- 本書の概要
- 著者プロフィール
本書においては、在宅勤務が切り開く可能性(個人にとっても法人にとっても)から、具体的にリモートワークを実践するためのコツやツール、そしてありがちな誤解への回答などが余すところなく紹介されている。メリットを語るだけでなく、在宅勤務者が陥りやすい孤独感や、会社での発言力の希薄化、運動不足など、現実的な問題もきっちり描かれているところが特徴となっている。
実際に在宅勤務を含む新しい働き方や経営手法を実践しながら、数百万人のユーザーに愛されるプロダクトを産んできた起業家だからこそ説得力のある内容となっている。スタートアップに携わる方や、フリーランス、ノマドワークの観点からだけでなく、大企業における「働き方」やダイバーシティを考えるうえでも大いに参考になる一冊である。
世界が注目するソフトウェア開発会社「37シグナルズ」の創業者兼CEO。同社はオープンソースのウェブ開発フレームワーク「Ruby on Rails」の開発元として有名であり、プロジェクト管理ツール「ベースキャンプ」は世界中で数百万人のユーザーに愛用されている
著者:デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン(David Heinemeier Hansson)
Ruby on Railsの作者で、37シグナルズ共同経営者。Ruby on Railsは世界数十万のプログラマに愛用され、クックパッドやツイッターなど有名サイトの開発にも使われている。講演者としても活躍しているほか、レーシングドライバーの顔も持つ多才人。現在は妻と息子と一緒に、シカゴ、ロサンゼルス、スペインを転々として暮らしている。
リモートワークの時代がやってきた
リモートワークの誤解を解く
リモートのコラボレーション術
リモートワークの落とし穴
リモート時代の人材採用
リモート時代のマネジメント
リモートワーカーの仕事スタイル
要約ダイジェスト
リモートワークの時代
なぜ会社にいると仕事ができないのか
世の中ではいま、数千という会社で働く数百万人の人びとが、オフィスから離れて働いている。リモートワーク、一般に在宅勤務とも呼ばれるものだ。小さな会社から有名な大企業まで、あらゆる業界のさまざまな会社がリモートワークに進出してきているが、まだ多数派というにはほど遠い。
技術はすでにそろっている。世界中の人といつでも簡単にコミュニケーションがとれて、一緒に作業を進められるツールがいくらでもある。それなのに、技術を使う側の人間は、いまだに昔ながらの働き方に縛られている。アップデートが必要なのは、オフィスに集まって働くという固定概念である。
本当に集中して仕事がしたいとき、あなたはどこへ行くだろう?「会社」と答える人は、ほとんどいないはずだ。仮に「会社」だとしても、何らかの条件つきのことが多い。早起きして誰もいないうちに出社する、あるいは「週末誰もいない会社に忍び込む」など、要するに、会社にいたら仕事ができないということだ。
本当に仕事がしたい人にとって、昼間の会社ほど最悪な場所はない。なぜなら会社は