『ニューノーマル時代のビジネス革命』(日経クロストレンド、藤元健太郎/著)

  • 本書の概要
  • 著者プロフィール
  • 目次
 新型コロナウィルスの影響によって、働き方を含め社会生活が大きく変化した。今後、誰もがマスクを外し、三密を気にしない生活になったとしても、おそらく以前と全く同じ状況には戻らない。こうした不可逆な変化こそが「ニューノーマル」であり、本書では現在進行形のニューノーマル時代におけるビジネスコンセプトと事業機会を明らかにする。

 本書で提示されるニューノーマル時代のキーワードは、「トレーサビリティー」「フレキシビリティー」「ミックスドリアリティー」「ダイバーシティー」の4つだ。ピンチをチャンスに変え、企業の戦略はもちろん個人の生き方の指針ともなるこれらのキーワードが、豊富な事例を交えて詳しく解説されている。

 著者 藤本健太郎氏は、コンサルティング会社 D4DRの代表を務め、経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員、情報サービス・ソフトウェア産業小委員会委員などを歴任する人物。「日経クロストレンド」は「新事業を創る人のデジタル戦略メディア」を編集コンセプトとして創刊された会員制有料オンラインメディア。

著者:日経クロストレンド
「新事業を創る人のデジタル戦略メディア」を編集コンセプトとして2018年4月に創刊した会員制有料オンラインメディア。テクノロジーがビジネス環境をどう変えるのか、そして、その先の消費トレンドはどう変わるのか、「デジタルで変わる企業と消費者の関係」を徹底的に取材し、マーケティング戦略立案の指針になる事例、新しいモノ作りでのデータ活用法、ビジネスパーソンが知っておくべき消費トレンド情報を提供している。

藤元健太郎(Fujimoto Kentaro)
 D4DR 代表取締役社長/FPRC主席研究員。野村総合研究所在職中の1994年からインターネットビジネスのコンサルティングをスタート。日本発のeビジネス共同実験サイトサイバービジネスパークを立ち上げる。2002年よりコンサルティング会社D4DRの代表に就任。広くITによるイノベーション、事業戦略再構築、マーケティング戦略などの分野で調査研究、コンサルティングを展開している。経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員、情報サービス・ソフトウェア産業小委員会委員、青山学院大学大学院国際マネジメント研究学科ExectiveMBA非常勤講師などを歴任。

はじめに
Chapter1 ニューノーマルで何が変わるか
Chapter2 トレーサビリティー
Chapter3 フレキシビリティー
Chapter4 ミックスドリアリティー
Chapter5 ダイバーシティー
あとがき

要約ダイジェスト

ニューノーマル時代の4つのキーワード

 新型コロナウイルスの感染拡大は、まだ世界的に収まる気配を見せていないが、人類は過去何度もパンデミックで膨大な人の死を経験してきた。我々が現在当たり前と感じている日常は、「たまたま幸運な状況が長く続いただけ」と考えるべきであり、明日からの日常は「これまでの日常とは異なる新しい日常=ニューノーマル」である。

 ニューノーマルは、決してすべてが新しいわけではない。工業化社会の矛盾や制度疲労が破壊される現象により、価値観の面で人間の本質を問い直すような、中世への回帰が起こる部分と、テクノロジーにより、非連続な変化が以前から予測されていた事象が一気に加速する部分とが、複合して進行するのが「ニューノーマル」であると捉えるべきだ。

 そうしたニューノーマルにおけるビジネスコンセプトと事業機会を、本書では①Traceability(トレーサビリティー)、②Flexibility(フレキシビリティー)、③Mixed Reality(ミックスドリアリティー)、④Diversity(ダイバーシティー)の4つのキーワードで整理する。

トレーサビリティー(追跡可能性)

 新型コロナウイルスは、世界で初めてパンデミック対応に本格的に ICTが活用された事例となった。最も注目されたのは、スマホを活用した感染者追跡アプリだ。普段は激しいシェア争いをしている米グーグルとアップルが今回は協力し、スマホからデータを取得するための共通規格を定めて各国政府のアプリ開発を支援した。

 すべての国民の行動を管理する方向で考えることも、パンデミック状況下では議論するべき考え方だろう。しかし、自由社会で生きている我々にとっての現実解としては、個人の行動の自由や匿名性も確保したうえで、情報銀行などで ID化された個人の行動を保管しておき、リスクの大きさに応じて後からトレースする仕組みなどが求められる。

 今後は、キャッシュレス化や顧客の行動を捕捉するアマゾン・ゴー型のレジ無し店舗の普及による購買行動、身体に装着された様々なデバイスから取得されるバイタルデータなどもデータとして加わってくるはずだ。また、行動データがデジタル化されれば、業務をモニタリングし、自動化可能なものは自動化するなどの分析も可能になる。

 個人の行動に加えて、モノのトレーサビリティーも、

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