- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書で紹介される 11社のうちには インポッシブル・フーズ、ロビンフッドなど、これから日本でも注目を集めていくであろう企業の貴重な情報も多い。またそこから導き出される「新たなコングロマリット化」「ハード・ソフトではなくサービス、体験が基点になる」「データを制するものが未来を制す」というトレンドも納得度が高いはずだ。
著者は、シリコンバレーと東京に拠点を置くベンチャーキャピタル DNX Ventures インダストリーパートナーで、ハーバード大学客員研究員、京都大学大学院総合生存学館特任准教授も務める人物。スタートアップ企業に携わる方だけでなく、現在大企業に勤める方もぜひご一読いただきたい。精度の高い予測から今やるべきことが見えてくるはずだ。
1981年、大阪府生まれ。東京大学で修士号取得後、米ニューヨークの金融機関に就職。ハーバード大学大学院で理学修士号を取得。修士課程修了後グーグルに入社し、フィンテックや人工知能(AI)ほかで日本企業のデジタル活用を推進。日米のリーダー間にネットワークを構築するプログラム「US-Japan Leadership program」フェローなどを経て、2018年よりDNX Ventures インダストリーパートナー。自身がベンチャーキャピタリストでありながら、シリコンバレーのベンチャーキャピタルへのアドバイスなども行う。ハーバード大学客員研究員、京都大学大学院総合生存学館特任准教授も務める。著書に『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』(講談社)、『シリコンバレーのVC=ベンチャーキャピタリストは何を見ているのか』(東洋経済新報社)がある。
第1部 2025年はどうなっているか?
第1章 世界最先端11社の思惑と3つのメガトレンド
第2章 メガトレンド1 業種の壁崩壊とコングロマリット化の再来
第3章 メガトレンド2 ハードでもソフトでもなく“体験”が軸になる
第4章 メガトレンド3 データを制するものが未来を制す
第2部 2025年を生き抜く処方箋
第1章 5年後に破壊される企業、台頭する企業
第2章 5年後、あなたの仕事はこう変わる
おわりに
要約ダイジェスト
GAFAだけ見ているのは日本だけ
シリコンバレーでは、GAFAに続くベンチャーが、今この瞬間も、次々と生まれ続けている。当然、GAFAはそのことを知っているから、自分たちを脅かす可能性のあるベンチャーは、できるだけ小さいうちに買収するなどしている。
そうして取り入れた新しいテクノロジーで、新たなビジネスを展開、さらに巨大化していく。つまりGAFAと界隈のベンチャーの動きを見ていれば、これからのトレンド、未来の世界の動きを知ることができるのだ。
大切なのはいかにこの先もスケールし続けるか。VC的な観点で表現すれば、時価総額が10倍、20倍のヒットではなく、50倍を超えるようなホームランクラスの成長だ。本書で紹介する以下の11社は、まさにホームラン級の成長をしてきた企業だ。
11社とは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、ネットフリックス(動画サービス)、マイクロソフト、テスラ(電気自動車)、インポッシブル・フーズ(代替肉製造)、ロビンフッド(ネット系証券会社)、クラウドストライク(クラウド型セキュリティ)、ショッピファイ(ECサイト開発・運営)である。
11社は、ショッピファイ以外すべてアメリカ企業で、ショッピファイも実質的にはアメリカをマーケットとしているため、2025年を制覇する破壊的企業は、ほぼすべてアメリカ系企業と言える。
中国にも GAFAと同じような企業があり、バイドゥ(B)、アリババ(A)、テンセント(T)、ファーウェイ(H)の4社で、BATH(バス)と呼ばれている。だが、BATHが海外のマーケットでGAFAを追い越すことは難しい。BATHはテクノロジー・ビジネス両方において、GAFAのコピーをしていることが多く、かつ、米中関係が緊張していることで BATHの海外ビジネスは厳しくなるためだ。
もし優位性があるとすれば、規制やプライバシーは中国では問題にならないことが多いので、