- 本書の概要
- 著者プロフィール
とはいえ、中国のオンラインサービスの多くはネット検索では探しづらく、中国の銀行口座や電話番号を持っていないと利用できない。そこで本書では、中国で人気のアプリを SNSや EC、決済、エンタテインメント、資産管理、ビジネスなどのジャンルで 60個厳選し、機能、ビジネスモデル、資金調達、マーケティング施策などをわかりやすく解説。
著者は中国出身で 2010年に来日し、慶應義塾大学商学部に入学。卒業後リクルートホールディングスを経て、現在は、コンテンツ商社「JCCD.com」などを運営する華和結ホールディングス CEOを務める人物。ウェブサービスの企画や開発に携わる方、起業・事業アイデアを探している方などはぜひご一読いただきたい。
中国陝西省漢中市出身。2010年に来日し、慶應義塾大学商学部に入学。在学中にコンテンツ商社「JCCD.com」などを運営する華和結ホールディングスを設立。学業と起業を両立させる。大学卒業後、同社を経営しながらリクルートホールディングスに入社。「じゃらん」など数多くのメインブランドのCRM（顧客関係管理）、企画運営、中華圏企業との提携交渉、投資検討などの担当を経て、プロダクト統括本部・新規事業統括に配属される。
2021年にリクルートを退社。現在は、華和結ホールディングスCEOとして、「JCCD.com」の他、AI・人工知能プラットフォームの「AiBank.jp」、グローバルタイムシェアプラットフォーム「Time-X」など複数の事業を経営している。自身の会社でのアプリ開発も行っている。
Chapter2 生活
Chapter3 ショッピング・決済
Chapter4 シェアリング
Chapter5 エンタテインメント
Chapter6 自己啓発・健康・美容
Chapter7 金融・資産・保険
Chapter8 移動・旅行
Chapter9 ビジネス
要約ダイジェスト
微信（WeChat）
累計ユーザー数：非公開、MAU（Monthly Active User）数：12.1億、リリース年：2011
中国版の「LINE」とも言えるサービス。テキストや画像、動画だけでなく、音声やファイルも送信することができるうえ、FacebookのようなSNS機能も搭載されている。
また、キャッシュレス決済機能「WeChatペイ」をはじめ、ゲーム、ネットショッピング、株式の売買、光熱費の支払い、保険の手続き、病院の予約、交通反則金の支払いなど、さまざまなことができ、今や中国人の生活インフラとなっている。
多くのメッセンジャーアプリのなかで、WeChatがこれだけのシェアを獲得している理由の１つは、テンセントの「QQ」というメッセンジャーサービスのユーザーを引き継いでいることだ。QQは、1999年にリリースされた、コミュニケーションサービスの草分けで、QQと WeChatには互換性があり、急速にユーザー数を伸ばすことに成功した。
もう１つの理由は、「ミニプログラム」という機能だ。ミニプログラムとは、簡単にいうと「アプリ内にユーザーが好きな機能を追加できる」プログラムで、150万人以上の開発者が参加して 100万を超える数のミニプログラムがリリースされている。しかも、ミニプログラムの開発によって、WeChatはサードパーティーからリリース時の認証費や決済システム利用料を得ることができるようになり、収益力も向上した。
58同城（58.com）
累計ユーザー数：5.8億、MAU数：6489万、リリース年：2011
自分の住んでいる都市を設定するだけで、仕事探し、家探し、車や不動産の売買、家屋の修理、家事代行、結婚など、地域の暮らしに関するあらゆるサービスの検索、予約、利用、決済を１つのアプリで完結できる。
また、「求人情報」や「友人を探す」「お見合い」などのカテゴリに分かれたコミュニティ機能があり、ユーザー同士の交流の場になっている。このような、目的、地域によって分類された広告のことを、「クラシファイド広告」と呼ぶが、58同城はこの分野で中国最大手。2015年には同業を買収し、時価総額１兆円（当時）超の企業へと成長した。
家屋の修理や結婚など、利用頻度の少ないサービスを取り入れることは一見効率が悪いように思えるが、そのようなサービスを全て取り込むことで、58同城は売上を最大化、収益に結びつけている。500都市に及ぶ地域をカバーしており、
