽を見過ごさないことだ。その人にとって大切な価値観に触れているから、感情が動くのだ。例えば、