『あえて数字からおりる働き方』
(尾原和啓/著)

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 近年のSNSの流行に加え、ステイホームの影響から、オンライン上でのやり取りは増え続けている。便利さの一方で、SNSでは「いいね数」や「フォロワー数」を求めて見栄えのする発信をしてしまう人も多く、昨今話題となった「好きなことで生きていく」の「好き」も、共感されるようなものを選びがちになる。

 だが、誰もがこれからの時代を生き残るために重要なことは、誰かにとって意味のある存在になることだと著者は言う。そのためには、他者評価ではなく、自分の物差しで物事を測り、ギブを続けていく必要がある。そしてそれは「あえて数字からおりる」ことで実現される。本書はそんな新しい生き方・働き方の教科書である。

 著者はリクルート、グーグル、楽天などの事業企画や投資、新規事業を担当し、経済産業省対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザーなどを歴任する人物。キャリアやこれからの生き方を見つめ直したい方、個人でも生き抜く力をつけたい方などはぜひご一読いただきたい。

著者:尾原 和啓(Obara Kazuhiro)
 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。マッキンゼー・アン ド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルー ト、ケイ・ラボラトリー(現:KLab、取締役)、コーポレートディレクション、サイバー ド、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、 投資、新規事業に従事。経済産業省対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターア ドバイザーなどを歴任。著書に『モチベーション革命』、『アフターデジタル』(共著)、『ザ・プラットフォーム』、『どこでも誰とでも働ける―― 12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール 』、『モチベーション革命』、『IT ビジネスの原理』などがある。
序 章 「組織から個人」の時代に本当に必要なこと
第1章 「ギブ」を仕事の基本にする
第2章 オンラインで自然につながりをつくる僕の方法
第3章 オンラインファーストの時代に自分の武器を見つける
第4章 変化の中で自分らしい生き方を設計する
第5章 対談「自分の価値の見つけ方」前田裕二氏×尾原和啓氏

要約ダイジェスト

「組織から個人」の時代に本当に必要なこと

 これからは「個人」で生き残っていかなくてはならない。そんな空気とともに、「自分に力をつけなければならない」「人脈を増やさなければならない」「有名に、何者かにならなければならない」と焦って躍起になっている人もいるように思う。

 ネットで誰もが高速学習ができる今、「役に立つ」だけのスキルは、競争過多になる。そんな中で大事なことは「他の誰かではなく、あなたに仕事を頼みたい」という、誰かにとって意味がある存在になることだ。その積み重ねで、たくさんの人の「意味のある」存在となり、最終的に人は「何者かになる」のだ。

 今僕たちは、変化の時代がもたらす不安と焦りに煽られるあまり、ついわかりやすい“数”ばかり追ってしまい、目の前の人よりも自分のことにばかり一生懸命になっている。お金と同様で、「いいね!」やフォロワーは数値に変換してしまうと、一人ひとりからの「有り難う」の意味が薄れ、いつの間にか数を追いかけるようになる。

 そんな「数字のオバケ」に負けずに「自分の物差し」を育てるには、あえて数字を追う世界からおりることで、「意味のある自分」を見つけることが必要だ。肩書やスキルがあって人の役に立つというだけでは、AIや海外の格安サービスに置き換えられてしまうリスクもある。では何を身につけるべきか。

 それは、たとえ海外より高くて、AIよりスピードが遅くとも、顧客に「あなたが好きだから」「あなたにしかできないから」「私のことをよく知っているあなたなら、信頼できるから」…、「だから、一緒に仕事がしたい」と思われる人材であることが望ましい。

 例えば、コールセンター業務にしても、緊急のトラブルシューティングなど、アドバイザーの柔軟性や専門知識、何よりも最後まで丁寧に対応する人柄などが求められるシーンでは、やはり信頼度の高い人材へと仕事が集中する。人間関係をベースとした、“あなたが好きだから一緒に仕事がしたい”という信頼関係を築くことが、個人の働き方の主軸になっていくだろう。

「ギブ」を仕事の基本にする

 相手にギブすることが、あなたが“何者か”になるための成長のチャンスになる。ギブには2種類ある。1つ目は、自分の持つ知識や技能などで「ありがとう」と言われること。2つ目は、

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