- 本書の概要
- 著者プロフィール
具体的には、「戦略か実行か」「論理か感性か」という2軸から、「軍師型」「ビジョナリー」「堅実派」「率先垂範型」というリーダーシップの4類型と戦い方を導き出す。リーダーが自身の強みを理解したうえで、得意技を活かした戦い方をしないと、ビジネスにおいて高い成果は得られないのだ。
本書ではさらに、戦い方の幅を広げる方法、今後求められるリーダーの条件などを、企業や経営者の事例を踏まえながら解説。著者は、元ボストン・コンサルティンググループ日本代表で、現在早稲田大学ビジネススクール教授を務める内田和成氏。自分ならではのリーダーシップ確立を願う経営幹部やマネジャー層はぜひご一読いただきたい。
早稲田大学ビジネススクール教授。東京大学工学部卒業。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表、2009年12月までシニア・アドバイザーを務める。2006年には「世界の有力コンサルタント25人」(米コンサルティング・マガジン)に選出された。2006年より現職。ビジネススクールで競争戦略論やリーダーシップ論を教えるほか、エグゼクティブ・プログラムでの講義や企業のリーダーシップ・トレーニングも行う。著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』(いずれも東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版)、『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』(編著、日本経済新聞出版)などがある。
第2章 できることと、できないことを区別する
第3章 得意技を知る――最も得意な戦い方はどれか?
第4章 ジレンマを乗り越える
第5章 答えのない時代だからこそ求められるもの
要約ダイジェスト
リーダーシップに正解はない
事業の成長のステージは「創造ステージ」「成長ステージ」「優位性ステージ」「効率ステージ」の4つにわけられる。「創造ステージ」は、アイデアが生まれ、事業として確立していく段階だ。ここでは、いかにビジネスを組み立てるか(事業化)がカギとなる。
そして、確立した事業をより大きく発展させていく「成長ステージ」では、事業規模の拡大に応じて組織構造や社内の仕組みを進化させ、事業を成長軌道に乗せていくことが求められる。
しかし、ビジネスや市場が発展して拡大していくと、競争相手が現れる。彼らとどう差異化して戦うのか。「優位性ステージ」では、優位性を築くことが求められる。そうして優位性を確立できれば、外部環境が変化しない限り、収益をあげ続けられる。オペレーションを磨き上げ、より効率的に稼げるようにするのが「効率ステージ」だ。
「創造ステージ」には「アントレプレナー(起業家)」が必要であり、「成長ステージ」には「マーケター」が必要だ。「優位性ステージ」では「ストラテジスト(戦略家)」が必要であり、「効率ステージ」では「マネジャー」が必要となる。
また、同じ企業でも、時代が変われば課題が変わり、必要とされるリーダーシップも変わってくることがある。つまり、どの時代にも、そしてどの企業にも通用する万能のリーダーシップ(シングル・アンサー)はないのだ。
また、リーダーには、