『人生を自由にしてくれる 本当のお金の使い方』
(井上裕之/著)

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 人生 100年時代と言われるなかで、年金問題や貯蓄、健康寿命など、「将来のお金」に関する不安を持つ人も増えてきている。新型コロナウイルス感染症も、その不安に拍車をかけたと言えるだろう。だが富裕層の中には今回のコロナ禍で売上や年収が落ちているにもかかわらず、「お金の不安がない人」もいるという。

 著者によれば、彼らが常に前向きなのは、貯蓄があるからでも、考えることを放棄しているからでもない。お金の本質を尻、お金を上手に使い、使った以上のお金が入ってくる好循環を回しているからだ。本書では、そうした「幸せなお金持ち」が実践する、自己成長を促し、良好な人間関係を築くためのお金の正しい使い方を解説する。

 著者は、本業の歯科医師として成功を収める傍ら、世界中の自己啓発や、経営プログラム、能力開発を徹底的に学び、「潜在意識」と「ミッション」を統合させた成功哲学を提唱。「価値ある生き方」を伝える講演家としても活躍する人物。経済的成功だけでなく、キャリアや人生全体の幸福度を高めたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:井上 裕之(Inoue Hiroyuki)
 いのうえ歯科医院理事長。歯学博士、経営学博士。東京医科歯科大学非常勤講師を含め国内外7つの大学で役職を務める。世界初のジョセフ・マーフィー・トラスト公認グランドマスター。「医師として世界レベルの医療を提供したい」という思いのもと、ニューヨーク大学をはじめペンシルベニア大学、イエテボリ大学などで研鑽を積み、故郷の帯広で開業。その技術は国内外から高く評価されている。情報番組「未来世紀ジパング」にて、最新医療・スピード治療に全国から患者が殺到する様子が取り上げられる。
 本業の傍ら、世界中の自己啓発や、経営プログラム、能力開発を徹底的に学び、ジョセフ・マーフィー博士の「潜在意識」と、経営学の権威ピーター・ドラッカー博士の「ミッション」を統合させた成功哲学を提唱。「価値ある生き方」を伝える講演家として全国を飛び回っている。実話から生まれたデビュー作『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)は、テレビ番組「奇跡体験! アンビリバボー」で紹介され、大きな反響を呼ぶ。ベストセラー『「学び」を「お金」に変える技術』(かんき出版)、『本物の気づかい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書多数。
第1章 あなたは、何のためにお金を使いますか?
第2章 お金は「循環」させて増やしていく
第3章 人生をより自由にしてくれるお金の使い方
第4章 「お金に困らない人」の考え方

要約ダイジェスト

「お金の不安がない人」の共通点

「お金の不安がない人」に共通しているのは、「お金の稼ぎ方以上に、使い方が上手である」ことだ。お金を正しく使うと、使った金額以上のお金が入ってくる。「稼ぐ」と「使う」の好循環を生み出しているのが、「お金の不安がない人」の特徴なのだ。

「正しく使う」とは、「自分の価値を高めてくれるものに使う」こと。「お金の不安がない人」は、主に、健康・教育・貢献(社会貢献など)・感謝・経験の「5つ」にお金を使っている。この5つにお金を使うと、「自己成長」を促し、「良い人間関係」を築くことができるため、結果的に「使った以上のお金が入ってくる」ようになるのだ。

 世界最大の世論調査会社「ギャラップ社」は、50年以上かけて世界 150カ国を調査・分析した結果として、「幸福度を高めるために必要な5つの要素」を明らかにしている。それは、①仕事の幸福、②人間関係の幸福、③経済的な幸福(お金)、④身体的な幸福(健康)、⑤地域社会の幸福の5つだ。

 ギャラップ社は、「どれかひとつの要素で高得点をとるのは比較的簡単で 66%が実現。しかし、5つの要素すべてで高得点を獲得できる人は、わずか7%にすぎない」と分析している。

 この結果は、「経済的な幸福で高得点が取れていても、他の要素での得点が低ければ、『幸せなお金持ち』にはなりにくい」ことを示唆している。つまり幸せとは、こうした要素の「バランス」が整った状態のことであり、「幸せなお金持ち」になる上で大切なのは、「お金を増やす」こと以上に、「バランスを整えるためにお金を使う」ことなのだ。

お金はあったほうがいいか? なくてもいいか?

「お金を持っていれば、それだけで幸せになれるか?」という質問に対する答えは、「ノー」だ。一方で、「お金はなくてもいいか?」という質問には、私は「あったほうがいい」と答える。

 なぜなら、お金を持っていたほうが、幸せを感じられる機会が増えるからだ。お金は、「人生の選択肢を広げる」ために必要だ。お金がないと、制約条件が増えるため選択肢が狭まるが、お金があれば、「多くの選択肢の中から、最良のものを選ぶ」ことができる。

 そして、選択肢の多い生き方をすれば、「幅広い経験」を通して、「幅広い考え方」ができるようになる。また、お金があれば、「健康問題」「老後破産」「倒産」など、今後の人生で発生する可能性のあるリスクに備えておくこともできる。

 お金には、「悲しみを減らす」ための機能もある。「経済的に安定すると、精神的な健康状態も良くなる」ことは、データからも明らかだ。「衣・食・住」の基本的なニーズを満たすことができないと、人は安心、安全を得ることができないのだ。

 さらに、お金があれば「より多くの人が幸せになるために行動する」ことができる。貢献とは、自分が持っている最大限の力を発揮して、「誰かの役に立つ」「他者に価値を与える」ことだ。貢献する喜びはほかの何ものにも代えがたい喜びであり、その喜びを知っている人とそうでない人とでは、人生の充実度に大きな差が生じる。

「したほうがいい借金」と「してはいけない借金」

 日本人は、借金に対してネガティブなイメージを抱いている。だが私は、「借金=悪」だとは考えていない。それは、「会社も、人も、借金が育てる」ことを身をもって知っているからだ。

 借金には「良い借金」と「悪い借金」がある。良い借金とは、自分を成長させるために必要な借金、事業の拡大や発展のために必要な借金、他者に貢献する借金だ。悪い借金とは、自分や事業の成長に寄与しない借金、享楽にふけるための借金、他者に貢献しない借金、価値を生み出さないものを得るために工面する借金である。

 私が「良い借金」をすすめる理由は次の「3つ」だ。まず、借金をすると①「覚悟」が決まる。「借金を返済できなければ、倒産(自己破産)」という危機感を持つ人もいるだろう。だが、「その苦しみを乗り越えることで人間的な成長が望める」と自分の可能性を信じることができれば、仕事に対する本気度は増す。

 次に、②「時間」が手に入る。借金の本質は、「時間の先取り」「未来のお金の先取り」だ。「貯蓄」にこだわると、大幅な時間のロスが生まれるのだ。例えば、20歳で留学するのと、40歳で留学するのでは、人生の選択肢や収入は大きく異なる。

 そして、借金は③社会的な「信用」になる。金融機関から融資を受けられるのは、事業のビジョン、将来性、経営者の人間性が評価されているからだ。そして、期日を守って返済実績をつくると、さらに「信用」が生まれ、次の融資が受けやすくなる。経営者は、借金と返済を繰り返しながら、事業基盤を拡大していくのだ。

「学び」は確実なリターンが期待できる投資である

 不動産、株、家、車といった資産は、相対的な価値が変動するが、学びの成果は、確実に自分のものになり、下がったり減ったりすることはない。学びには、「資格取得」「語学習得」「入学試験」などのほかに、「生きていく姿勢を高める」「モチベーションを磨く」ための努力も含まれる。

 私の知る成功者の多くは、「今、すべてを失っても、身ひとつでやり直す自信がある。5年くれたら、今以上の成果を出す自信がある」と口を揃えるが、彼らの自信の源泉は、「学び」である。

「やり直せる」と言い切れるのは、専門知識のみならず、ビジネス、成功哲学、自己啓発、科学、芸術、音楽など、さまざまな自己投資をして、「自分」という資産を高めてきたからだ。

 また、専門分野以外の学びをすると、視野が広がる。視野が広がると、「今までの自分や他の人と違った視点で、物事を考えられるようになる」ため、自分に付加価値をつけることができる。さらに、人間関係も広がる。例えば、セミナーに参加すれば、業種、職種、性別、年齢を問わず、さまざまな人との交流が生まれ、新しい知見を得ることも可能だ。

「一流」と称されるモノやサービスに触れる意味

 一流のホテルに泊まる、一流のレストランで食事をする、一流のファッションに身を包む…、「お金持ちアピール」をしたくてお金を払うのは浪費だが、「学び」や「気づき」を得るために「一流」にお金を使えば、自分を成長させることができる。

「一流」の定義はあいまいだ。だからこそ、自分で「一流と称されているモノやサービス」に触れてみて、「なぜ、一流と呼ばれているのか」「ほかとの違いはどこにあるのか」「多くの人を魅了する秘密はどこにあるのか」を考えてみるのだ。

 そうすることで、「本物を見極める目(審美眼)」「美や善などを評価する感性」が養わられる。すると、ものの見方が変わり、どんな人に会っても、どんな情報を見聞きしても、「何が本物か」「何を信じるべきか」がわかるようになる。一流になりたければ、一流を知るのが近道なのだ。

 もちろん毎日、毎回、「一流」にお金を投じる必要はない。だが安さだけを追い求めないことだ。セール品、ディスカウント品ばかりに目が行く人は、「自分が本当にほしいもの」「自分にとって本当に価値のあるもの」を見失いやすくなる。

 ときには少し背伸びをして、一流の世界を知ると、「欲」と「夢」が生まれる。「なりたい」「したい」「ほしい」という「欲」は、「そこに向かって頑張ろう」「一流が似合う自分になろう」というモチベーションにつながるのだ。

大切な人との縁をつなげるため、贈り物にお金を使う

 運も、仕事も、お金も、人が運んでくる。だから、「人とつながるためにお金を使う」「人との縁を切らないためにお金を使う」「人間関係を広げる、人間関係を深めるためにお金を使う」ことも必要になる。

 大切な人との縁をつなげるためには、最低でも年に1回、贈り物(プレゼント)をするといい。お中元、お歳暮、誕生日プレゼント、旅先のお土産、挨拶訪問時の手土産など、日ごろのお礼や感謝の気持ちを込めて、贈り物をするのだ。

 年に一度、3000円程度のもので十分だ。私の周囲でも「仕事ができる人」「周囲の信頼を得ている人」「人づきあいが上手な人」の多くが、感謝の気持ちを形にしている。義務感でする贈り物に価値はないが、心のこもっている贈り物なら、贈ったほうがいい。

 贈り物は、感謝のやりとりだ。お互いの存在を思い出し、気持ちを寄せる。こうした感謝のやりとりこそ、お金の正しい使い方だ。贈り物を選んでいる時間は、「相手のことを考える時間」であり、この時間こそ、最高の贈り物である。

ビジネスを多様化させ、お金の入り口を増やす

 私の本業は歯科医師だが、本業のかたわらで、本の執筆、数々の講演会、コーチング、コンサルティングなどを行っている。職種、業種こそ違うが、そのすべてが、「多くの人が最高の人生を送れる手助けをする」という目的につながっている。

 やりたいことを同時追求する人は、自分のポテンシャルを信じている人だ。また、本業以外の仕事に携わることは、「より多くの人に貢献できる」「患者様以外の役に立つ」と同時に、お金の入り口を増やす(お金の使い道を増やす)ことにもつながる。

 副業を成功させるポイントは、まず、時間を上手に管理すること。「優先順位を決める」「やらないことを決める」「スキマ時間を効率的に活用する」など試行錯誤をしながら、副業と本業を同時進行させられるようになったとき、能力は確実にアップしている。

 次に、やりたくないことは副業にしないこと。本業の後やオフを使って仕事をするのだから、「楽しいこと」「好きなこと」「ワクワクすること」でないと続かない。「収入を増やすため」という目的だけだと、長期的、安定的な利益にはつながりにくいのだ。

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