『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「経営学」』
(佐藤耕紀/著)

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 近年「経営学や MBA(経営学修士)は実務の役に立たない」といった意見を聞くことも多い。だが、本来経営学の知見は思考の幅や深みを出すためのツールであり、経営判断だけではなく、仕事や人生において「要領よく仕事をする」ことや「賢い判断をする」ことにも役立つものだ。

 一方で、経営学者の文章は学問的に過ぎ、難解でわかりにくい場合も多い。そこで本書では、「意思決定」「価格戦略」「競争戦略」「モチベーションとリーダーシップ」「働き方改革」といったテーマで、様々な経営学の最新の知見を、身近な事例を多用しながら各トピックスごとに2ページでわかりやすく解説する。

 著者は防衛大学校 公共政策学科 准教授で、経営学にあまり興味がない学生でもわかりやすく伝える授業にこだわり、防衛大学校で20年以上にわたり教鞭をとる人物。各分野の必須の知識や理論はもちろん紹介されているが、読み物としても興味深く読み進められるはずだ。経営学の基本を学び直したい方はぜひご一読いただきたい。

著者:佐藤 耕紀(Sato Koki)
 防衛大学校 公共政策学科 准教授。1968年生まれ、北海道旭川市出身。旭川東高校を卒業後、学部、大学院ともに北海道大学(経営学博士)。防衛大学校で20年以上にわたり教鞭をとる。経営学にあまり興味がない学生を相手に、なんとか話を聞いてもらう努力を重ね、とにかくわかりやすく伝える授業にこだわっている。就職、結婚、子育て、といった人生のイベントをひととおり終え、生活者としての経験をふまえて、仕事にも人生にも役立つ経営学を探求している。趣味はクラシック音楽と海外旅行。これまでに経営学の共著が6 冊ある。
1章 経営学の基本的な考え方を学ぶ「費用対効果」
2章 賢く考え、正しく判断する心理学「意思決定」
3章 価格のしくみを理解して、売上と利益を増やす「価格戦略」
4章 相乗効果を生み、コストを下げる「多角化戦略」と「経済性」
5章 ライバルとの戦いを勝ち抜く「競争戦略」
6章 みんなで協力して目的を実現する「組織」
7章 やる気と個性を活かして、強いチームをつくる「モチベーション」と「リーダーシップ」
8章 DX時代の組織のカタチを考える「ヒエラルキー」と「ネットワーク」
9章 地位をめぐる競争で、自分の価値を高める「人材マネジメント」
10章 豊かな人生を切り拓く「お金」と「時間」と「知識」のマネジメント
11章 少子高齢化に向き合い、生産性を高める「働き方改革」

要約ダイジェスト

なぜ、ハンバーガーを100円で売って儲かる?

 経済学で「一物一価」と呼ばれる法則がある。「同じ物の価格はどこでも同じ」という意味だが、現実には、例えば 500mlペットポトルの緑茶飲料が、自販機では150円、スーパーでは100円、ディスカウント・ストアでは 70円というように、買う場所によって倍以上の価格差がついていることは珍しくない。

 このように原価がほぼ同じでも、戦略的に異なる価格を設定する場合があるのだ。例えば、多くの商品をあつかう小売店や飲食店では、「お客を呼ぶ商品」と「利益をあげる商品」の役割分担がある。

 スーパーなら、卵を特売にして、チラシで宣伝する。それを目当てに来店したお客も、卵だけ買って帰るのは効率が悪いので、ついでに他の商品も買ってくれる。卵で損をしても、トータルの売上から利益が出ればよいのだ。

 同様に、100円バーガーの原価(材料費)は 60円で、粗利は 40円(40%)だ。粗利からさらに人件費・光熱費などを引いた「営業利益」は5円(5%)だが、一方で 240円のポテトの原価は 85円で、粗利は 155円(約 65%)になる。

 さらにドリンクもつけて 430円のセットにすると、粗利の合計は 250円(約 58%)になる。ハンバーガーを安くしてお客を呼び、

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