- 本書の概要
- 著者プロフィール
そんな状況を打破するためには、「自己を発見」し、「経験の仕方を変える」ことが有効だ。本書ではこれを「行動瞑想」と名付け、現代生活の中での具体的な行動に落とし込んで解説する。これは過去の名高い様々な偉人、哲学者、思想家、宗教家たちの叡智のエッセンスといえるもので、特別な道具や技術も必要としない実践的な方法だ。
著者はベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学び、哲学と宗教に関する解説書の明快さには定評がある人物。本書では「窮屈な毎日から自由になるヒント」という副題の通り、生きづらさを感じる理由から解決方法まで詳説。社会に息苦しさを感じている方はもちろん、マインドフルネスや瞑想、東洋哲学、西洋哲学を学びたい方にも役立つ一冊だ。
1954年、青森県生まれ。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説、論評の明快さには定評がある。著書にミリオンセラーとなった『超訳 ニーチェの言葉』(ディスカバー・トゥエンティワン)のほか、『「考える力」トレーニング』『この一冊で「聖書」がわかる!』(三笠書房《知的生きかた文庫》)など多数。
2 この世の9割は「思い込み」でできている!?
3 「今、この瞬間の世界」に“素手で”触れる
4 わたしたちが求めている「救い」は「悟り」で解決できる!?
5 「行動瞑想」で自分の世界を新しくしてみよう
要約ダイジェスト
行動瞑想とは何か
わたしたちの誰もが人生の日々を明るく穏やかなものにし、自分なりの喜びに変えていくことができる。そこにいたる方法の第一は、自己の発見だ。多くの人は世間の人々のふるまいばかりを見て、自分の身心についてはまったく無知のままでいる。
本当の自分自身を発見できれば、自己の能力がはっきりとわかる。そして、自分の本来の能力を誰にも邪魔されずに使うことによってのみ、初めて本物の喜びが体験できる。これこそが生きる喜びそのもの、古い言い方で「幸福」のことなのだ。
その方法を本書では、「行動瞑想」と名づけた。この名称には、「瞑想の際に体験した新しい世界観を軸にした新しい生き方」という意味と、「現実に行動しつつ瞑想状態をいくばくか残している生き方」という2つの意味がある。
本書ではまず、本当の自己を発見するための考え方を紹介する。それから、この世界での“経験の仕方”を変える方法を示す。“経験の仕方”を新しくするやいなや、自分にとって世界が一変するからだ。
これらの方法は私が発明したものではなく、紀元前からずっと今まで世界の名高い人たちが実践してきたものだ。何の苦労も特別な技術も必要せず、ただ理解し、できる範囲で真似すれば、新しい自分を生きることができるようになる。
いちいち「反応してしまう心」を捨てる
私たちは、背の高さや体重の違いで他人と衝突しない。ところが、考え方のささいな違い一つで相手と鋭く衝突する。一方、表現が違っていても考え方がだいたい同じだと、