『観察力の鍛え方』
(佐渡島庸平/著)

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  • 目次
 ビジネスでも創作活動でも、いいアウトプットを出すには、いいインプットを行う必要がある。そして、質の高いインプットに必要となるのが、自分の仮説と現実のズレに気づく「観察力」だ。この観察力の差が、同じものを見たり経験したりしても、アウトプットの質が人によって大きく異なる理由なのだ。

 そこで本書では、観察力を高めるために必要なアクションをステップ別に解説するとともに、正確な観察を阻む人間の認知バイアスやその対策を提示。目に見える対象だけでなく、感情や他者との関係性といった「見えないもの」も含めていかに観察するか、また、観察をするにあたり求められるマインドセットなどの応用編についても説いている。

 著者は敏腕編集者として「宇宙兄弟」「ドラゴン桜」「マチネの終わりに」などのヒット作を手掛け、クリエイターのエージェント企業コルクを立ち上げた人物。観察力を鍛えてクリエイティブの質を高めたい方、一流クリエイターの視点や頭の中を知りたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:佐渡島庸平(Sadoshima Yohei)
 株式会社コルク代表取締役社長。編集者。1979年生まれ。中学時代を南アフリカ共和国で過ごし、灘高校に進学。2002年に東京大学文学部を卒業後、講談社に入社し、「モーニング」編集部で井上雄彦『バガボンド』、安野モヨコ『さくらん』のサブ担当を務める。03年に三田紀房『ドラゴン桜』を立ち上げ。小山宙哉『宇宙兄弟』もTVアニメ、映画実写化を実現する。伊坂幸太郎『モダンタイムス』、平野啓一郎『空白を満たしなさい』など小説も担当。12年10月、講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社・コルクを創業。インターネット時代のエンターテイメントのあり方を模索し続けている。コルクスタジオで、新人マンガ家たちと縦スクロールで、全世界で読まれるマンガの制作に挑戦中。
第1章 観察力とは何か?
第2章 「仮説」を起点に観察サイクルを回せ
第3章 観察は、いかに歪むか
第4章 見えないものまで観察する
第5章 あいまいのすすめ

要約ダイジェスト

観察力とは何か

 経営や創作に役立つ能力のうちドミノの1枚目になる能力が「観察力」だ。観察力を鍛えると必然的に他の能力も鍛えられる。

 いい観察は、仮説をもちながら客観的に物事を観て、仮説とその物事の状態のズレに気づき、仮説の更新を促す。一方、悪い観察は、仮説と物事の状態に差がないと感じ、わかった状態になり、仮説の更新が止まる。

 いい観察を阻む、3つの要因がある。1つ目は認知バイアスだ。人は目で観察しているのではなく、脳で観察している。脳の中で何を見ようか先に決めていて、脳が見たいものを追認するような形で見ているだけだ。

「言葉・概念」も、観察を促進する道具であると同時に、阻むものである。常識・偏見・言葉・概念…、これらはすべて、脳の認知に関与している。こうした、認知の歪みは、障害にも武器にもなりえるのだ。

 観察を阻む2つ目は、身体・感情だ。観察は身体・五感を通じて行われるため、その状態によって観察の質は大きく左右される。例えば、疲労を抱えた体と体調万全の体では、同じものを見ても観察の質は変わってくる。

 イライラしているときと、機嫌がよいときでも、観察の質は大きく変わってくる。感情が観察を阻害しているときは、思考を一回止め、複数の感情をもって、対象を見るクセをつけるようにする。

 観察を阻む3つ目はコンテクストだ。例えば、相手の服を見て、

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