『「脱炭素化」はとまらない!―未来を描くビジネスのヒント―』
(阪口幸雄ほか/著)

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  • 目次
 近年、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を削減する、「脱炭素化」の動きが世界的に加速している。日本でも政府や地方自治体に続き、企業レベルでも脱炭素化に向けた様々な取り組みが始まりつつある。こうした潮流は SDGs(持続可能な開発目標)とも合致し、一時的なブームで終わることはなさそうだ。

 そこで本書では、大学の研究者、日本の環境・エネルギー分野の専門家、シリコンバレー在住コンサルタントという異なるバックグラウンドを持つ3人が、「脱炭素化」を解説。歴史的経緯から海外の動向、日本の方針、国内外の企業の脱炭素化の取り組み事例、新たに生まれるビジネスチャンスなどをわかりやすく解説する。

 クリーンエネルギー研究所代表・阪口幸雄氏、東京大学教養学部附属教養教育高度化機構環境エネルギー科学特別部門客員准教授・松本真由美氏、環境経営支援事業などを手掛ける RAUL株式会社代表・江田健二氏による共著。「どこから取り組むべきかわからない」という方はもちろん、CSRや SDGsに興味関心がある方はぜひご一読いただきたい。

著者:阪口幸雄(Sakaguchi Yukio)
 岡山大学理学部物理学科卒業後、日立にて最先端の半導体の開発に携わる。台湾系半導体ベンチャー企業の上級副社長を経て、2002 年にシリコンバレーで起業。現在、クリーンエネルギー問題にフォーカスしたコンサルタント会社の代表を務める。シリコンバレーを中心に、エネルギー問題や新技術の研究を長期間行い、今後の動向や日本企業の取るべき方策についての明解なビジョンを持つ。専門分野は、エネルギー貯蔵、発送電分離、デマンドレスポンス、分散電源、太陽光発電、水素発電、電気自動車、等。日本の大手エネルギー企業、日本政府機関、大学のアドバイザーを多数務める。シリコンバレー在住30年。

松本真由美(Matsumoto Mayumi)
 熊本県生まれ。上智大学外国語学部卒業。東京大学教養学部附属教養教育高度化機構環境エネルギー科学特別部門客員准教授。専門は環境・エネルギー政策論、科学コミュニケーション。研究テーマは、「エネルギーと地域社会との共存」、「環境・エネルギー政策の国際比較」「企業の環境経営動向」等、環境とエネルギーの視点から持続可能な社会のあり方を追求する。大学在学中から、TV 朝日報道番組のキャスター、リポーター、ディレクターとして取材活動を行い、その後、NHK BS1でワールドニュースキャスターとして6年間報道番組を担当。2003年以降、環境NPO活動に携わる。2008年5月より研究員として東京大学での環境・エネルギー分野の人材育成プロジェクトに携わり、2014年4月より現職。総合資源エネルギー調査会「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」等、政府の審議会・委員会の委員も多数務める。現在は教養学部での学生への教育活動を行う一方、講演、シンポジウム、執筆など幅広く活動する。NPO 法人国際環境経済研究所(IEEI)理事、NPO 法人再生可能エネルギー協議会(JCRE)理事。

江田健二(Eda Kenji)
 1977年、富山県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。エネルギー/ 化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカーなどを担当。アクセンチュアで経験したITコンサルティング、エネルギー業界の知識を活かし、2005年に起業後、RAUL(ラウル)株式会社を設立。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人エコマート運営委員、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション委員会委員(2018-2019)等を務める。

第1章 世界の流れは「脱炭素化」へ
第2章 日本の「脱炭素化」への取り組み―目指す方向と企業、行政事例
第3章 「脱炭素化」ビジネス―カリフォルニアとハワイの場合
第4章 対談「脱炭素」で変わる社会、訪れる未来!

要約ダイジェスト

脱炭素のメリットとデメリット

 日本政府は 2019年6月11日、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を閣議決定した。この長期戦略の中で、政府は「脱炭素社会」を今世紀の後半のできるだけ早い時期に実現するというビジョンを掲げ、国際競争力の強化を図る計画だ。

 日本の大手企業を中心に構成されている日本経済団体連合会(経団連)も「脱炭素社会」に向けた構想を 2019年 12月に発表。環境省も施設で使う全電力を 2030年度までに太陽光発電などの再エネに切り替える方針を発表した。

 大手企業の動きや日本政府、地方自治体の最近の動向からも、脱炭素への対応は不可逆的なテーマになりつつある。このトレンドへの対応は、遅かれ早かれ企業の大小に関わらず、すべての会社に必須となるだろう。

 企業や組織が脱炭素に取り組む際、メリットとデメリットを整理するのキーワードは、「ステークホルダー(利害関係者)」だ。ステークホルダーは、顧客や従業員、ビジネスパートナー、投資家・株主、自社の取り組みによって影響を受ける地域、NGO、メディアなども含まれ、各ステークホルダーからの「脱炭素」への関心が高まっているのだ。

「脱炭素」への取り組みを進めることで、企業を取り巻く8タイプのステークホルダー全てから様々なメリットを得ることができる。具体的には以下のようなメリットであり、

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