- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書では、こうした不安の正体が実は「選択肢」の少なさによるものであることを明らかにし、その正しい対策としての資産形成の方法を伝授する。具体的には「不安の正体」「貯め方」「使い方」「家族のお金」「住まい選び」「増やし方」「稼ぎ方」「お金から自由になる」のパートに分け、対話形式でお金との上手な付き合い方を解説する。
著者は経済誌記者、投資ファンド運用会社を経て独立。経済評論家としての本業の傍ら 20年以上株式投資を続け、数億円の資産を持つ個人投資家、お金に関するベストセラー作家としても活躍する人物。これから資産形成を考えようとしている方はもちろん、すでに投資や副業などを始めている方にも、基本を押さえるために有益な一冊だ。
経済評論家。仙台市生まれ。1993年東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務などを担当したのち独立。数多くの媒体で連載をもつほか、テレビやラジオなどでコメンテーターや解説者を務める。本業の傍ら、20年以上にわたってコツコツと株式投資を続け、現在の資産規模は数億円になっている。お金持ちの実像を解き明かした書籍『お金持ちの教科書』はベストセラーとなり、「教科書」と名の付く書籍ブームの火付け役となった。
第1講 私たちが抱える「不安の正体」編
第2講 「貯め方」編
第3講 「お金の使い方」編
第4講 「家族のお金」編
第5講 「住まい選び」編
第6講 「増やし方」編
第7講 「稼ぎ方」編
第8講 「お金から自由になる」編
エピローグ
要約ダイジェスト
私たちが抱える「不安の正体」
コロナ禍が収まらないこともあって、世の中は不安だらけだ。その不安をお金でなんとかできるのではないかと考える人が多いが、実は、お金があれば不安がすべて解消する、というのは幻想にすぎない。
もちろん、生活するうえで最低限のお金は必要だ。だが、「世の中は不安だらけ」という気持ちの根底にあるのは、実はお金そのものより「選択肢がない」ことなのだ。ここでいう選択肢とは、例えば「今の会社に勤めるしか生きるすべがない」といったことである。
もし「いざとなれば転職すればいい」とか、「スモールビジネスを立ち上げれば、自分の食い扶持ぐらいはなんとかなる」と思えれば、ずいぶんと気持ちがラクになるはずだ。
要するに、今置かれている状況から自分の意思で動けないと、不安な気持ちになってしまうのだ。その解決方法は一つだけだ。常に複数の選択肢を確保して、いつでも自分の意思で動けるようにしておくことである。
そうやって、人生のシナリオを考えようとする場合、少しまとまったお金があると選択の幅がぐっと広がる。お金自体が不安を解消してくれるのではなく、第一歩を踏み出すためのきっかけになるのがお金なのだ。
お金のことを長期的な視野で考える場合、「フロー」と「ストック」という2つの面から見る必要がある。フローとは、流れて入ってくるお金、つまり会社員であれば給料のことで、逆に、使って手元からなくなってしまう金額も併せてフローと考える。
この時、もし支出が収入の範囲内に収まっていれば、余剰が生まれる。その余剰を積み上げていったものがストックだ。このフローとストックの関係は、企業でいえば、PL(損益計算書)と、BS(貸借対照表)との関係のようなもので、