『パラダイムシフト―新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 コロナショックは、人々の考え方や価値観をも変化させつつある。例えば、多くの企業で在宅勤務が浸透し、オンラインでのコミュニケーションに違和感を持つ人は少なくなった。「当たり前ととらえられていた認識や思想、社会的価値観が劇的に変化する」ことを「パラダイムシフト」というが、まさにその予兆が起こっているのだ。

 本書は、「コロナ後の世界がどう変わるか?」を予測した本ではない。パラダイムシフトの意味と、社会に生きる一人ひとりが自分のパラダイムを理解し、変化に関する本質的な「問い」を考えるためのものだ。一読すれば著者の解説と経営者や投資家、教育関係者など、各分野の専門家へのインタビューにより、幅広い視点を獲得できるだろう。

 著者はグーグルでアジアパシフィックにおける人材育成と組織改革、リーダーシップ開発などの分野で活躍し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立するなど連続起業家として活躍する人物。不可逆に変化した社会での生き方を改めて問い直したい方、リーダーとしてのあり方を考えたい方はぜひご一読いただきたい。

著者:ピョートル・フェリクス・グジバチ(Piotr Feliks Grzywacz)
 プロノイア・グループ株式会社代表取締役、株式会社TimeLeap取締役。連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者。ポーランド出身。モルガン・スタンレーを経て、グーグルでアジアパシフィックにおける人材育成と組織改革、リーダーシップ開発などの分野で活躍。2015年に独立し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立。2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。ベストセラー『ニューエリート』(大和書房)ほか、『0秒リーダーシップ』(すばる舎)、『PLAY WORK』(PHP研究所)など著書多数。
序章 行き詰まった資本主義社会
1章 なぜパラダイムシフトが不可避なのか
2章 バイアスはパラダイムをつくり、パラダイムはバイアスをつくる
3章 「働く」の意味を問い直す
4章 人生は「学び」の連続
5章 「暮らし方」「つながり方」が変わる
6章 自己実現を妨げる本当の原因

要約ダイジェスト

パラダイムシフトのチャンスが来た

 パラダイムシフトとは「当たり前のことと考えられていた認識や思想、社会的価値観が劇的に変化すること」を言う。2020年、新型コロナウイルスの世界的大流行によって、たくさんの「当たり前」が当たり前ではなくなったが、通勤ラッシュや飲み会がなくなったという表面的な変化を、パラダイムシフトとは呼ばない。

 気づくべきなのは、なぜこのような変化が起こっているのか、その本質的な意味を見逃しているという事実だ。パンデミックの発生後、グローバルサプライチェーンが分断され、さまざまなモノの生産や物流が滞り、これまで当たり前に手に入ったものが手に入りにくくなった。

 そこで初めて、遠い国で起こっている問題が、他人事ではないと気づいた人は多いだろう。「世界の問題」は、「自分の問題」なのだ。これがパラダイムにおける本質的な問題であり、パンデミックという表層的な問題だけを見るのではなく、一体どのような構造とシステムとバランスによって世界が動いているのかを察知し、行動することが求められる。

 これから僕たちはどういう未来を選ぶのか。今こそ真剣に考えるときだ。一人ひとりが世界の問題に向き合い、本質的な「問い」を探求するためには、次の4つのステップが重要だ。

①自分と自分の状況を認識すること
 常日頃から自分は何が好きで何が嫌いか、どんな瞬間に心地よいと感じ、どんな状況に不安や居心地の悪さを感じるのか。そういったことを意識して自覚する習慣をつくる。次に、自分が及ぼしている影響について考える。自分が認識している自身の役割と、社会から求められる期待、そして自分自身が得たいことのバランスがとれて初めて、人は生きる意味と幸福感を得ることができるのだ。

②世界の状況を認識すること
 世界の状況を俯瞰するときには重要な視点がある。どんな時代の経済においても、常に変化は繰り返されるが、そこにはパターン、トレンド、サイクルという3つの変化要素があるのだ。

 パターンはビジネスモデルとも言い換えられ、トレンドとは今多くの人が興味を持っている対象、サイクルとは前時代のものを完全に否定することなく、

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