『気持ちよく人を動かす』
(高橋浩一/著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 ビジネスを進める上で、ロジカルシンキングの重要性は様々に説かれている。だが、どんなにロジック上正しくても、相手に行動してもらえなかったりする経験は誰しもあるはずだ。その理由の大部分は、「相手の共感を得られていない」からだ。理論上は正しいことでも、相手が気持ちの部分で共感できなければ合意には至りにくいのだ。

 そこで本書では、人に気持ちよく動いてもらうための「共に創る」スキルを7つ紹介。これらのスキルはロジックを振りかざして失敗した著者の経験から編み出されたもので、実践した結果、商談受注率や顧客の熱量が段違いに上がったという。具体的には、合意を妨げる「壁」を4パターンに分け、壁の乗り越え方と巻き込み方を解説する。

 著者は外資系戦略コンサルティング企業を経て起業し、これまで企業研修や3万人以上の営業強化支援に携わってきた人物。営業活動はもちろん、人を動かすことが求められる社内外との交渉や協力依頼、上司への承認依頼やメンバーの指導・マネジメントなどをレベルアップさせたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:高橋 浩一(Takahashi Koichi)
 TORiX株式会社 代表取締役。東京大学経済学部卒業。外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、企業研修のアルー株式会社に創業参画(取締役副社長)。事業と組織を統括する立場として、創業から6年で社員数70名までの成長を牽引。同社の上場に向けた事業基盤と組織体制を作る。
 2011年にTORiX株式会社を設立し、代表取締役に就任。これまで3万人以上の営業強化支援に携わる。コンペ8年間無敗の経験を基に、2019年『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』、2020年に続編となる『無敗営業 チーム戦略 オンラインとリアル ハイブリッドで勝つ』(ともに日経BP)を出版、シリーズ累計6万部突破。2021年『なぜか声がかかる人の習慣』(日本経済新聞出版)を出版。年間200回以上の講演や研修に登壇する傍ら、「無敗営業オンラインサロン」を主宰し、運営している。
1章 どうしたら動いてくれるのか?
2章 共に創るディスカッション
3章 スキル1 相定する力
4章 スキル2 段取りする力
5章 スキル3 理解を深める力
6章 スキル4 見える化する力
7章 スキル5 思い込みを外す力
8章 スキル6 軸を動かす力
9章 スキル7 巻き込む力
10章 「気持ちよい合意」の先にあるもの

要約ダイジェスト

「共に創る」からこそ熱量が上がる

 多くの関係者と一緒に仕事を進めていくには、みんなにとって共通の足場となるロジックは強力な武器となる。しかし、理屈のうえでは正しい結論でも、相手の共感が得られなければ、人は動いてくれない。

 仕事は、自分が考えたロジックを理解してもらうのではなく、人と一緒に考え、互いの力を引き出しながら共に未来をつくることで、可能性に満ちたワクワクするものに変わる。こうした「共に創るディスカッション」によって人は気持ちよく動いてくれるのだ。

「競争」の世界観では、疑問や反論を受けることは、自らの結論の正しさを損なう要因になる。一方、「共に創るディスカッション」では、疑問や反論は「結論を進化させる材料」と捉える。以下「共に創るディスカッション」を支える7つのスキルを紹介する。

スキル1 想定する力

「想定する力」とは、ゴール設定をしたうえで、発生しうる壁(疑問や反論)をできる限り洗い出し、どう対応していくかのシミュレーションをするスキルだ。

 最高の状態だけ考えて場に臨むと、想定外の壁にぶつかって右往左往してしまうことがある。一方、最悪の事態をあれこれ心配しているだけでは、物事が前に進まない。そこで、「最高」と「最悪」の両方をイメージしておく。

 悲観シナリオを可能な限り洗い出し、「その事態が起こらないように予防」「起こってしまったときに、事態を収拾できる準備」しておくと、臨機応変な対応が可能になり、安心して「共に創るディスカッション」に臨めるようになる。

「想定する力」の中で最も難しいのは、事前に壁をもれなく洗い出しておくことだ。もれなく洗い出すためのコツは、壁のパターンを知っておくことだ。

 壁のパターンには、気を許していないので動きたくない「関係性の壁」、状況がクリアになっていないので動きたくない「情報整理の壁」、これまでの経験や直感から動きたくない「思い込みの壁」、

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