- 本書の概要
- 著者プロフィール
なぜなら、そもそも部下のやる気ややりがいは、脳科学的には何かをする「前」ではなく、やった「後」に発生するものだからだ。そこで本書では、ゴールに直結する細分化したタスクをさくさくとこなしていく働き方(サクタス)を提唱し、サクタスなチームづくりに必要なマネジメント手法、コミュニケーション手法などを解説する。
著者は、企業の目標を「絶対達成」させるコンサルタントとして、これまで 200社以上を支援してきた人物。人中心ではなく、タスク中心で考えるというマネジメント手法に抵抗を感じる方もいるかもしれないが、一読すればその意義や効果を実感できるはずだ。マネジャー層はもちろん、個人の生産性を向上させたい方にはぜひご一読いただきたい。
アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。「日経ビジネス」「東洋経済」「PRESIDENT」など、各種ビジネス誌への寄稿、多数のメディアでの取材経験がある。メルマガ「草創花伝」は4万人超の企業経営者、管理者が購読する。
著書は『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの他、『「空気」で人を動かす』『自分を強くする』等多数。著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。
第二章 あなたのチームは、「サクサク」?「グズグズ」?
第三章 まずはリーダーが「サクタス」をやってみる!
第四章 生産性が上がる話し方のコツ―「サクバナ」
第五章 サクタスチームのつくり方
第六章 チームを変えるにはルールを徹底させる
第七章 なぜ今の時代、「サクタス」なのか?
要約ダイジェスト
部下の「やる気」が湧き出る驚きのマネジメント手法「サクタス」
あなたの部下はイキイキと働き、仕事にやりがいを感じているだろうか。何事も主体的に動く部下もいれば、指示待ちの部下、自己主張ばかりする部下もいるかもしれない。だから私はあなたにアドバイスしたい。もう、部下に目を向けるのはやめよう、と。
では、何に目を向けるのか。それは、「タスク」である。まずは組織の目的を果たすためのタスクを正しく追いかける。こうすることであなたのチームが、さくさくタスクを片付ける(サクタス)チームに変わり、結果として部下たちの心は軽やかになっていく。
「タスク」をシェアし、さくさく処理するチームを、私は「サクタスチーム」と名付けた。「タスク」中心のチームをつくり、さくさくタスクを処理する毎日を送っていく。そうすれば、リーダーの悩みは減り、メンバーもやりがいをもって仕事ができ、チームで圧倒的な生産性を実現することができるのだ。
以前は、「この仕事はもう少しあとでもいい」「本当に自分がやる必要があるのだろうか」とグズグズ言っていたメンバーが、サクタスチームに入ったとたん、スピーディにタスクを片付けはじめた──こんなエピソードは枚挙にいとまがない。
サクタスチームにおいてのタスクは、メンバーではなくゴールに合わせる。「ゴールダウン」されたタスクをメンバーが正しく処理することで、チームが健全な状態を保つことができるのだ。
例えば、「テレワークを導入して組織の生産性をアップさせる」というゴールを考えてみよう。このゴールを「通信・労働環境」「セキュリティ」「マネジメント」「人事評価」といった、比較的大きなプロジェクトに仕分け、さらに「セキュリティ」というプロジェクトを、「ガイドラインの策定」「マニュアルの整備」「物理的なセキュリティ対策」「技術的なセキュリティ対策」といった、細かいプロジェクトに分解したとする。
すると、「マニュアルの整備」という小さなプロジェクトを、いつ、誰が、どのように実行するのかというタスクを書きだしやすくなる。そうなれば、メンバーが出張していても、在宅勤務をしていても、