- 本書の概要
- 著者プロフィール
だがそうした鋭敏な感受性は実は「強み」でもあり、その個性を活かす道がある。本書では、最新の科学とセラピストとしての知見から、HSPの繊細さの原因を解明する。そして HSPの才能を「エンパス(共感)力」「直観力」「視覚力」「表現力」の4類型に分類し、その才能を開花させるための実践的メソッドを解説する。
著者は自身もHSPで、統合医療栄養協会認定ヘルスコーチ、ヨガインストラクター、ハーバリストとして活躍する人物。人口の約 20%が該当するとされる HSP的気質に悩みを感じている方はもちろん、ネガティブなイメージを持っている方もぜひご一読いただきたい。ユニークな感受性や多様性への理解を深めることができるはずだ。
ヨガインストラクター、ハーバリスト、統合栄養研究所の認定健康コーチであり、自身がHSPである。メンタルヘルス・カウンセラーとして働いていた2002年、友人宅の火事を感知し未然に防いだ。以来、テレパシーや予知などの超常現象を含む、直感や過敏さの研究に専念する。2005年に自らの心身の不調を癒した経験をもとに、ハーブや芸術療法、瞑想、ヨガの習得に注力し、感覚過負荷の予防、ストレスの軽減などの実践法を追求している。
和田美樹(Wada Miki)
東京生まれ。1987年より米国在住。輸出入販売会社勤務を経て、幅広い分野の書籍翻訳に従事する。主な訳書に『アルツハイマーになる人、ならない人の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『共感覚という神秘的な世界─言葉に色を見る人、音楽に虹を見る人』(エクスナレッジ)などがある。HSS型HSP、ADHD、共感覚の関係性を探求中。
第2章 エンパス 共感力が高すぎるHSP
第3章 インテュイティブ 直観力が鋭すぎるHSP
第4章 ビジョナリー 視覚力が強すぎるHSP
第5章 エクスプレッシブ 表現力が豊かすぎるHSP
第6章 繊細さの原因に気づく
第7章 繊細さを癒す技術①
第8章 繊細さを癒す技術②
第9章 スピリチュアルな能力を高める
要約ダイジェスト
HSPの人たちと接して気づいたすごい才能
HSP(highly sensitive person:敏感気質)という気質は、実社会での生活に大きな影響を及ぼす。「敏感」の従来的なイメージは、歓迎されないものが多く、不正確な情報が蔓延し、HSPも不安症やうつ病のような臨床的障害のように思われている。
しかし HSPの敏感気質は「強み」だ。HSPの心は、自己の外の世界を知ろうと、「すべての感覚」を使って本質を探る。このときに使う知覚能力が、“感じる才能”だ。HSPの人はこのような自らの才能に気づき、大事な「感覚(sense)」をいたわる必要がある。
HSPの4つの才能とは、「エンパス力」「直観力」「視覚力」「表現力」だ。これらの才能を最大限に伸ばせば、自由に引き出して武器にすることができるのだ。この4種類の感覚的知性(才能)をそれぞれ見ていこう。
エンパス力とは感情を読みとる能力で、エンパス型HSPは、感情を読みとる能力に長けているため、人に対する思いやりが強い。エンパスの人は、他人の感情を自分のなかにとり込んで、自分のものとして処理している。この才能を意識的に伸ばせば、面倒見がよく頼りになる性格と、人助けの志が育まれる。
そのため、エンパスは、優秀なアドボケート(社会に対して特定集団の権利やニーズを伝える活動をする人)、コミュニケーター、医師、ヒーラー、交渉人、調停者、セラピストになれるだろう。
直観型HSP(インテュイティブ)は、ものごとの手がかりやサインを感じとって、通常なら見逃されるであろう重要な情報を感知することができる。
直観力のある人が指導的役割に就くと、重要なトレンドセッターとなれるし、