- 本書の概要
- 著者プロフィール
「味の濃い食事を好む、イライラする、目が疲れる、コーヒーやエナジードリンクを飲みたがる」。これらは、ストレスがたまっているサインだ。本書では、心身の不調を招く「おうち時間」で生じやすいストレスに焦点を当て、その対処法を食事や睡眠などの生活習慣、在宅作業、休日の過ごし方などに分類して解説する。
著者は千葉県船橋市のすぎおかクリニック院長で医学博士。循環器科の専門医として予防医学に重点を置き、メディア出演も多く行っている人物。在宅勤務が増えて不調を感じているビジネスパーソンはもちろん、今後長く健康に過ごしたいと考えるすべての方にぜひご一読いただきたい。
すぎおかクリニック院長。医学博士。1965年生まれ。日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会健康スポーツ医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。千葉県船橋市立医療センターの救急医療に約20年間勤務し、生死に関わる治療や約1万人の心臓の治療にあたる。病気の前段階で予防できる医学の重要性を強く感じ、“世の中から「心臓病患者を一人でも減らす」”ことをミッションに、2014年5月より千葉県船橋市において「すぎおかクリニック」を開院。わずか1年で延べ 1万8000人が通院、誠実で患者と同じ目線で寄り添う人柄が噂となり患者が殺到、顧客満足度100パーセントという驚異の人気クリニックとして、テレビ・雑誌等に出演。現在までに延べ10万人超を診ている。『毎日のカラダが楽になる 最高の疲労回復法』(大和書房)など著書多数。
1章 なぜあなたは、家にいるのに不調になるのか
2章 おうちストレスが引き起こす「疲れ」より怖いもの
3章 毎日のストレスをリセットする「最高の生活」
4章 おうちストレスをためない「最高の在宅作業」
5章 頑張る自分をいたわる「最高の休日」
巻末付録 おうちでできるストレス解消ストレッチ
要約ダイジェスト
「家にいる時間」が不調を引き起こす
コロナウイルスの流行をきっかけに、「少し息が切れる気がする」「体が少し重い」「疲れが溜まっている気がする」といった「なんとなくの不調」を訴える人の数が急増し、毎日のように来るようになった。
症状を訴える人に性別や世代的な傾向はないが、問診するなかで、ある共通点があることがわかった。それは、以前より「家にいる時間」が増えたことだ。完全な在宅勤務ではないにしても、家で働く日が週に何日かある人がほとんどだったのだ。
疲労回復やストレス発生のメカニズムに基づいて考えると、「家にいる」ことは必ずしも疲労の回復につながるわけではない。例えば、休日は昼まで寝て過ごすという人がいるが、過剰な睡眠は逆にストレスとなる。
また、ソファに寝転がってテレビや SNSを眺めるのも、休んでいるつもりでも実際にはストレスを溜める。他にも、外出や買い物が減ることで食事が簡素になり、必要な栄養が不足するばかりか、体内のストレスを高める成分を摂取してしまうこともある。
このように、過ごし方によっては、「休息の場」であるはずの「家」が、「ストレスを溜めてしまう場所」になってしまうのだ。
さらに問題なのが、そのほとんどが「無自覚」によって行われていることだ。多くの人が、「たくさん寝れば疲れは取れる」「体を休めれば休息になる」「好きなものを食べるのがストレス発散になる」など、疑いの余地なく信じている。
だが、良かれと思って行っていることが、むしろ「慢性的に体にダメージを与えること」になってしまっているのだ。
ストレスを回復する、そしてストレスを溜めないための鍵となるのが、コルチゾールという「疲労回復ホルモン」だ。このホルモンが疲労の原因となるストレスを緩和したり、