『超速』
(ウィル・デクレールほか著)

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  • 著者プロフィール
  • 目次
 ここ数年、日本企業において仕事の生産性向上は主要なテーマとなっているが、なかなか成果があがらないと悩む声は多い。また在宅勤務やテレワークで、仕事とプライベートの切り替えが難しくなったという声も聞かれ、即効性のある生産性向上スキルが今ほど求められている時代はないだろう。

 そこで本書では、著者や著名 CEOらが実践する生産性向上のテクニックを紹介。生産性を「完了した仕事=費やした時間×集中の度合い×実行速度」と定義し、「整理」「集中」「加速」のカテゴリーで徹底的に解説する。具体的にはメールや会議の効率化、ツールによる自動化など、若手からマネジャー、幹部まで使える実践的なものばかりだ。

 著者3名はそれぞれ起業家、投資家、ユーザーエクスペリエンスの専門家で、生産性向上オタクとして様々なメソッドやアプローチを試してきた。さらに執筆にあたり 300名もの世界中の起業家や CEOに時間管理のアドバイスをもらい本書を完成させたという。長時間労働の是正や生産性向上を真剣に考える方はぜひご一読いただきたい。

著者:ウィル・ デクレール(Will Declair)
 衣料品ブランド「Loom」の共同創設者であり、人々と環境を尊重するテキスタイル業界を提唱している。以前、男性ゼネラリストのメディアアウトレットである「Merci Alfred」を共同設立した。この2つの職業について、彼が好むのは、少しあいまいな主題を選択して(非常に)長い記事を作成すること。

バオ・ディン(Bao Dinh)
 ベンチャーキャピタルへの投資家として、革新的な初期段階の企業に投資し、成長に向けて創設者をサポートしている。以前は、「Airbnb」が買収したホテル予約アプリ「HotelTonight」でヨーロッパ・中東・アフリカ地域の責任者を務めていた。世界中を旅したことがあり、情熱的な料理人である。ヒントを手に入れることを期待して、リアリティ料理番組の『トップシェフ』の出場者を自宅でのディナーに定期的に招待している。

ジェローム・デュモン(Jerome Dumont)
 ユーザー・エクスペリエンスの専門家。再生ハイテクデバイス専用のオンラインプラットフォーム「Back Market」の顧客のエクスペリエンスを向上させ、オブジェクトに第二の人生を与えている。以前には、フランスのモバイルアプリ開発代理店「One More Thing Studio」を共同設立した。23歳のとき、初めてバーニングマン・フェスティバルに参加し、世界中をバックパックで旅してきた。ジェロームは現在、年に一度の参加型フェスティバル「Opal」をフランスで開催し、余暇にはギターを弾き、バイクに乗り、パリ地下の散策を楽しんでいる。

翻訳:鹿田昌美(しかた・まさみ)
 翻訳家。国際基督教大学卒。訳書に『ダントツになりたいなら、「たったひとつの確実な技術」を教えよう』(飛鳥新社)、『朝時間が自分に革命をおこす 人生を変えるモーニングメソッド』(大和書房)、『ねむたい こいし~読むだけで眠たくなる絵本~』(かんき出版)、『子育ての経済学:愛情・お金・育児スタイル』(慶應義塾大学出版会)など多数。

第1章 整理 「超・生産的な人」の頭の中
第2章 集中 シャットアウトで「完全集中」する
第3章 加速 「FAST」でブーストする
結 論 「労働時間」を変えてしまおう

要約ダイジェスト

「一度立ち止まる」ほうが速く動ける

 人生は有限のリソースであり、無駄にするには短すぎる。生産性を高めることは、それ自体がゴールではなく、人生全体を豊かにするための手段だ。退屈でつまらない作業に費やす時間を最小限におさえることで、もっと人生を充実させることができるのだ。

 価値の低いタスクをできる限り回避する道を見つけて、自分が本当にやるべきことについての戦略を立てよう。基本的には、くり返しの退屈な作業にはまったときは、必ず「二度と同じことをしないですむために、やり方をどう調整すればいい?」と自問すべきだ。

 生産性を上げるために大切なのは、正しいマインドセット、「投資型のマインドセット」だ。つまり、長期的な結果を得るために短期的に努力をする意識である。最初のうち、あなたが受け取る利益は、取るに足らないものに思えるかもしれない。少しの工夫でスピードが1%速くなったとしても、40時間でわずか30分ほどの節約にしかならないからだ。

 しかし、週に一度、1%の時間を節約する変更を加え続けることができれば、1年後には、1週間かかる仕事がたった24時間でできる計算になる。小さな改善は最終的には大きな違いを生むのだ。

 超生産的になるためには、次のことが必要だ。①整理:作業を適切に行うために、上手に時間を割り当てる、②集中:作業に必要なだけの意識を向ける、③加速:作業をできる限り迅速かつ効率的にやり遂げる。以下3つのスキルを紹介したい。

整理

誠意を持って「NO」を言う

 生産性の定義は「多くのことを行うこと」ではない。優先順位を戦略的に選択して、目的に最も適した内容にだけ応じることだ。どんな職種であっても、依頼されたすべてに「はい」と答えていれば、1日が始まる前から予定がいっぱいになってしまう。

「イエスマン」になる理由の1つ目は、自分が目指すところが明確に定まっていないこと。自分の予定を自分でコントロールする権利を取り戻すためには、

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