- 本書の概要
- 著者プロフィール
そこで本書では、上記の属性の違いや勤務形態をカテゴリー分けし、各カテゴリー別に組織としてどう対応すべきか、経営とマネジメント層が具体的に行うべきダイバーシティ・マネジメントについて解説。特にテレワークについても一章を割き、成果やイノベーションにつなげるための考え方と手法を詳述している。
著者は、人材育成コンサルティングに 35年以上に携わり、株式会社キャリアネットワーク代表、リーダーシップ・コンサルティング株式会社代表を務める人物。ダイバーシティは近年のグローバルな目標である SDGs(持続可能な開発目標)の前提条件でもある。これからの経営を考える組織リーダーはぜひご一読いただきたい。
株式会社キャリアネットワーク代表取締役社長、リーダーシップ・コンサルティング株式会社代表取締役。人材育成・組織行動調査のコンサルタント。組織学会会員、日本労務学会会員。教育研修会社で営業職を経験した後、リーダーシップ開発を中心としたコンサルティング会社を立ち上げ、2012 年に株式会社キャリアネットワーク代表取締役社長に就任。「人材アセスメント」など各種調査と、その結果に基づく教育研修、人材育成コンサルティングに 35 年以上従事している。ダイバーシティ・マネジメントやキャリアデザイン、次世代リーダー育成や管理者研修など多数の講師実績をもつ。
Ⅰ章 ダイバーシティ・マネジメントの今─ver.1からver.2へ
Ⅱ章 属性の違いを活かすマネジメント─ジェンダー、ジェネレーション
Ⅲ章 2%のマイノリティを活かすマネジメント─外国人、障害者
Ⅳ章 多様な生活様式を活かすマネジメント─育児、介護、傷病治療、学習との両立
Ⅴ章 時空間を超えるマネジメント─テレワーク
Ⅵ章 成果を創出するマネジメント
Ⅶ章 ダイバーシティからイノベーションへ
エピローグ 多様性こそが“持続可能”な経営を創る
要約ダイジェスト
働き方の変化によって加速化する、ダイバーシティ・マネジメント
日本では“ひとつの場所に集まって働く”ことが、経済活動の大前提だった。「集中・集約化」がまちづくりや経済活動の拠点づくりの基本となり、首都東京は政治・経済の中心地として一極集中の地となっていた。
ところが、この「集中・集約化」が重大なリスクになり得るという事実を露呈させる出来事がこの 20年の間に起こった。それが「9.11」「3.11」、そして今、私たちが直面している「新型コロナ」だ。
では「単一化」「集約」のリスクに対し、社会がどのように発展すれば克服できるのか?「集約」のリスクに対してできることは「分散」、「単一化」のリスクに対抗できるのは「多様化」だ。「多様性」と「分散化」、つまりダイバーシティという概念が今後の経営の重要なキーワードとなる。
コロナ禍では、3密(密閉・密集・密接)を避けるために、多くの企業がテレワークを導入・実施した。社員が1箇所に集中するようなこれまでのオフィスワークの企業では、マネジメントは一括管理で済んだが、テレワークになれば、そうはいかない。
一括管理型のマネジメントは、できる限り会社が求めるような人材だけを採用し、効率的に働いてもらうためにあった。だが、ひとつのパターンにしか対応できないマネジメントでは、