『【決定版】2000社の赤字会社を黒字にした 社長のノート final』
(長谷川 和廣/著)

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  • 目次
 現在、新型コロナウィルスの影響で、売上減少や資金繰りに悩む企業は増え続けている。そうした危機からの復活を目指すにあたり、特別なノウハウや特効薬的な施策に注目が集まりがちだが、長く企業再生のプロとして活躍する著者によれば、むしろ危機に瀕した時ほど、基本に立ち返ることが重要だと説く。

 その経営の基本とは、「利益」を創出することだ。本書では経営危機下における利益創出、つまり売上アップとコストダウンの手法と心構えを、戦略実行や、マーケティング、組織改革などの事例も織り交ぜながら、約 50編にわたり解説する。数々の修羅場を経験した著者のアドバイスは、厳しいながらもシンプルで本質的だ。
 
 著者はケロッグ・ジャパンやバイエル・ジャパンなど7社のグローバル企業で要職を務め、約 50年間に 2000社を超える企業の再生事業に参画し、赤字会社の大半を立て直してきた人物。本書は経営における気づきをメモした 300冊に及ぶノートをもとに出版された『社長のノート』シリーズ最新刊。

著者:長谷川 和廣(Hasegawa Kazuhiro)
 1939年千葉県生まれ。中央大学経済学部を卒業後、グローバル企業である十條キンバリー、ゼネラルフーズ、ジョンソンなどで、マーケティング、プロダクトマネジメントを担当。その後、ケロッグジャパン、バイエルジャパンなどで要職を歴任。ケロッグ時代は「玄米フレーク」、ジョンソン時代には消臭剤「シャット」などのヒット商品を送り出す。
 2000年、株式会社ニコン・エシロールの代表取締役に就任。50億円もの赤字を抱えていた同社を1年目で営業利益を黒字化。2年目に経常利益の黒字化と配当を実現、3年目で無借金経営に導く。これまでに2000社を超える企業の再生事業に参画し、赤字会社の大半を立て直す。現在は会社力研究所代表として、会社再建などを中心に国内外企業の経営相談やセミナーなどを精力的にこなしている。
 27歳のときから、経営環境や社会の動向、有益な仕事術、組織運営、生き残り術、部下やクライアントからの相談事とそれに対するアドバイスなどのエッセンスを「おやっとノート」として書き留め始める。この習慣は81歳の現在も続いており、その数は300冊に達する。これをもとにして出版された『社長のノート』シリーズは累計35万部を超えるベストセラーとなった。
第1章 危機を生き抜く社長の覚悟
第2章 長生きする会社と、しない会社の違い
第3章 3カ月で黒字化を目指す。社長は数字の鬼になれ!
第4章 商品と売り方を改革せよ! 企画力とマーケティング力強化のマネジメント
第5章 一枚岩で再建を目指す! 社員のモチベーション操縦術
第6章 「孫氏の兵法」を実践する 自社の強みと弱みを見つけるフレームワーク
付 録 先人に学ぶ仕事の 27訓

要約ダイジェスト

社長は赤字を恐れる姿勢を持て!

 今、ビジネスに携わる人たちに課せられた課題は2つだ。1つは、コロナ禍をいかに生き残るか。そして、もう1つは、コロナ禍の先をどう生き抜くかである。事業を続けていくための源泉は「利益」であり、たとえ、どのような困難に直面しようと、ビジネスに携わる人は、利益を出し続ける姿勢を崩してはいけない。

 もちろん大きな設備投資が必要になったときや、新規ビジネスなどで、決算が赤字になる場合がある。しかし、こうしたときにも、「異常事態だから、すぐに黒字にならなくてもいい」といった意識を経営陣や社員たちが持っている会社は非常に危険だ。

 プロは、たとえ必要な赤字であっても、「赤字」という言葉に対して、敏感で、慎重だ。なぜなら彼らは、赤字の恐ろしさ、そして赤字は「悪」であることを知っているからだ。

「今月は売上目標に達しなかったが、コロナ禍で他社も不調だし、まあいいか」「新製品の販促は最重要だから、少々予算をオーバーしても仕方がない」などと数字のチェックが甘くなってきたら要注意だ。これは、利益獲得への執着心が弱くなっている証拠である。

 さらに、経営陣が不採算部門を放置するなど、収益や財務に対する会社の管理能力が落ちてきたら、もう立派な「赤字体質」だ。さらに悪化すると、不採算部門は増え、社員の士気も下がり、あとは「破綻するしかない」という状態に陥る。そうならないためにも、経営陣も社員も「赤字を恐れる姿勢」を持つことが大切なのだ。

長生き企業は、けっして「拡大」を意識しない

 事業を続けていけば、今後も間違いなくコロナ禍のような経営環境の変化が社内外に起こる。だが降りかかる危機を何度も脱し、長く生き続ける企業もある。私が過去 50年で出合った 500社以上の長生き企業には、共通点があった。それは、経営者や社員が、「いかに拡大するか」ではなく「いかに生き続けるか」と考えていたことだ。

 企業存続の選択肢は3つしかない。「事業を続けるか。やめるか。売るか」である。もし、会社を続けたいのなら市場で勝つ以外、ほかの道はない。そのことを熟知している長生き企業は、短期・中期・長期にわたって市場での地位を確立し、利益を出し続けることにフォーカスしてビジネスを続けている。

 会社が赤字に陥ったのなら、早急に黒字化をする。後ろ指をさされることさえしなければ、どんな手段を使っても黒字化する。好業績でもけっして浮かれず、

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