『リーダーシップがなくてもできる 「職場の問題」30の解決法』
(大橋高広/著)

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 働き方改革や人員削減、コロナ禍によるリモートワークの推進など、近年中間管理職であるマネジャー層の負担は増え続けている。しかし日本企業の多くのマネジャーは、実務能力や成果を評価されて昇格したのであって、マネジメント適性によって昇格したわけではない。また、マネジメントの研修は実務研修より圧倒的に少ない。

 そのため、リーダーシップがなくても上司の仕事を遂行する具体的な「方法」が現在より強く求められていると言えるだろう。そこで本書では、人事コンサルタントとして活躍する著者が、流行のシステムやノウハウではなく、「職場のコミュニケーション」を軸に、職場の問題を「把握」「共有」「改善」するための具体的なメソッドを 30項目にわたり解説する。

 著者は株式会社 NCコンサルティング代表取締役社長で、1200名以上のスタッフにヒアリングした経験を持つ人事評価制度、管理職育成、職場改善の専門家。組織の大小を問わず、部下の育成やモチベーション管理、職場環境の改善に悩む経営幹部、マネジャー層はぜひご一読いただきたい。

著者:大橋 高広(Ohashi Takahiro)
 株式会社NCコンサルティング代表取締役社長。1982年生まれ。大阪府出身。人事評価制度、管理職育成、職場改善の専門家。大阪商工会議所人事労務サポート推進パートナー、八尾市や守口市、門真市、和泉市などの商工会議所専門相談員。同志社大学を卒業後、大手通信系企業にて歓楽街での飛び込み営業を経て、経済団体に入職し中小企業の経営支援に従事する。その際、橋下徹氏による府政改革を経験。その後、中堅製造業で総務経理を担当する傍ら、父から息子への事業承継を推進。
 2015年、株式会社NCコンサルティングを設立。開業から約5年間で70社以上のクライアント企業のスタッフへ直接面談を実施。ヒアリングしたスタッフの総数は1,200名を超える職場の問題に精通した人事のプロ。「中小企業が元気になれば、日本が元気になる」を信条に、コンサルティング・研修・セミナー・講演を全国各地で行なっている。
序章 なぜ、どんな方法でも「職場の問題」は解決できないのか?
1章 働き方改革時代の「職場環境」を考える
2章 なぜ職場の風通しの悪さは“見えない”のか
3章 ステップ1 誰でもできる!職場の問題を「聞き出す」技術
4章 ステップ2 最大の難所!職場の問題を「共有する」技術
5章 ステップ3 今すぐできる!職場の問題を「改善する」技術
6章 リーダーシップがなくてもできる!上司の仕事を「改善する」技術
終章 すぐに会社を変えるのは難しい。まずは「職場単位」で始めよう!

要約ダイジェスト

職場改善のノウハウは的外れなものがほとんど

 日本の職場には、リーダーシップがある上司は非常に少ない。これは上司本人の問題というよりも、構造的な問題が大きい。だから、上司・管理職のスキルアップは、リーダーシップという「精神論」ではなく、「方法」で考えるべきだ。

 上司の仕事の中心となる職場改善を3ステップで解説すれば、①職場の問題の真因を把握するために、部下の本音を聞き出す。②部下に不利な影響が出ないように、聞き出した情報を社内で共有する。③部下の同意と会社の許可を得た上で具体的に職場を改善する、となる。

 この3ステップをきちんと繰り返し実践している上司は、部下に信頼され、強力なリーダーシップがなくても、部下と信頼関係を築くことができる。しかし、世にあふれている職場改善のノウハウは的外れなものがほとんどだ。

 例えば現在、人事の分野で流行しているものに人事評価のクラウドシステムや、モチベーション管理システムなどがある。だが普通に考えて、会社から「あなたはこの会社が好きですか」と質問されて、素直に「嫌いです」と回答する社員が何人いるだろうか。退職を予定している社員でもない限り、「会社が好き」と回答するに決まっている。

 また、離職率が高い企業では、「賃金」を理由とした退職が多い。もちろん本当に賃金を理由に退職する人も一定数いるだろうが、それ以上に賃金は退職理由として使い勝手が良い。本当は人間関係や職場の仕事の進め方に問題があっても、それを退職理由にするとカドが立つ。そこで、あえて言い出しやすい賃金を理由にしているのだ。

 このように公に発言すると干されるリスクがあるため、クラウドシステムを設置するだけでは、社内の重要な情報は共有できない。そこでもう一度注目していただきたいのが「報連相」だ。職場の問題を聞くことができる機会があるとすれば、上司と部下が「報連相」を通じて情報を共有する以外にないのだ。

職場の問題を聞き出す技術

 報連相のために部下との面談の機会を設けていても効果が出ていない場合、

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